いつまでも美肌を維持したいと思っている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、キレイな肌を維持するために必要な栄養素や食べ物について解説します。肌荒れに悩んでいる方や、これからも美肌を維持したいという方はぜひ、続きを読んでみてください。
肌荒れ(乾燥、たるみ、ニキビ)の原因は?
肌は、表皮、真皮、皮下組織で成り立っています。特に、美肌のためによく摂取されるコラーゲンは、真皮で働き、肌のハリや弾力を保つ役割を果たしているのです。
しかし、コラーゲンのように肌に良いといわれている成分をいくら摂取しても、生活習慣が乱れていたら、肌荒れを起こしやすくなってしまいます。ここでは、肌荒れを起こす原因について解説します。
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乱れた食生活
肌の健康維持のためには、たくさんの栄養素をバランス良く摂取する必要があります。今のところ、特定の食べ物と肌荒れの因果関係は、明確になっていません。
しかし、極端な食事制限をしたり、偏った食生活を送ると、肌の健康に必要な栄養素が不足する可能性があるため、注意が必要です。(1)
睡眠不足
就寝中には、肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンが分泌されます。そのため、睡眠時間が短かったり、質の良い睡眠がとれていない場合は、ターンオーバーがうまく行なわれず、肌荒れにつながってしまう場合があるのです。(2)(3)
腸内環境の悪化
腸内細菌叢が皮膚の健康に影響を及ぼすメカニズムは、まだ明らかになっていませんが、腸内環境が悪くなることで、皮膚疾患を発症する可能性があるといわれています。
腸内環境の悪化につながる悪玉菌は、脂質が中心の食事、便秘などが原因で腸内に増えていくといわれているため、日々の食事が非常に重要です。(4)(5)
過度なストレス
過度なストレスにより、体内で活性酸素の産生が促されるといわれています。活性酸素は、少量であれば、人間の身体にとって良い働きをしますが、過剰に産生されると細胞を傷付け、疾患の発症や、老化につながってしまう場合があるのです。
そのため、ストレスによって活性酸素が過剰になると、肌の細胞を傷付け、肌荒れの原因になることも考えられます。(6)
美肌のために必要な栄養素は?
美肌になるためには、外側からのスキンケアに加えて身体の内側からのケアも重要です。ここでは、美肌に必要な栄養素について解説します。
栄養素1. たんぱく質
たんぱく質は、皮膚の構成成分であるため、肌の健康維持のために必要不可欠な栄養素です。たんぱく質は、さまざまな食品に含まれていますが、アミノ酸の構成により体内での利用率が異なります。
良質なたんぱく質とは、体内で合成することのできない必須アミノ酸がバランス良く含まれている食品のことで、肉類、魚類、卵、大豆製品などがあります。
また、コラーゲンは、皮膚や血管、腱や歯などの組織に存在する繊維状のたんぱく質のことであり、肌の弾力やハリのために重要な成分です。コラーゲンを多く含む食品は、鶏の手羽や、フカヒレ、牛すじ、鶏皮などがあります。(7)(8)(9)
栄養素2. ビタミンA
ビタミンAは、脂溶性ビタミンの1つで、皮膚の健康を維持するのに必要とされています。
ビタミンAは、肉や魚、乳製品に含まれるレチノールと、果物や野菜、その他の植物由来の食品に含まれるプロビタミンA(β-カロテン)の2種類に分けられるのです。
ビタミンAは、にんじんやブロッコリーなどの緑黄色野菜や牛レバーなどに豊富に含まれています。(10)(11)
栄養素3. ビタミンB群
ビタミンB群には、さまざまの種類がありますが、その中でも肌の健康維持に役立つのは、ビタミンB2とビタミンB6といわれています。
ビタミンB2とビタミンB6は、欠乏すると脂漏性皮膚炎を発症する場合があることが分かっているのです。ビタミンB2は、レバーやうなぎ、納豆など、ビタミンB6は、かつおやまぐろ、バナナなどに豊富に含まれています。(10)(11)
栄養素4. ビタミンC
ビタミン C は、皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須のビタミンです。ビタミン C が欠乏すると、肌の弾力をキープするために必要なコラーゲンが合成できなくなってしまうといわれています。
その他にも、ビタミン C は、強い抗酸化作用があり、体内でビタミンEと協力して活性酸素を消去して細胞を保護しています。
ビタミンCは、水溶性ビタミンであるため、体内に蓄積することができません。なるべく日々の食事でビタミンCが豊富に含まれる食品を取り入れると良いでしょう。
ビタミンCは、野菜類や果物類に豊富に含まれています。(10)(11)
栄養素5. ビタミンE
