DHAが豊富な食材は、魚です。
「魚を食べると頭がよくなる」と歌のフレーズでもあるように、魚には考え力をサポートするDHAが豊富に含まれています。
DHAはドコサヘキサエン酸のことで、人が体内では合成しにくい必須脂肪酸に含まれます。つまり、DHAは食べ物から摂取しなければ不足する可能性が高まるのです。
今回はDHAを豊富に含む魚をランキング形式で紹介するとともに、おすすめの料理などを紹介します。
魚を食べるべき理由はDHAにある

DHAとは
魚を食べるべき大きな理由のひとつは、DHAが含まれているからです。
DHAはドコサヘキサエン酸と呼ばれる必須脂肪酸の一種で、オメガ3脂肪酸に分類されます。オメガ3脂肪酸にはDHAのほか、EPA(エイコサペンタエン酸)、ALA(αーリノレン酸)などが含まれます。
DHAは細胞膜の主要な構成成分であり、細胞の柔軟性を保ち、情報伝達をスムーズにする働きが期待できます。また、DHAは脳や網膜(目の奥にある薄い膜のような組織)の主要成分です。そのため、DHAが不足すると脳や網膜の機能が損なわれる可能性があります。
そもそも必須脂肪酸とは、体内で十分な量が合成できず、食べ物から摂取しなければならない成分のこと。脂の多い青魚や、魚の脂身の部分に多く含まれています。
オメガ3脂肪酸の詳しい情報はこちらから:オメガ3脂肪酸の効果とは?オメガ3脂肪酸の幅広い効能や摂取量の目安などを詳しく解説!
魚以外の食品でDHAを摂れる?
魚以外にも豚肉や鶏肉、牛肉の一部からDHAを摂取することもできますが、例として100gの鶏レバーは180mgDHAしかありません。DHAの量はわずかです。
食品 |
DHA(100gあたり) |
鶏レバー(生) |
180mg |
牛ひき肉(生) |
87mg |
豚(かた・脂身・生) |
67mg |
※出典:食品成分データベース|文部科学省
やはり十分な量のDHAを摂取するのであれば、魚をおすすめします。
DHAが豊富な生魚のランキングTOP5

数ある魚の中から、どれがDHAを豊富に含むのか、ランキング形式で発表します。ここでは、生食(刺身)や切身の状態で売られているものの中からピックアップしました。
食品 |
DHA含有量(100gあたり) |
|
1位 |
アンコウ(肝) |
5100mg |
2位 |
ミナミマグロ(トロ部分) |
4000mg |
3位 |
クロマグロ(トロ部分) |
3200mg |
4位 |
サバ(生) |
2600mg |
5位 |
サンマ(皮なし・生) |
2100mg |
1位はアンコウの肝でした。深海魚かつ脂質の多い部位なので、DHAを豊富に含むようです。2位と3位は共にマグロでした。
種類によって含有量は異なりますが、マグロはどれもDHAを多く含む魚です。特に脂質の多いトロの部分を食べれば、DHAをたくさん摂取できます。また、4位はサバ、5位はサンマとどちらも青魚です。
このランキングを見て分かる、DHAを豊富に含む魚の特徴は以下の通りです。
-
青魚
-
脂質の多い魚(部位)
-
深海魚
この特徴を覚えておけば、DHAを効率よく摂取できるでしょう。
実際に、ランキング外とはなっていますが、青魚であるアジやイワシ、脂質の多いサケやカツオ、ウナギはDHAを多く含んでいます。
DHAが豊富な魚料理のランキングTOP5

料理などに加工した状態では、どの魚がDHAを多く含むのか見ていきましょう。
食品 |
DHA含有量(100gあたり) |
|
1位 |
サバ(開き干し/焼き) |
2700~2100mg |
2位 |
すじこ・イクラ |
2400~2000mg |
3位 |
サンマ(焼き) |
2000mg |
4位 |
ブリ(焼き) |
1900mg |
4位 |
カラスミ |
1900mg |
干したり焼いたりしたサバが最もDHAの含有量が多く、次いですじこやイクラが多いことが分かりました。
シンプルに焼いたサンマやブリもDHAが豊富で、高級珍味のカラスミもDHAが多く含まれています。
ただし、すじこやイクラ、カラスミは価格が高く、また一度にたくさん食べるものではないため、効率よくDHAを摂取するなら、サバ・サンマ・ブリの3種類がおすすめです。
また、ランキングには載っていませんが、サバやサンマなどの缶詰にもDHAが多く含まれているため、手軽に魚を食べるにはうってつけです。
魚離れの食生活はDHA不足の原因に

魚離れが進んでいる
魚はDHAをはじめとする、体にうれしい栄養素を摂取できる、優秀な食品です。しかし、現在の日本では魚離れが進んでいます。
魚の消費がピークであった2001年度は、1人当たり40.2kgの魚介類を消費していたそうですが、2022年度は22.0kgとピーク時の約半分まで落ち込んでいます。(2)
ただし、必ずしも魚が嫌いだから消費が落ち込んでいるわけではなく、魚介類の価格の高さがネックになっている側面もあるようです。(3)
日本人はオメガ3脂肪酸の中でも、ALA(αーリノレン酸)を最も多く摂取しています。(4)人間は体内でALAをEPAやDHAに変換できますが、その変換率はごくわずかです。
ALAを摂取しているからと言って、EPAやDHAまで十分にカバーできるわけではなさそうです。
オメガ6脂肪酸の摂取量が多くなっている

