栄養素 - 脂質

オメガ3脂肪酸が多い食品ランキング10選!たっぷりオメガ3を食べましょう

監修者 堀川 衣梨 管理栄養士 公開日:2024-07-10 最終更新日:2025-01-16

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オメガ3脂肪酸が多い食品ランキング10選!たっぷりオメガ3を食べましょう

監修者 堀川 衣梨 管理栄養士 公開日:2024-07-10 最終更新日:2025-01-16

オメガ3脂肪酸は、中性脂肪の低減や血流の循環、脳機能へのサポートに役立ち、近年注目を集めている栄養素です。

マグロやサケなどの魚介類、えごま油やアマニ油、くるみなどの植物性食品に含まれ、日常的な摂取の必要性が高まってきています。

今回はオメガ3脂肪酸を豊富に含む食品をランキング化し、効率よく摂取する方法について紹介します。オメガ3脂肪酸の上手な取り入れ方を学んでいきましょう。

オメガ3脂肪酸とは

オメガ3脂肪酸分類

オメガ3脂肪酸は多価不飽和脂肪酸に分類され、食品でしか摂取できない必須脂肪酸の一種です。α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)の3種類があります。

ALA(α-リノレン酸)は植物性食品のアマニ油やえごま油、くるみなどに多く含まれ、酵素やたんぱく質の働きによって、EPA(エイコサペンタエン酸)、ドコサペンタエン酸(DPA)、DHA(ドコサヘキサエン酸)に変換されます。

DHAとEPAは魚の脂身に多く含まれ、さばやさんま、ぶりなどの青魚のほか、カニやムール貝などの甲殻類にも含まれています。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は、血液の健康をサポートし、炎症を抑える働きがあり、心血管疾患の予防にも役立つ重要な栄養素です。
オメガ3とは?オメガ3脂肪酸の8つ効果一覧【医師監修】

オメガ3

DHA

EPA


オメガ3脂肪酸の働き

オメガ3脂肪酸は、体内で重要な役割を果たしています。

DHAは神経シナプスや網膜の光受容体に多く含まれており、脳や視覚機能の維持に関わることが知られています。

さらに、EPAとDHAは、血液の流れをスムーズに保つ働きがあるとされ(3)、心血管系の健康をサポートする栄養素として知られています。

これらの脂肪酸は、神経系の働きにも関与し、集中力や精神の安定に寄与することが示唆されています(6)

オメガ3脂肪酸は、特に細胞膜の構成成分として重要であり、体内の各組織において様々な生理的機能を支える役割を果たしています。

このようにオメガ3脂肪酸は人にとって不可欠な必須脂肪酸として、健康の維持のため大人から子どもまで習慣的に摂取したい栄養素です。

とはいえ、具体的な食べ方や含まれる脂肪酸の種類など、分からないことも多いはず。そこで本記事では、オメガ3脂肪酸を豊富に含む食品ランキングをご紹介します。
 

オメガ3脂肪酸は体に悪い?

オメガ3脂肪酸は健康にいい影響を与える栄養素ですが、過剰摂取や酸化したオメガ3脂肪酸を摂取したなどのパターンに当てはまる場合は、オメガ3脂肪酸はお体に悪影響を与える可能性があります。

これらの状況では、オメガ3脂肪酸の摂取に注意が必要です。

オメガ3は体に悪い?オメガ3脂肪酸の摂取を避けた方がいい4つの事例を紹介



オメガ3脂肪酸が多い食品の特徴は?

オメガ3脂肪酸が多い食品

EPA、DHAとα-リノレン酸(ALA)はオメガ3脂肪酸に属していますが、特性が異なります。

EPAとDHAは動物性油脂に多く含まれるので、DHAとEPAを補充する際に、あんこう、サバ、イワシ、サンマ などの青魚、魚介類や動物性油脂類から摂取するのはおすすめです。

菜食主義者はオメガ3脂肪酸を摂りたいなら、α-リノレン酸(ALA)の含有量が多い植物性油脂食品から選びましょう。例えば。えごま油、亜麻仁油、くるみ、チアシードなどの植物油はおすすめです。

 

オメガ3脂肪酸が豊富な食品ランキングTOP10

オメガ3含有量が多い食品は、以下の通りです。

順位

食品名

オメガ3多価
不飽和脂肪酸(g/100g)

EPA
(g/可食部100g)

DHA
(g/可食部100g)

