食生活

栄養価の高い野菜合計32選!栄養素別Top3野菜ランキング【管理栄養士が語る】

監修者 堀川 衣梨 管理栄養士 公開日:2024-08-27 最終更新日:2025-01-16

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栄養価の高い野菜合計32選!栄養素別Top3野菜ランキング【管理栄養士が語る】

監修者 堀川 衣梨 管理栄養士 公開日:2024-08-27 最終更新日:2025-01-16

野菜は体に必要なビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含み、生活習慣病の予防に役立つ重要な栄養素です。

しかし、近年の国民健康・栄養調査では、日本人の野菜摂取量が若干の減少傾向にあることが分かっています。(1)

今回は栄養価の高い野菜をランキング化し、効率よく栄養素を摂取する方法について解説します。身近にある栄養価の高い野菜を知って、日々の食事を有意義なものにしていきましょう。

栄養価が高いのは旬の野菜

日本では季節の変化によって、野菜の栄養価が変化します。旬の野菜は栄養価が高く、手頃な価格で買えるのでおすすめです。

季節

旬の野菜の例

キャベツ、たけのこ、菜の花、玉ねぎなど

枝豆、きゅうり、トマト、ナス、ピーマンなど

人参、さつまいも、里芋、じゃがいもなど

大根、白菜、ブロッコリー、ほうれん草など

春はキャベツやたけのこ、菜の花などが旬を迎えます。夏は枝豆やきゅうり、トマトなどがお店でよく見られます。

それぞれ旬の時期になると、店頭で見かける機会も増えるので、ぜひチェックしてみてください。(2)(3)

 

栄養価が高くて身近な野菜Top 5

普段食べている身近な野菜にも、実は栄養素がたっぷりと含まれています。
 

Top 1.モロヘイヤ

モロヘイヤ

モロヘイヤはビタミンB1やB2、β-カロテンやカルシウムを豊富に含み、夏になると、貴重なビタミン源として重宝します。

カリウムや食物繊維、マグネシウム、ビタミンCも含み、体内の酸化防止やがん予防などの機能を持ち、栄養価の高い野菜として評価されています。(4)スープやサラダ、和え物など幅広い料理でおいしく食べられます。
 

Top 2. しそ

しそ

ビタミンAやビタミンK、カリウム、葉酸などをたっぷり含む緑黄色野菜です。(5)香りがよく、サラダや料理の薬味など、少し加えるだけで、彩りも栄養も充実する食材です。

 

Top 3. ほうれん草

ほうれん草

ビタミンKや葉酸、鉄が豊富で、ビタミンAやビタミンC、カルシウムなどもバランスよく含みます。

血液凝固やたんぱく質・核酸の合成、貧血予防などに役立ちます。夏にもとれますが、旬である冬のほうが栄養価が高くなります。(6)

 

Top 4. ブロッコリー

ブロッコリー

「栄養素の宝庫」とも呼ばれるブロッコリーは、ビタミンやミネラル、食物繊維をバランスよく含みます。

美肌の維持に役立つビタミンCや骨形成を促すカルシウム、ビタミンKが豊富で、風邪や骨粗しょう症の予防によいでしょう。(6)ゆでてもおいしいですが、蒸したり油で炒めたりすると、吸収がよくなります。

 

Top 5. 西洋かぼちゃ

カボチャ

鮮やかなオレンジ色のかぼちゃは、β-カロテンをたっぷりと含む野菜です。β-カロテンは体内の粘膜を丈夫にして、免疫力を高め、風邪予防によいとされています。

カリウムやビタミンC、食物繊維、葉酸、ビタミンEなども含み、皮膚や細胞の働きをサポート、老化防止や血行の改善にも役立ちます。

皮には果肉以上のβ-カロテンが含まれるため、一緒に食べるのがおすすめです。(6)

このほかにも、身近な栄養価の高い野菜に、β-カロテンが豊富なにんじん、ビタミンやミネラルをバランスよく含む水菜や小松菜があります。

サラダや煮物、スープに幅広く使えるので、ぜひ手に取ってみてください。

 

栄養素別トップ野菜ランキング

ビタミンとミネラルをたっぷりと含む野菜を、栄養素別にランキング化して紹介します。
 

β-カロテン

植物が持つオレンジ色の色素成分で、緑黄色野菜に多く含まれます。体内ではビタミンAに変換され、生活習慣病の原因である活性酸素を抑える作用があります。

それによって動脈硬化の予防や、発がん性物質の生成阻止にも役立っています。(7)(8)