また、多様化する食文化により、現代の日本人は飽和脂肪酸やオメガ6脂肪酸の摂取量が多くなっています。
飽和脂肪酸は肉や乳製品などに多く含まれ、摂りすぎると脂質異常症など生活習慣病のリスクが高まると言われています。
オメガ6脂肪酸も必須脂肪酸の一種であり、適量を摂取することは健康維持につながるのですが、過剰摂取はHDLコレステロールを下げ過ぎたり、体内の炎症反応を引き起こしたりすると言われているため、こちらも摂取のし過ぎには注意が必要です。
これらの脂質よりも、DHAを中心としたオメガ3脂肪酸を積極的に摂取することで、健康的な毎日を過ごせるようになります。
厚生労働省はオメガ3脂肪酸の推奨摂取量を、成人男性2.0~2.2g、成人女性1.6~2.0gと定めています。(4)
DHAが多い魚の美味しい調理方法とおすすめ料理

一度にDHAをたくさん摂取するなら、刺身など生食をおすすめします。
というのも、DHAは脂質に多く含まれているため、調理によって脂質と一緒にDHAも溶け出してしまうからです。
DHAが多い順
刺身→焼き魚・煮魚→揚げ物
しかし、毎回刺身を食べるのは難しいので「できるだけ脂が溶け出さないシンプルな調理法」「脂ごと食べられる調理法」を踏まえたメニューを食べてみましょう。
以下で、具体的なメニューを提案します。
自炊向けおすすめメニュー
-
マグロ→マグロステーキ
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サバ→サバの味噌煮、サバのトマトパスタ、サバの塩焼き
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アジ→アジの塩焼き
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サンマ→サンマの塩焼き、さんまの蒲焼き
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イワシ→イワシのつみれ汁、いわしの梅煮
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ブリ→ブリの照り焼き、ブリ大根
外食向けおすすめメニュー
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マグロ→マグロのカマの塩焼き、カルパッチョ、かぶと煮
-
サバ→シメサバ、
-
アジ→なめろう、
-
アンコウ→あん肝ポン酢、あんこう鍋
-
ブリ→ブリしゃぶ、ブリのカマの塩焼き
自炊も外食も、揚げ物メニューよりシンプルに焼いたり煮たりするメニューを選ぶと、より多くのDHAが摂取できます。
新鮮な魚の選び方

DHAと魚の鮮度が関係するのかどうかは、明らかとなっていません。
しかし、新鮮な魚を選んだほうが美味しく食べられますし、DHA以外の栄養素も多く摂取できます。
そこで、新鮮な魚を選ぶためのポイントを見ていきましょう。(5)
新鮮なもの |
鮮度が落ちているもの |
|
目 |
・目の色が澄んでいる |
・白く濁っている ・血が混じっている |
エラ |
・鮮やかな赤 |
・白っぽくなっている |
表面 |
・皮や身の表面にツヤがある |
・白っぽくなっている |
弾力 |
・腹部に弾力がある |
・内臓が出ている |
切身の場合は表面をチェックし、白っぽくなっているものはできるだけ避けましょう。
DHAに関してよくある質問
ここからは、魚やDHAに関するよくある質問に答えていきます。
1. DHAとEPA どっちがいいの?
どちらも健康維持に役立ちます。DHAとEPAはどちらも魚に多く含まれている成分なので、魚を食べればセットで摂取できると考えてよいでしょう。
2. EPAが多い魚のランキングは?
EPAが多い魚、TOP5をまとめました。
食品 |
EPA含有量(100g) |
|
1位 |
アンコウ(肝) |
3000mg |
2位 |
すじこ・イクラ |
2100~1600mg |
3位 |
イワシ(缶詰・蒲焼き) |
1800mg |
3位 |
サバ(生) |
1800mg |
4位 |
ミナミマグロ(トロ部分) |
1600mg |
ランキングを見て分かるように、DHAを豊富に含む魚を食べれば、EPAもしっかり摂取できます。
3. 魚を食べることのデメリットは?
魚は健康にいい食品ですが、大型の魚には水銀やダイオキシンが蓄積されている可能性があります。
そのため、妊婦さんが魚を食べる際には、ミナミマグロやマカジキなど、量を控えなければならない種類もあるのです。
ただし、一般の人が水銀やダイオキシンを過度に心配する必要はないと考えます。水銀が蓄積される魚の種類は限られていますし、これらの魚を毎日過剰に食べることは稀です。
ダイオキシンも魚を過剰に食べなければ、心配はいりません。(6)
むしろ魚を食べないことで、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が不足する可能性があるため、魚は1食80~100gを目安に、バランスよく食べましょう。
ただし、魚にアレルギーがあったり、魚が嫌いだったりする方もいるはずです。その場合は、DHAやEPAを含むサプリメントを利用するとよいでしょう。
まとめ
魚はDHAを豊富に含む食品です。特に青魚、脂の多い魚、深海魚などはDHAだけでなくEPAも豊富に含まれています。
ただし、DHAは魚の脂に多く含まれているため、調理時に脂が溶け出すと、同時にDHAも減ってしまいます。
そのため、なるべく刺身など生食をするか、脂が溶け出さないシンプルな調理法がおすすめです。
また、魚は健康によい影響を与えるのは事実ですが、魚ばかり過剰に摂取するのではなく、肉や大豆製品などもバランスよく摂取することが大切です。
ぜひこの記事をきっかけにして、魚を食卓に登場させる機会を増やしてみましょう。

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