風邪を予防するには、栄養バランスが整った食事が重要です。
しかし、多忙な毎日を送っていると、偏った食生活になってしまい、風邪をひく可能性があります。
この記事では管理栄養士が、風邪をひいたときに食べるべき栄養素と食べ物、症状別に風邪を早く治す食べ物、コンビニで買える食べ物を解説します。
早く治すために風邪をひいたときに食べるべき4つの栄養素と食べ物
ここでは、風邪をひいたときに早く治すために摂取すべき4つの栄養素と食べ物について解説します。
各栄養素を意識して食べ物を摂取することで、風邪を早く治しやすくなります。特に消化の良い食材を選び、水分補給も忘れず行うことが重要です。
たんぱく質
たんぱく質は、筋肉組織に必要な栄養素でもあり、免疫機能の維持に欠かせない栄養素です。たんぱく質が不足すると、免疫機能が低下し、風邪をひきやすくなります。
たんぱく質は卵や豆腐、白身魚などに多く含まれ、風邪の症状を軽減するために積極的に摂取することが推奨されます。(1)
ビタミンA
ビタミンAは粘膜の健康を保つ栄養素です。喉や鼻の粘膜を保護する役割があるため、ウイルスから体を守り、免疫力向上に役立ちます。
ビタミンAを多く含む食材には、ほうれん草、小松菜、にんじん、カボチャ、レバー、うなぎなどがあります。(2)
ビタミンC
ビタミンCは免疫機能に働く栄養素です。ウイルスに対する抵抗力を強化するため、風邪症状を軽減させる効果があると言われています。
ビタミンCは、みかんやグレープフルーツなどの柑橘類、キウイフルーツ、いちご、ブロッコリー、ほうれん草などに多く含まれています。(3)
ビタミンB群
ビタミンB群は、エネルギー代謝に働く栄養素です。風邪をひくと体力を消耗するため、ビタミンB群の摂取が必要です。
卵、豆腐や納豆の大豆製品、鯛などに多く含まれています。(4)
症状別に風邪を早く治す食べ物を紹介
風邪をひき始めると、様々な症状が出現します。症状は以下の通りです。
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鼻水や鼻づまりがあるとき
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咳や喉の痛みがあるとき
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発熱しているとき
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下痢やお腹の調子が悪いとき
鼻水や鼻づまりがあるとき
鼻水や鼻づまりがあるときは、ビタミンAやビタミンB群、ビタミンCの摂取がおすすめです。
粘膜の健康維持を保ち、免疫力を上げるために重要な栄養素となります。また温かい料理や飲み物は鼻の通りを良くし、鼻づまりの軽減に期待できます。
具体的には、ネギや生姜を加えて、鍋料理や野菜たっぷり入ったスープを食べることがおすすめです。
咳や喉の痛みがあるとき
咳症状や喉の痛みがあるときは、喉の刺激を与えずに、殺菌効果のある食べ物がおすすめです。
具体的な食べ物は以下の通りです。
ハチミツ
ハチミツには殺菌作用があり、喉の炎症を和らげる効果に期待できます。エネルギー補給にも効果があり、温かいお茶やレモン水にハチミツを加えるといいでしょう。(5)
ネギ
ネギの緑の部分にはビタミンCが含まれ、喉の粘膜を保護し、炎症の軽減に期待できます。(6)
生姜
生姜に含まれるジンゲロールやショウガオールには、殺菌作用と血行促進作用に期待できます。(7)
大根
水分が多く含まれる野菜です。特に葉の部分にはビタミンCが含まれ、免疫力向上に期待できます。
緑茶
殺菌効果があるカテキンが含まれるため、咳や喉の痛みを軽減するのに役立ちます。(8)
柑橘類(ゆずやレモン、オレンジなど)
ビタミンCが含まれ、咳や喉の痛みに効果的です。レモネードやゆず茶が予防に最適です。
ただし、極端に熱いものや冷たいもの、香辛料が入った刺激物は、痛みを強くすることがあります。
喉の痛みが強く、なかなか食べられないときは、ゼリーやヨーグルトなどの喉ごしの良い食べ物を選択しましょう。
発熱しているとき
発熱しているときは、エネルギーと水分を補給することが大切です。
発熱すると体力を消耗しやすくなるため、ビタミンB群を摂取し、体力の回復に期待できます。具体的な食べ物は以下の通りです。
おかゆ・卵粥・卵とじうどん
消化に良く、エネルギー補給に効果的です。
ゼリー・ヨーグルト
食欲がないときに摂取しやすい食べ物で、栄養補給に役立ちます。
経口補水液・スポーツドリンク
発熱中に失われた栄養素や水分を補給できます。
発熱時は、脱水を防ぎ、消化に良い食べ物から選択しましょう。食欲がないときは、無理せず食べられるものから少しずつ食べてください。
下痢やお腹の調子が悪いとき
下痢やお腹の調子が悪いときは、消化に良く、腸への刺激が少ない食べ物を選択しましょう。おすすめの食べ物は以下の通りです。
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おかゆ:消化に良く、お腹に優しく、水分補給もできます。
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ヨーグルト:喉ごしが良く、腸内環境も整えるのに効果的です。
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経口補水液・スポーツドリンク:脱水予防のため、こまめに飲むことが大切です。
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すりおろしりんご:すりおろしりんごはペクチンが含まれており、整腸作用に期待できます。(9)
冷たいものや香辛料は避け、お腹の調子を回復させることが大切です。
風邪を早く治したいときにコンビニで買える食べ物は大きく4つ