 

種類

100gあたりβ-カロテン成分量(μg)

1

にんじん 根 皮つき 生

6,900

2

モロヘイヤ 茎葉 ゆで

6,600

3

ほうれん草 葉 夏採り ゆで 

5,400

参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(以下、資料も同様)

β-カロテンは、にんじんやかぼちゃ、モロヘイヤ、春菊などの色の濃い野菜に含まれます。生食よりも加熱調理や油を使った料理で吸収率が高まります。

ゆでたり、蒸してオイルドレッシングをかけたり、炒め物にしたりと、さまざまな食べ方で召し上がってみてください。

 

ビタミンA

免疫機能や視力、細胞の成長や分化に関わる栄養素です。視覚においては特に重要な役割を持ち、網膜で光を吸収するタンパク質の構成に欠かせません。

そのほか、結膜や角膜の正常な分化、その働きを補う役割もあります。(9)

 

種類

100gあたりビタミンA成分量(μg)

1

にんじん 根 皮なし 油炒め

1,000

2

しそ 葉 生

880

3

モロヘイヤ 茎葉 生

840

ビタミンAはにんじんやしそ、モロヘイヤなどの緑黄色野菜や、ほうれん草やバジル、春菊などの緑色の葉物野菜に多く含まれます。

 

油に溶けやすいビタミンで、油を使った料理や煮る、ゆでるなどの加熱調理もおすすめです。

 

ビタミンB1

水に溶けやすいビタミンB1は、炭水化物を効率よくエネルギーに変換するのに必要な栄養素です。体内での貯蔵量は少なく、欠乏症を生じやすいビタミンの一つと言われています。(10)

 

種類

100gあたりビタミンB1成分量(mg)

1

えだまめ 生

0.31

2

えんどう類 グリンピース 冷凍 

0.29

3

ブロッコリー 花序 生

0.17

えだまめやグリンピース、ブロッコリー、野菜のぬか漬けに多く含まれ、ニンニクやニラ、ねぎに含まれるアリシンと一緒にとると、吸収率が高まります。(11)

水に溶けやすく加熱に弱いため、油でサッと炒めたり、スープにしたりするのがおすすめです。

 

ビタミンC

コラーゲンやカルニチンなどの神経伝達物質や結合組織の合成に必須のビタミンです。

皮膚や粘膜の健康を助けるとともに、体内の酸化防止や免疫機能にも役割を果たします。植物性食品に含まれる、鉄の吸収を高める働きもあります。(12)

 

種類

100gあたりビタミンC成分量(mg)

1

ピーマン類 赤ピーマン 果実 生

170

2

ブロッコリー 花序 生

140

3

芽キャベツ 結球葉 生

160

赤や緑色のピーマン、ブロッコリー、菜の花に多く含まれます。水に溶けやすく、熱に弱い性質があるため、蒸したり、電子レンジ調理を活用したりするのがよいです。

サラダやピクルスなどの生食もおすすめです。

 

ビタミンE

脂溶性のビタミンで、抗酸化作用や免疫機能の維持、体内に侵入した細菌やウイルスの除去に役立ちます。

血管の拡張を促して、血液内の血液凝固を防ぐ役割もあります。(13) 

 

種類

100gあたりビタミンE成分量(mg)

1

モロヘイヤ 茎葉 生

6.5

2

かぼちゃ類 西洋かぼちゃ 果実 冷凍

4.2

3

しそ 葉 生

3.9

ビタミンEは緑色の野菜に多く含まれ、オリーブオイルやバターなどの油を使った料理にすると吸収率が高まります。(14)

ピーマンやニラの炒め物やブロッコリーのソテー、大根の葉のごま油炒めなどもおすすめです。

 

カルシウム

強い歯や骨を作るだけでなく、筋肉の収縮や神経を安定させる働きがあります。また、運動で骨に負荷をかけると、体内での利用効率が高まります。

 

種類

100gあたりカルシウム成分量(mg)

1

だいこん類 切り干し大根 乾

500

2

モロヘイヤ 茎葉 生

260

3

みずな 葉 生

210

切り干し大根やモロヘイヤ、小松菜など、緑の葉物野菜に含まれ、ビタミンDと一緒に取ると吸収されやすいです。

ビタミンDはイワシやサンマ、サケなどの魚、きのこ類に多く含まれます。(15)(16)
 