ビタミンEには、肌の老化の原因となる活性酸素の生成を抑制する働きがあります。ビタミンEは、油に溶ける性質があるため、油を使った調理法で吸収率が上がる傾向があります。ビタミンEを摂取したい場合は、調理方法を工夫してみましょう。
ビタミンEは、ナッツ類やひまわり油、かぼちゃやアボカドなどに豊富に含まれています。(11)(12)
栄養素6. 亜鉛
さまざまなミネラル類の中でも、特に亜鉛が欠乏すると、皮膚トラブルが起きる可能性があることが分かっています。ミネラルは相互に作用する特徴があるため、いろいろな食材を食べてバランスよく摂ることが大切です。
亜鉛は、牡蠣や赤身肉、卵黄やチーズなどに豊富に含まれています。(10)(11)
栄養素7. 必須脂肪酸
必須脂肪酸とは、体内で合成できない脂肪酸のことです。特に、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は、欠乏すると皮膚トラブルを引き起こす原因になるといわれています。
オメガ6脂肪酸は、大豆油やコーン油などに豊富に含まれ、オメガ3脂肪酸は、サバやサンマ、イワシなどの魚介類や亜麻仁油、エゴマ油などに豊富に含まれています。
必須脂肪酸を摂取するためには、これらの食品を日々の食事に取り入れると良いでしょう。(10)(11)
栄養素8. 食物繊維
肌の健康を維持するためには、腸内環境を整えることが大切です。整腸作用があることでよく知られている食物繊維は、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類などに多く含まれています。
一日のうち一食の主食を玄米ごはん、麦ごはん、胚芽米ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えると、効率的に食物繊維を摂取できるでしょう。
日本人は食物繊維が不足傾向であるため、これらの食品を日々の食事に積極的に取り入れることが大切です。(13)
肌にいい食べ物7選ランキング
美肌のためには、肌の健康に必要な栄養素が含まれる食品を摂って、内側からケアをすることが大切です。
しかし、実際に食事に気を付けたいと思っても、何を食べたら良いかよく分からないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。ここでは、手軽に入手できて、日々の食事に取り入れやすい美肌のために積極的に食べたい食べ物7選をご紹介します。
1. 卵(良質なたんぱく質)
卵は、肌の構成成分であるたんぱく質の摂取源です。生卵は、熱に弱いビタミン類もまるごと摂取できるというメリットがあります。
また、油を使って調理する卵焼きや、目玉焼きは、脂溶性ビタミンの吸収率を上げられます。(10)
2. 納豆、豆腐などの大豆製品(良質なたんぱく質)
納豆や豆腐などの大豆製品は、低カロリーであり、良質な植物性たんぱく質の摂取源です。
納豆は、加熱するよりも、そのまま食べた方が栄養素をまるごと摂取できます。また、豆腐は冷や奴やお味噌汁、炒め料理などさまざまな料理と相性が良いので、日々の食事に取り入れやすいでしょう。(10)
3. サバ、サンマ(必須脂肪酸)
サバやサンマなどの青魚は、肌の健康に必要な必須脂肪酸の摂取源です。
焼き魚や煮魚などで食べるのも美味しいですが、加熱に弱い栄養素もしっかり摂取するには、お刺身もおすすめです。また、時間がない時は、手軽で栄養価が高い魚の缶詰を使っても良いでしょう。(10)
4. ブロッコリー、にんじんなどの緑黄色野菜(ビタミンC、β-カロテン)
ブロッコリーやにんじんなどの緑黄色野菜には、美肌に必要なビタミンCが豊富に含まれています。また、緑黄色野菜には、抗酸化物質も含まれているため、活性酸素の産生を抑制し、肌の老化を防ぐ働きも期待できるでしょう。(6)(10)
5. キウイフルーツ、柿などの果物(ビタミンC)
キウイフルーツや柿などの果物には、ビタミンCが豊富に含まれています。肌の健康維持に必要なビタミンCは、加熱に弱い栄養素ですが、果物は生で食べることが多いため、効率よく摂取できます。
果物の食べ過ぎは、エネルギーの過剰摂取につながりやすいので、日々の食事にビタミンCが豊富に含まれる果物を適量取り入れてみると良いでしょう。(10)
6. ヨーグルト(生きた善玉菌)
肌をキレイに保つには、腸内環境を整えることが必要です。ヨーグルトは、生きた善玉菌を直接摂取できる食品の一つです。
ビフィズス菌や乳酸菌は、腸内に住み着くことができません。そのため、ヨーグルトは、なるべく毎日摂取できると良いでしょう。(5)
7. アーモンド(ビタミンE)
アーモンドなどのナッツ類は、ビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEには、抗酸化作用があるため、肌の老化予防が期待できます。
しかし、ナッツ類は、食べ過ぎるとカロリーの過剰摂取につながってしまうため、ほどほどにしましょう。(10)(12)
