循環の悩み

高血圧の基準は?予防・改善方法を紹介!

監修者 佐藤 浩樹 医師 公開日:2024-05-13 最終更新日:2024-07-05

循環の悩み

高血圧の基準は?予防・改善方法を紹介!

監修者佐藤 浩樹 医師 公開日:2024-05-13 最終更新日:2024-07-05

現代社会のリズムが速くなり、生活のストレスがますます増加しています。高血圧は、世界中の多くの人々の健康を脅かす一般的な健康問題となっています。高血圧は潜在的で危険な疾患であり、日常的に高血圧を管理していないと、心臓病、脳卒中、腎臓疾患など、多くの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。したがって、高血圧の原因と効果的な予防方法を理解することが非常に重要です。この記事では、高血圧の原因を詳しく説明し、実用的な予防策を提供し、みなさんが血圧の改善方法についてより良く理解し、自身の健康を守るための効果的な手段をお教えします!

高血圧とは?

高血圧は心臓血管疾患の一つで、血液が動脈壁に対し持続的に高い圧力をかけることが特徴です。通常、心臓は酸素と栄養を体の各部位に運び、血液が動脈内を流れる際に動脈壁に圧力をかけます。これが血圧です。しかし、この圧力が正常範囲を超えて持続的に高まる状態が高血圧です。

高血圧には通常明らかな症状がないため、「サイレントキラー、沈黙の殺し屋」などと呼ばれます。高血圧が続いて改善されない場合には、心臓病、脳卒中、腎臓疾患などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。したがって、高血圧を早期に発見し、日常的に管理することは、心血管の健康を維持するために非常に重要になります。
 

高血圧の基準

(1)血圧とは、血液が流れる際に血管壁にかかる圧力です。年齢、ストレス、活動状況、または疾患によって変動するため、数値は一定ではありません。

  1. 一般的に、血圧の正常値は120/80mmHgです。120mmHgが収縮期血圧であり、心臓が収縮するときの血圧を示します。80mmHgが拡張期血圧であり、心臓が拡張するときの血圧を示します。収縮期血圧と拡張期血圧の両方が重要です。

  2. 血圧が120/80〜140/90 mmHgの範囲にある場合、これは高血圧前段階であり、高血圧に進展する可能性が高いことを示します。生活習慣を改善し、毎日血圧を測定する習慣を身につけ、医療専門家による後続の血圧変化について意見を求めることが推奨されます。

  3. 血圧が140/90 mmHgを超える場合、医師と相談し、治療の必要性について話し合うべきでしょう。
     

高血圧を予防する食事

(2)食事と高血圧は密接な関係があります。高血圧を予防するためには、摂取エネルギーや食塩の過剰摂取に注意し、栄養のバランスがとれた食事をすることが大切です。

高血圧を予防するための食事には、以下のようなポイントがあります:

 

1.塩分(ナトリウム)の制限

食事中の塩分摂取を制限することが重要です。加工食品や調理済み食品には多くの塩分が含まれているので注意が必要です。減塩の目標値は6g/日未満です。まずは、摂取した個別の食物に記載されている食塩量に注目しましょう。電子式食塩センサーによる推定値を利用することも有効です。

 

2.カリウムの摂取

カリウムを適切な量摂取することも重要です。カリウムはナトリウムとのバランスを保ち、血圧を下げるのに役立ちます。バナナ、イモ類、ホウレンソウ、アボカドなどの食品にはカリウムが豊富に含まれています。しかしながら、腎臓に障害のある方は、カリウム摂取量について医師に相談ください。

 

3.アルコールの適量摂取

アルコールを適度に摂取することも高血圧を予防するために重要です。しかし、過度なアルコール摂取は血圧を上昇させる可能性があります。

 

4.過剰なカフェイン接種

カフェインは一時的に血圧を上昇させることがあります。長期的なカフェインの過剰摂取により、人によっては高血圧のリスクが高くなる可能性があるので注意しましょう。

これらの食事指針に従うことで、高血圧を予防し、健康的な生活を送ることができます。

 

高血圧を改善する運動

肥満になると高血圧発症のリスクが高くなります。具体的には、BMI<20kg/m2を1とすると、25.0~29.9kg/m2で1.5~2.5倍と推定されています。したがって、肥満の人は体重を減らす努力をし、体重が正常な人はBMI指数を維持し、体重増加を避けるように心がけるべきです。健康な体重を維持することは、高血圧を管理するだけでなく、他の疾患になるリスクを減らします。

運動療法には以下のような運動種目、頻度・時間、強度が推奨されています。運動種目としては、ウォーキング(速歩)・スロージョギング・ランニングなどの有酸素運動が適しています。運動頻度・時間については、定期的に(できれば毎日30分以上)運動を行う。または、1回につき少なくとも10分以上持続し、合計して1日40分以上運動を実施することが推奨されています。運動強度としては、中等度「ややきつい」と感じる程度の強度がお勧めです。でも、注意点が一つあります。運動療法の対象者は、Ⅱ度高血圧以下(病院の診察測定時で収取期血圧が160~179mmHgかつ/または拡張期血圧が100~109 mmHg)の血圧値で脳心血管病の無い高血圧患者さんですので、この血圧に該当しない患者さんは一度、主治医とご相談ください(JSHガイドライン2019)。
 

生活習慣の改善

高血圧は単独の疾患だけでなく、多くの心血管疾患や他の健康問題の主要なリスク要因の一つです。しかし、生活習慣の調整により、高血圧を効果的にコントロールし、発症リスクを低減することができます。(3)
 

1.禁煙

喫煙は血圧を上昇させ、心臓病や脳卒中のリスクを高めます。非喫煙者は引き続き喫煙を避け、喫煙している場合は、医療関係者に相談して最適な禁煙サポートを受けてください。
 

2.ストレス管理

ストレスは一時的に血圧を上昇させますが、状況が改善されずに放置し、長期間続くと高血圧を引き起こす可能性があります。日常生活でリラックスできることや自分に合ったストレス解消方法を持つことは、高血圧の予防に役立ち、身心の健康を促進します。運動や音楽を聴く、瞑想、深呼吸などを試してみてください。リラックスした状態を保つことで、日常のストレスと上手に向き合うことができます。
 

3.十分な睡眠

十分な睡眠は人によって異なりますが、最適な睡眠時間が確保されていないと知らずのうちに心労が蓄積してしまいます。また、肥満の方は睡眠時無呼吸を伴いやすく、高血圧の合併症になり得えます。
 

4.血圧の測定

定期的な血圧の測定は、潜在的な高血圧の発見に非常に重要です。定期的に測定をするには病院を受診するか、自宅で測定することができます。高血圧の初期は症状はほとんどありませんので、血圧測定でしか高血圧を発見することができません。前段階の高血圧の場合、収縮期血圧が120〜129mmHgの範囲にある場合、医師は高血圧にならないように、具体的な予防策を説明してくれます。生活習慣を整え、良い習慣を身につけることで高血圧を予防するだけでなく、体の健康を促進することもできます。