人に必須のミネラルで、その多くは赤血球中のヘモグロビンや、筋肉中のミオグロビンに存在します。

不足すると赤血球中のヘモグロビンが減り、酸素の供給がうまくできず、貧血につながります。 

 

種類

100gあたり鉄成分量栄養素(mg)

1

だいこん類 切り干し大根 乾

3.1

2

こまつな 葉 生

2.8

3

えだまめ ゆで

2.5

鉄は緑色の葉物野菜に多く含まれ、例えば、サラダ菜やほうれん草、サニーレタス、グリンピースなどが挙げられます。

吸収率を高めたいときは、たんぱく質やビタミンCと一緒に撮るとよいでしょう。

肉やレバー、カツオなどのたんぱく質を含む動物性食品の付け合わせに添えてもおすすめです。(17)(22)

 

食物繊維

「腸の掃除役」とも呼ばれる食物繊維は、便秘予防や整腸作用、血糖値の上昇抑制や血中コレステロール濃度の低下など、多くの生理機能を持つ栄養素です。

ミックスベジタブルやグリンピース、えだまめ、芽キャベツ、大根、スイートコーンに含まれ、種や皮ごと食べられる野菜や歯ごたえがあるもの、ぬめりのある食材に含まれます。 

 

種類

栄養素(g)

1

ごぼう類 ごぼう 根 ゆで

6.1

2

切干しだいこん  油炒め

5.6

3

オクラ 果実 ゆで

5.4

多くの種類がある食物繊維は、穀類や豆類、果物、きのこ、海藻類などと組み合わせて食べると効率よく摂取できます。(18)

 

葉酸

水溶性のビタミンである葉酸は、細胞増殖に必要なDNA合成に関わり、アミノ酸の一種であるホモシステインを必須アミノ酸のメチオニンに変換する重要な栄養素です。

また、妊娠初期の胎児の成長にも重要な役割を果たします。(19) 

 

種類

栄養素(μg)

1

ブロッコリー 花序 油炒め

340

2

えだまめ 冷凍

310

3

アスパラガス 若茎 ゆで

190

葉酸を多く含む野菜は、ブロッコリーやえだまめ、ほうれん草、水菜などの緑色野菜です。

水に溶けやすいため、蒸したり、電子レンジ調理を活用したり、油を使った炒め物がおすすめです。汁物にするのもよいでしょう。

 

おすすめの野菜の効果的な栄養摂取方法

野菜の栄養素を効率よく摂取するには、その野菜に合った調理方法を知ることが重要です。
 

調理方法による栄養価の変化

料理している家族

野菜に含まれるビタミンやミネラルは、水に溶けやすい、熱に弱いなどの性質があります。

水に溶けやすく、加熱に弱いビタミンB群やビタミンC、葉酸などは、水にさらしたり、ゆでたりすることで栄養素が流出してしまいます

また、揚げたり、長時間焼くなどの高温調理で、その働きを失うリスクもあるため、溶け出た栄養素もしっかりと摂れるスープや煮汁も飲める料理がおすすめです。

また、β-カロテンやビタミンD、ビタミンE、Kなどの油に溶けやすい栄養素は、加熱に強いため、油と一緒に加熱することで吸収率が高まります。加えて、加熱するとかさが減って、摂取量も確保できるのがよいところです。(20)

 

栄養素を逃さない野菜調理のコツ

生野菜と加熱した野菜、一見すると、生野菜の方が栄養が摂れそうなイメージがありますが、そうとは限らないこともあります。

生の状態の野菜は栄養素が細胞壁の中に包まれており、このままでは吸収効率がそれほど高くありません。野菜の栄養素を効率よく摂りたいときは、「加熱」と「細かく刻む」ことが重要です。

熱に弱い栄養素の場合は、「蒸す・炒める」などの調理法で細胞壁がやわらかくなり、食べやすい大きさに切ることで細胞壁が壊れ、栄養素が吸収されやすくなります。

また、ミキサーでつぶしたり、ジュースにしたりすることもよいでしょう。同じような工程で作られる市販の野菜ジュースやトマトピューレ、ケチャップなどの野菜加工品も活用しながら、栄養素を逃さない食べ方を実践してみてください。(21)

 

野菜の栄養をかしこく摂ろう

野菜

日々の食事で、栄養価の高い野菜を取り入れることは重要です。

食材それぞれの栄養価を知り、吸収率を高める食べ方や旬について知ることで、野菜の栄養素を効率よく摂ることができます。

バランスの取れた食生活に、栄養価の高い野菜を賢く取り入れてみてはいかがでしょうか。




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