1

油脂類 えごま油

58.31

0

0

2

油脂類 あまに油

56.63

0

0

3

種実類 えごま 乾

23.70

0

0

4

種実類 あまに いり 

23.50

0

0

5

油脂類 動物性油脂類 たらのあぶら

22.64

13

6.2

6

種実類 チアシード 乾 

19.43

0

0

7

肉類 畜肉類 くじら 本皮 生

11.20

4.3

3.4

8 魚介類 魚類 あんこう きも 生 10 3 5.1

9

種実類 くるみ いり

8.96

-

-

10

油脂類 植物性油脂 なたね油

7.52

0

0

参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

 

オメガ3脂肪酸のうち、魚介類の内臓や動物性油脂にはEPA・DHAが多く含まれ、植物性油脂や種実類には、EPA・DHA以外のオメガ3脂肪酸:ALAの含有量が多いこともわかります。

 

1位~2位:えごま油や亜麻仁油

100gえごま油のオメガ3脂肪酸含有量:58.3g
100g亜麻仁油のオメガ3脂肪酸含有量:56.6g

えごま油や亜麻仁油は、ALAを多く含みます。

香りやクセはほとんどなく、サラダや味噌汁などに小さじ1杯入れると、手軽にオメガ3脂肪酸がとれます。スーパーなどの店頭でもよく見かけ、100gで1000円など商品によって値段はさまざまです。

熱に弱く、酸化しやすいため、できあがりの料理にかけるのがおすすめです。

おすすめ:亜麻仁油の効果、副作用と危険性を説明【管理栄養士監修】亜麻仁油を摂る注意点も紹介
 

3位:えごま(乾)

100gえごまのオメガ3脂肪酸含有量:23.7g

えごまはシソ科の植物で、乾燥した種子にはオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)が豊富に含まれています。

ナッツのような香ばしい風味があり、サラダやヨーグルト、料理のトッピングに最適です。栄養価が高く、保存も効くため、手軽にオメガ3を取り入れられる食品として人気があります。

 

4位:アマニ(いり)

100gアマニのオメガ3脂肪酸含有量:23.5g

アマニ(亜麻仁)は、オメガ3脂肪酸のα-リノレン酸が豊富な種子で、いり(焙煎)にすることで香ばしさが増します。

サラダやヨーグルトに混ぜたり、スムージーやパンにトッピングしたりして、手軽に取り入れることができます。風味が良く、栄養価が高いので、毎日の食事にぴったりです。

 

5位:たらのあぶら

100gたらのあぶらのオメガ3脂肪酸含有量:22.6g

たらのあぶらはEPAやDHAが豊富で、たらの肝臓の油のことです。サプリメントによく使われ、インターネット通販などで購入ができます。

値段は90粒で9000円などさまざまな価格帯のものがあります。適正量を守って飲むようにしましょう。

 

6位:チアシード

100gチアシードのオメガ3脂肪酸含有量:19.4g

アシードは「チア」と呼ばれるシソ科の植物の実です。プチプチとした食感が特徴で、味は無味無臭。

水などの液体に入れると水分を吸収してふくらみ、プルプルとしたゼリー状に変化します。ドリンクやスムージー、デザートのアクセントとして使われています。

 

7位:くじらの皮

100gくじらの皮のオメガ3脂肪酸含有量:11.2g<

くじらの皮は専門店などで食べられます。コリコリとした食感で噛めば噛むほどまろやかな甘みが広がります。

刺身としてポン酢や辛子酢しょうゆをつけて食べたり、湯通しして汁物に入れたりしてもおいしく食べられます。価格は100gで900円程度のものがあります。

 

8位:あんこうのきも

100gあんこうのきもオメガ3脂肪酸含有量:10g

あんこうのきもはEPA・DHAを多く含み、濃厚なコクのある味わいで「海のフォアグラ」と呼ばれています。

新鮮なものは刺身としてポン酢しょうゆにつけて食べられ、茨城県ではあんこう鍋も有名です。500gで1,000円以上など値段は少し高価ですが、お酒にあう珍味として親しまれています。

 

9位:くるみ

100gくるみオメガ3脂肪酸含有量:8.9g

くるみはALAが多く、サラダやスイーツ、ヨーグルトのトッピングなどに幅広く使われます。

焼くとカリッとした食感と香ばしさがプラスされます。値段は100gで350円ほどで、お店でも購入しやすい食材の一つです。
 

10位:なたね油

100gなたね油のオメガ3脂肪酸含有量:7.5g

なたね油は、菜種(ナタネ)から抽出される植物油で、オメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸(ALA)が豊富に含まれています。クセのない軽やかな味わいと、高い耐熱性が特徴です。加熱に強く、揚げ物や炒め物に最適で、食材の風味を引き立てながら健康的な脂質を摂取できます。

