生活習慣の悩み

中性脂肪を下げる食べ物5選!効果的に食生活のコツもご紹介

監修者 小嶋 絵美 管理栄養士 公開日:2024-09-29 最終更新日:2024-10-04

生活習慣の悩み

中性脂肪を下げる食べ物5選!効果的に食生活のコツもご紹介

監修者小嶋 絵美 管理栄養士 公開日:2024-09-29 最終更新日:2024-10-04

「中性脂肪を減らしたい」「食生活を見直したい」とお悩みではありませんか。中性脂肪は本来、エネルギー源として大きな役割を担っています。しかし、中性脂肪が過剰となると、体脂肪が蓄積して肥満を招くことが知られています。そして肥満によって健康を害するおそれもあるのです。中性脂肪をコントロールするためには、食事の内容がとても重要です。この記事では、中性脂肪を下げる栄養素や食べ物について解説します。

中性脂肪とは

中性脂肪は糖質・たんぱく質とともに人体に必要な「エネルギー産生栄養素」であり、エネルギーを得るために欠かすことのできない栄養素のひとつです。中性脂肪は脂質の一種で、体内の脂質の約90%を占めています。中性脂肪は体脂肪だけでなく血液中にも含まれ、血液中の中性脂肪が高くなると、生活習慣病のリスクが高まることが分かっています。実際、メタボリックシンドロームの診断基準のなかに、中性脂肪の値が含まれます。(1)(2)(3)

健康を維持して、生活習慣病を対策するためには、中性脂肪のコントロールが大切です。中性脂肪増加の原因となる食べ過ぎや、エネルギー・糖質・脂質などの摂り過ぎに注意し、バランスのよい食事をしましょう。中性脂肪を下げるには、どんな栄養素・食べ物を摂るといいのか、次の項目で解説します。(1)(2)

 

中性脂肪を下げる栄養素

1.DHA・EPA

DHA・EPAは脂肪酸の合成を抑え、肝臓での中性脂肪の産生を低下させることが、実験により示唆されています。さらに、DHA・EPAは脂肪酸の代謝を高めて脂肪酸を減少させることでも、中性脂肪の産生を抑制するとされています(4)

 

2.食物繊維、難消化性デキストリン

食物繊維は脂質・糖質を吸着して排出する作用があり、脂質・糖質の摂り過ぎによる肥満の対策に役立ちます。難消化性デキストリンは、特定保健用食品(トクホ)の成分として採用されている水溶性食物繊維の一種です。食事からの脂質の取り込みを抑える働きがあります(5)(6)

 

3.ポリフェノール

ウーロン茶に含まれるポリフェノール(ウーロン茶重合ポリフェノール)は、食事から摂る脂肪の吸収を抑制します。さらに、脂肪の排出を促すことにより、食後の血中中性脂肪上昇を抑え、体脂肪をつきにくくしてくれますよ(7)

 

中性脂肪を下げる食べ物

中性脂肪を下げるために摂りたい食べ物と、含まれる栄養素について解説します。

1.青魚(サバ、イワシなど):DHA・EPA

サバ、イワシといった青魚には、DHA・EPAが豊富に含まれています。前述の通りDHA・EPAは脂肪酸の産生を抑える作用が期待されています。それだけでなく、DHA・EPAはHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす働きもあり、コレステロールが気になる方にもおすすめです(4)(8)

 

2.大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など):食物繊維・イソフラボン

大豆製品の食物繊維は便通をよくしますが、脂肪を吸着して排出する作用もあります。大豆には、イソフラボンというポリフェノールも含まれています。イソフラボンは脂肪酸の燃焼を促し、細胞内の脂肪蓄積を抑える作用があり、メタボリックシンドロームの対策に役立ちます(5)(9)

 

3.野菜(ブロッコリー、ほうれん草など):食物繊維・抗酸化ビタミン

野菜には食物繊維のほか、抗酸化ビタミンが豊富に含まれています。抗酸化ビタミンとは、抗酸化作用を有するビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどです。活性酸素を取り除く働きがあり、脂質の酸化を抑制します。動脈硬化を引き起こす原因のひとつが、酸化した脂質=過酸化脂質。抗酸化ビタミンの多い野菜を摂って対策し、健康に役立てましょう(10)(11)

 

4.低脂質な肉類

肉類にはL-カルニチンが多く含まれています。L-カルニチンは脂肪燃焼の作用が注目されており、「健康食品」の成分でもあります。しかし肉類のなかには高脂質なものもあるので、中性脂肪を下げたいときは、低脂質な部位を選ぶようにしてください(12)

 

5.海藻・きのこ:食物繊維

海藻・きのこにも、脂質の吸収を抑える食物繊維が含まれています。食物繊維の多い食べ物を食べると、自然と噛む回数が増えて、少量でも満足感が得られますよ。海藻・きのこは食べ過ぎを避けたいときに、ゆっくりよく噛んで味わうのがおすすめです(5)(13)

 

中性脂肪を下げる飲み物

1.グアバ葉茶

グアバ葉茶のポリフェノールにより小腸での糖吸収や、食後血糖値の急上昇が抑えられます。血糖値が高まるとインスリンというホルモンが分泌され、糖(ブドウ糖)を肝臓に取り込もうとします。そして、肝臓で取り込み切れない糖は、筋肉や脂肪細胞へ送られます。このように、体脂肪を増やさないためには、食後血糖値のコントロールが大切です(14)(15)

 

2.緑茶

緑茶に含まれるカテキン「茶カテキン」は、食事の脂肪の吸収を抑えたり排出を増加させたりします。茶カテキンが摂れる、特定保健用食品(トクホ)の緑茶も販売されています(16)

 

3.ウーロン茶

ウーロン茶の「ウーロン茶重合ポリフェノール」は、脂肪の吸収を抑え、食後血中の中性脂肪上昇を抑制します。特定保健用食品(トクホ)のウーロン茶もあります(17)

 

中性脂肪を下げるその他の生活習慣

【おすすめの生活習慣】

  • 脂質の少ない調理方法にする

  • 野菜から先に食べる

  • 糖質・脂質の多い飲み物を避ける

  • 適度な運動をおこなう

  • 禁煙する

  • 飲酒に注意

調理方法に気を付けると、脂質の摂取が控えられます。油を使って揚げたり炒めたりするよりも、炊いたり蒸したりしたほうがヘルシーです。また食事は、野菜から食べると、食べ過ぎ対策・肥満対策・生活習慣病対策につながります。飲み物では、糖質・脂質が多く高カロリーなものを、避けましょう。(18)(19)

中性脂肪やコレステロールをコントロールするには運動をしたり、禁煙したり、飲酒を控えることも重要です。運動・禁煙をすると、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の増加が見込めますよ。実は飲酒にもHDLコレステロール増加の作用がありますが、高血圧や肝臓への悪影響が懸念されるため、生活習慣病対策のうえでは飲酒をおすすめできません(2)

 

まとめ

中性脂肪をコントロールして、肥満や生活習慣病を対策していくには、バランスのとれた食生活が重要です。食事の内容、調理方法、食べ方に気を付けましょう。おすすめの食べ物は、青魚、大豆製品、野菜、低脂質な肉類、海藻・きのこです。食事のほかには、運動に取り組み、禁煙をし、飲酒量にも気をつけるといいでしょう。