風邪を早く治す食べ物をコンビニで買えると便利です。
コンビニで買える食べ物は、以下の4つです。
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レトルトのおかゆ
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インスタントのスープ
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ゼリー・プリン・ヨーグルト
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スポーツドリンク・経口補水液
レトルトのおかゆ
風邪をひいたときにおすすめのレトルトのおかゆは、消化が良く、体に優しい食事です。
特に胃腸が弱っているときには、消化に優しい食べ物を選択しましょう。
レトルトおかゆは温めるだけで食べられ、水分が多く含まれているため、喉が痛いときでも飲み込みやすい食べ物です。
卵がゆや鮭がゆなどを選択すると、たんぱく質も一緒に摂取できます。
インスタントのスープ
インスタントスープは、風邪の際に手軽に栄養を摂取できる便利な食品です。
お湯を注ぐだけで簡単に作れるため、体力が落ちているときでも手軽に食べられます。
生姜や野菜が含まれたスープは体を温め、風邪の症状を和らげます。特に、生姜入りカップスープやポタージュスープはおすすめです。
ゼリー・プリン・ヨーグルト
ゼリー・プリン・ヨーグルトは、風邪で食欲がないときでも摂取しやすい食品です。
ゼリーは喉越しが良く、フルーツ入りのものはビタミン補給に役立ちます。プリンはエネルギーや栄養素が豊富で、食べやすい食べ物です。
スポーツドリンク・経口補水液
風邪の際の水分補給には、スポーツドリンクや経口補水液が効果的です。体液のバランスを保ち、脱水症状を予防できます。
スポーツドリンクは適度な塩分と糖分を含み、経口補水液は高い電解質濃度で、水分とミネラルの吸収を促進します。
風邪をひいたときに避けるべき食べ物は4つ
風邪をひいたときは、症状を悪化させないためにも、摂取を避けるべき食べ物があります。避けるべき食べ物は以下の4つです。
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脂が多い食べ物
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食物繊維が多い食べ物
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香辛料や刺激物を含む食べ物
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アルコールやカフェインを含む飲み物
上記の食べ物を食べると、免疫力が低下している体に刺激を与えてしまいます。それぞれ詳しく解説します。
脂が多い食べ物
脂が多い食べ物は消化に時間がかかり、胃腸に負担をかけるため、風邪の際には避けるべきです。
特に揚げ物や脂身の多い肉類は、消化不良を引き起こし、体力回復を妨げる可能性があります。
風邪をひいているときは免疫機能を上げるため、消化器官の働きが低下しがちです。脂っこい食事は、胃腸に負担をかけ、症状を悪化させる恐れがあります。
食物繊維が多い食べ物
食物繊維が多い食べ物も注意が必要です。特に不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収し、便の量を増やすため、下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。
風邪によって消化機能が低下しているときには、根菜類や全粒穀物などの食物繊維が豊富な食品を避けましょう。
香辛料や刺激物を含む食べ物
唐辛子やカレー粉などの強い香辛料は避けるべきです。炎症を起こしている喉や鼻の粘膜に刺激を与え、症状を悪化させる可能性があります。
これらの食品は消化器官にも負担をかけるため、風邪の回復を遅らせる要因となります。
アルコールやカフェインを含む飲み物
アルコールやカフェインを含む飲み物も飲まないようにしましょう。利尿作用があり、水分補給に逆効果となります。
特に発熱時には体内の水分が失われやすくなるため、脱水症状を引き起こすことがあります。
アルコールは免疫機能を低下させる可能性もあるため、風邪の回復には不向きです。
カフェインも同様に体調不良時には控えましょう。(10)
まとめ
風邪を早く治す食べ物について解説しました。風邪をひいたときは、たんぱく質・ビタミンA・ビタミンC・ビタミンB群の栄養素を含む食べ物を選択することが大切です。
症状別に推奨する食べ物は以下の通りです。
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鼻水・鼻づまり:ネギ、生姜を使った温かい料理
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咳・喉の痛み:ハチミツ、ネギ、生姜、大根、緑茶、柑橘類
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発熱時:おかゆ、卵とじうどん、ゼリー、経口補水液
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下痢:おかゆ、ヨーグルト、すりおろしりんご
脂っこい食べ物や食物繊維が多い食べ物、香辛料や刺激物、アルコール・カフェインを含む飲料を避け、消化に良いものを選びましょう。
脱水予防のため、経口補水液やスポーツドリンクを摂取しこまめに水分補給を行ってください。
これらの食品はコンビニでも手軽に購入することが可能です。食欲がないときは、無理せず食べられるものから少しずつ食べ、回復を待ちましょう。