さらに、ドレッシングやマリネにも使いやすく、さまざまな料理に幅広く活用できます。

オメガ3脂肪酸は心血管の健康や美肌効果にも寄与するとされ、日常的に取り入れやすいアイテムです。価格は100gあたり500~1,000円前後で、手軽に購入できることも魅力です。

 

青魚のオメガ3脂肪酸含有量ランキングTop10

オメガ3が多い青魚


ランキングを見ると、魚介類の内臓や動物性油脂類にEPA・DHAが多く含まれ、植物性油脂類や種実類には、EPA・DHA以外のオメガ3脂肪酸含有量が多いことも分かります。

この結果から普段の食事に取り入れやすい青魚を含む、オメガ3脂肪酸の含有量もランキング化しました。

順位

種類

オメガ3
脂肪酸
(g/100g)

EPA
(g/100g)

DHA
(g/100)

1

みなみまぐろ 脂身 生

6.77

1.60

4.00

2

やつめうなぎ 干しやつめ

6.66

2.20

2.80

3

たいせいようさば 生

6.56

1.80

2.60

4

たいせいようさば 水煮

6.13

1.60

2.30

5

くろまぐろ 天然 脂身 生

5.81

1.40

3.20

6

たいせいようさば 焼き

5.66

1.50

2.10

7

さんま 皮付き 生

5.59

1.50

2.20

8

さば類 加工品 開き干し 

5.58

1.50

2.70

9

さんま 皮なし 生

5.38

1.60

2.00

10

さんま 皮付き 焼き

4.95

1.30

2.00

参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

青魚のオメガ3脂肪酸の含有量ランキングより、まぐろやさば、さんまなどの魚にはDHA、EPAが豊富に含まれています。DHAをたっぷりと摂りたい時は、みなみまぐろの脂身(トロ)がおすすめです。

やつめうなぎはコリコリとした食感がクセになる魚で、かばやきにするとおいしく食べられます。また、大西洋さばに関しては「焼く」、「煮る」などの調理で、オメガ3脂肪酸含有量が減少することもわかります。

青魚の種類は?

青魚は、背中から見て皮が青い魚のことを言います。一般的に赤身の魚が多く、比較的漁獲量の多い大衆魚で、群れを成して泳ぐ回遊魚などの共通点を持ちます。
青魚の種類は?青魚の栄養素とメリットをご紹介

 

オメガ3脂肪酸が豊富な食品の調理コツ

オメガ3脂肪酸を豊富に含む食品が分かったところで、これらの食品を使ったおすすめ料理法やレシピをご紹介します。

青魚の場合、刺身やカルパッチョなどの生食がおすすめです。場合によっては、塩焼きやソテー、煮魚などもよいでしょう。

植物性油脂のえごま油やあまに油は熱に弱く、酸化しやすいため、温かい料理にかけるときは食べる直前がGOOD。

サラダや汁物、ヨーグルトなど、普段の料理にひとさじ加えてみてください。

オメガ3脂肪酸が酸化しやすい

オメガ3脂肪酸は非常に酸化しやすい特徴があって、光や熱や空気に摂取すると酸化しまいます。したがって、オメガ3脂肪酸は多い調理油や食品を保存する際に注意ください。 
 

オメガ3脂肪酸が豊富に摂れるおすすめレシピ

ここからは、青魚と植物性食品を使った手軽なレシピを紹介します。

 

1.サバ缶とキャベツのみそ和え

10分で完成する、料理初心者の方にも作りやすい簡単レシピです。

 

材料(2人分)

  • サバのみそ煮缶(汁ごと):1缶

  • キャベツ(千切り):200g

  • (A)しょうゆ:小さじ2

  • (A)黒こしょう:少々

  • 小ねぎ(小口切り):適量

 

作り方

  1. ボウルにサバのみそ煮缶を汁ごと入れて、身をほぐす。

  2. 千切りのキャベツとしょうゆ、黒こしょうを加えて混ぜます。

  3. 皿に盛って、小ねぎをのせたら完成です。

 

ポイント

  • サバのみそ煮缶を汁ごと加えること。煮汁に含まれるオメガ3脂肪酸も無駄なく摂取できます。

  • 缶詰を使うと調理の手間が省けます。市販の千切りキャベツを使ってもよいですし、えごま油やあまに油をかけてもよく合います。

 

2.くるみとはちみつのギリシャヨーグルト

菜食主義者や脂質制限をしている方に向け、忙しい朝にもおすすめで、腹持ちもよいレシピ!