肌にいい食べ物を使ったレシピの紹介
ここでは、肌に良いといわれる食べ物を使ったレシピをご紹介します。
1. ビタミンCたっぷり!鶏ささみ&ブロッコリーサラダ
【材料(2人分)】
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ブロッコリー:1/2株
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鷄ささみ:2本
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ブロッコリースプラウト:お好みの量
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米油:大さじ1
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しょうゆ:大さじ1
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酢:大さじ1
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レモン汁:大さじ1/2
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きび砂糖:小さじ1/6
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黒こしょう:少々
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アーモンド:10粒程度
【作り方】
①ブロッコリーはひと房ずつ包丁で切り離し、ひと口サイズに切る。茎は約2mm幅にカットして火を通す。
②鶏ささみは鍋で沸騰させたお湯に入れて茹でて、中心部まで火を通す。粗熱がとれたら手で裂く。
③ブロッコリースプラウトは根を切り落としておく。
④アーモンドは粗めに刻んでおく。
⑤ボウルにブロッコリー、ブロッコリーの茎、鶏ささみ、ブロッコリースプラウト、アーモンドを入れ、米油、しょうゆ、酢、レモン汁、きび砂糖、黒こしょうで味付けをして完成。
2. リコピンと必須脂肪酸が摂れる!トマト・まぐろ・たまねぎの味噌汁
【材料(2人分)】
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たまねぎ:1/2個
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マグロ赤身:120g
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ミニトマト:3個
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万能ねぎ:1本
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だし:1+1/2カップ
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みそ:大さじ1強
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七味唐辛子:少々
【作り方】
①たまねぎは薄切り、万能ねぎは小口切りにする。マグロは2cm幅、ミニトマトは横半分に切っておく。
②小鍋にだしと玉ねぎを入れて火にかける。
③沸騰したら、マグロを加えて再び煮立て、ふたをして弱火で2~3分加熱する。
④③にトマトを加えて、みそを溶き入れて煮立ったら器に盛りつける。ねぎとお好みで七味を振ったら完成。
美容サプリメントを上手に活用する方法とは?
近年、さまざまな美容サプリメントが販売されています。サプリメントは、正しく活用することで栄養バランスの改善にもつながり、美容面でも嬉しい働きが期待できるでしょう。
また、美容サプリメントは、肌の健康維持に特に必要なコラーゲンやビタミンCなどの成分を直接摂取できるというメリットがあります。サプリメントは、食事のみでは不足しやすい栄養素を摂取するために活用すると効率的です。
しかし、サプリメントは薬ではないので、飲んだらすぐに美肌になるということはありません。
また、サプリメントには副作用や過剰症が現れる場合があるため、必ず正しい量を飲むことが大切です。妊娠中の方や現在治療中の疾患がある方などは、事前にサプリメント摂取について医師へ相談すると安心でしょう。
まとめ:美肌のためには日々の食事が重要!
肌に良いといわれる食べ物や栄養素についてお分かりいただけたでしょうか。肌は、外側からのケアに注目されがちですが、毎日の食習慣が非常に重要です。
しかし、どんなに肌に良いといわれる成分でも、摂りすぎはおすすめできません。肌だけではなく、身体の健康のためにもいろいろな食材をバランス良く食べるようにしましょう。