 

材料(1人分)

  • ローストくるみ(刻む):15g(大さじ2)

  • 無脂肪ギリシャヨーグルト:225g

  • はちみつまたはアガペシロップ:小さじ2

  • フルーツ、グラノーラ:適量(お好みで)

 

作り方

  1. ヨーグルトにくるみとはちみつをかけます。

  2. お好みでフルーツやグラノーラを入れて完成です。

 

ポイント

  • アマニ油やえごま油を小さじ1杯程度を加えても、おいしく食べられます。

他のオメガ3脂肪酸はたっぷりオイルは?オメガ3が多い油はエゴマ油?油のオメガ3の含有量ランキングの選び方と保存方を紹介


 

オメガ3脂肪酸が摂れる1日の献立

献立

続いて、サラリーマンやOLの方向けにオメガ3脂肪酸が摂れる1日の献立を考えてみました。

  • パン 
  • くるみとはちみつのギリシャヨーグルト 
  • コールスローサラダ

  • ごはん 
  • さばの塩焼き(さばの塩焼き弁当も可) 
  • 野菜入り味噌汁 
  • ひじきの煮物

  • ぶりとアボカドのポキ丼 
  • わかめスープ 
  • 水菜と海苔のチョレギサラダ 
 

献立の中で紹介した、くるみやさば、ぶりにはオメガ3脂肪酸がたっぷりと含まれます。

くるみは15g程度で約1.3g、さばの切り身(70g)の場合は約3.2g、ぶり(100g程度)からは約1.6gのオメガ3脂肪酸が摂れます。

一日の摂取目安量を意外と簡単に摂取できるので、ぜひ参考にしてみてください。

 

オメガ3脂肪酸の1日の摂取目安量

近年、食品コーナーではオメガ3脂肪酸を含む商品が多く登場しています。

厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、オメガ3脂肪酸の摂取目安量は年齢や性別によって異なります。

オメガ3脂肪酸の食事摂取基準(g/日)

年齢

男性(g)

女性(g)

0~5 (月) 0.9 0.9
6~11 (月) 0.8 0.8

1~2歳

0.7

0.7

3~5歳

1.2

1.0

6~7歳

1.4

1.2

8~9歳

1.5

1.4

10~11歳

1.6

1.7

12~14歳

2.2

1.7

15~17歳

2.2

1.7

18~29歳

2.2

1.7

30~49歳

2.2

1.7

50~64歳

2.3

1.9

65~74歳

2.3

2.0

75歳以上

2.3

2.0

妊婦

-

1.7

授乳婦

1.7

参考:日本人の食事摂取基準(2025年版)厚生労働省

30歳から49歳の場合、目安量は男性で2.2g、女性で1.7g。50〜64歳なら、男性で2.3g、女性で1.9gが目安量となっています。

これらを食品に換算すると、あまに油やえごま油を約小さじ1杯で補うことが可能です。

さんまの塩焼きの場合、1尾を約150gとして約2/3尾、ぶりの塩焼きであれば切り身1つ分、サバのみそ煮缶であれば約2/3量程度で、1日分の目安量を補えます。必要に応じてフィッシュオイルなどの魚油製品も取り入れてみてください。

オメガ3脂肪酸が不足すると

オメガ3脂肪酸が不足すると、皮膚炎、成長障害、認知機能、血液の循環などの健康に悪影響をもたらす可能性があります。


 

オメガ3脂肪酸を効率的に摂取するためのコツ

オメガ3脂肪酸を効率的に摂取するコツは、オメガ3脂肪酸を含む魚と植物性食品をバランスよく食事に取り入れることです。例えば、週に2回程度、魚を食べる、料理の仕上げにアマニ油やえごま油を取り入れてみるなどの方法で、健康の維持に期待ができます。

間食にはくるみやアーモンドなどの種実類もおすすめ。必要に応じて魚油製品のサプリメントを活用してみてください。

また、オメガ3脂肪酸を摂るときの注意点としては、熱に弱く、酸化しやすい性質をもつため、残念ながら加熱調理には向かないことです。

油脂の酸化を防ぐためには、空気にふれにくいボトルタイプのものやビンの容器がよいでしょう。

保存するときは直射日光の当たらない冷暗所、冷蔵庫に保管し、できるだけ1ヵ月から1カ月半ほどで使い切ると安心です。

今回ご紹介した内容と自身の生活スタイルに合わせて、オメガ3脂肪酸を含む食品を選択してみてください。
 

オメガ3サプリメントの選び方は?

オメガ3脂肪酸濃度が低かったり、不純物が多く含まれていたりするなど、サプリメントによって品質が異なることが考えられます。

DHAやEPAの含有量が低い製品や不純物が多く含まれる製品、酸化を防止するような工夫が不十分な製品では、十分にオメガ3脂肪酸の効果を得られない可能性があります。

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