ビューティー

生理前の肌荒れに悩むあなたへ。原因から改善策まで解説

監修者 ダイケンバイオメディカル 公開日:2025-02-06 最終更新日:2025-02-06

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生理前の肌荒れに悩むあなたへ。原因から改善策まで解説

監修者ダイケンバイオメディカル 公開日:2025-02-06 最終更新日:2025-02-06

生理前になると、肌の調子が悪くなると感じる方は少なくありません。にきびや赤み、乾燥など、さまざまな肌トラブルが生理前に発生しやすくなるのは、ホルモンバランスの変化が影響していると考えられます。

肌の不調が続くと、気分も沈みがちになってしまいます。生理前の肌荒れは誰しもが経験する悩みですが、原因を理解し、適切なケアや生活習慣の改善を行うことで肌荒れを改善・予防することが可能です。

この記事では、生理前の肌荒れの症状や原因、対策方法などについてくわしく解説します。

生理前の肌荒れの症状

生理前の肌荒れは、人によって程度や症状もさまざまですが、一般的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

 

にきびや吹き出物

生理前には、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増えます。プロゲステロンには皮脂の分泌を促す作用があるため、皮脂の分泌が増えることで毛穴が詰まりやすくなり、にきびや吹き出物ができやすくなります。
 

乾燥

女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)には、皮膚の水分を保つ機能があります。生理前にエストロゲンが低下することで、肌が乾燥しやすくなります。
 

赤みやかゆみ

生理前にエストロゲンが低下し、肌が乾燥しやすくなると、肌のバリア機能は低下します。

肌のバリア機能低下によって外部のさまざまな刺激の影響を受けやすくなることで、赤みやかゆみなどの症状があらわれる可能性があります。

 

生理前の肌荒れには、女性ホルモンである黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)の変動が大きく関わっています。

生理前にはエストロゲンが減少し、プロゲステロンが優位になります。このホルモンバランスの変化によって、にきびや吹き出物ができやすい状態になったり、肌のバリア機能が低下し、乾燥や赤み、かゆみが生じたりします。(1)

 

肌荒れを改善するための栄養素

生理前の肌荒れを軽減するためには、日々の食事で必要な栄養素をバランスよく摂取することが重要です。

肌荒れの改善が期待できる栄養素には以下のようなものがあります。(2)(3)(4)(5)(6)
 

ビタミンB2・B6

ビタミンBのなかでも、とくにビタミンB2とB6が美肌効果が高いといわれています。ビタミンB2やB6には、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を促進し、肌にハリと弾力を与える働きがあります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日当たりの食事からの推奨摂取量は、ビタミンB2は18歳以上の男性で1.3~1.6mg、女性で1.0~1.2mgとなっています。ビタミンB6は18歳以上の男性で1.4mg、女性で1.1mg摂取が推奨されています。
 

ビタミンB2の食事摂取推奨量(mg/日)

 

男性

女性

18~49歳

1.6

 

1.2

50~74歳

1.5

75歳以上

1.3

1.0


ビタミンB6の食事摂取推奨量(mg/日)

 

男性

女性

18歳以上

1.4

1.1


 

ビタミンC

ビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲンの合成を助け、肌のハリを保ちます。また、抗酸化作用により、ビタミンEと協力して細胞を保護する機能があります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンCの1日当たりの食事からの推奨摂取量は、男女ともに18歳以上で100mgとなっています。


ビタミンCの食事摂取推奨量(mg/日)

 

男性

女性

18歳以上

100

100


ビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用があり、ビタミンCと協力することで細胞を保護します。また、肌の血行を促進し、肌に潤いを与える機能があります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンEの1日当たりの食事からの摂取量目安は、18歳以上の男性で6.0~7.0mg、女性で5.0~6.5mgとなっています。

ビタミンEの食事摂取量の目安(mg/日)

 

男性

女性

18~29歳

 

6.0

5.0

30~49歳

5.5

50~64歳

 

7.0

6.0

65~74歳

 

6.5

75歳以上

6.5


亜鉛

亜鉛は、皮膚の状態を良好に保ち、皮膚トラブルを改善する効果が期待できます。また、免疫機能の維持にも重要な役割を果たすため、にきびなどの予防にも役立つことが期待できます。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、亜鉛の1日当たりの食事からの推奨摂取量は、18歳以上の男性で10~11mg、女性で8mgとなっています。
 

亜鉛の食事摂取推奨量(mg/日)

 

男性

女性

18~49歳

 

11

 

8

50~74歳

75歳以上

10


オメガ3脂肪酸

必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸には、炎症を抑える作用があることが報告されているため、にきびや赤みなどの炎症の軽減が期待できます。

オメガ3脂肪酸は、魚類やナッツ類から摂取することができます。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、オメガ3脂肪酸の1日当たりの食事からの摂取量目安は、18歳以上の男性で2.0~2.2g、女性で1.6~2.0gとされています。

オメガ3脂肪酸の食事摂取量の目安(g/日)

 

男性

女性

18~29歳

 

2.0

 

1.6

30~49歳

50~64歳

 

2.2

1.9

65~74歳

2.0

1.8

75歳以上

2.1


 

肌荒れを改善できる生活習慣

偏った食生活や睡眠不足などの生活習慣の乱れやストレスは、肌荒れの原因となります。肌荒れを防ぐためには、日々の生活習慣を整えることも重要です。(7)(8)

 

バランスの良い食事を心がける

乱れた食生活を続けていると、栄養バランスの偏りや栄養素の不足につながり、肌荒れを引き起こす原因となります。

先述の通り、ビタミンB2やB6、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、オメガ3脂肪酸は、肌の調子を整えるのに重要な栄養素です。日頃からこれらの栄養素を不足しないように摂取し、バランスの良い食事を心がけることが重要です。

 

十分な睡眠を取る

睡眠中に分泌される成長ホルモンには、一般的に細胞分裂の促進や代謝の促進などの機能があるため、肌の修復や代謝にとって睡眠は重要です。

また、睡眠不足になると、皮膚のバリア機能が低下することも明らかになっており、十分な睡眠をとって肌の状態を安定させることが、肌荒れの改善につながるといえます。

 

適度な運動を行う

運動は血行を促進し、肌に必要な酸素や栄養が届きやすくなるほか、肌代謝を促進する効果が期待できます。

有酸素運動と筋力トレーニングは健康だけでなく、アンチエイジング効果が期待できるという研究結果も報告されています。

無理をせず、日常生活にすぐに取り入れられる軽いウォーキングなどからはじめてみるのがおすすめです。

 

ストレスをためないようにする

ストレスはホルモンバランスに影響を与え、肌荒れや肌の老化などの肌トラブルを引き起こす原因になります。

運動やリラクゼーション、趣味などにより、適度にストレスを解消するようにしましょう。
 

肌に優しいスキンケア方法

生理前の肌荒れを防ぐためには、スキンケアも重要なポイントです。ホルモンの変動により敏感になった肌には、やさしく丁寧なスキンケアを心がけることや刺激の少ないスキンケアアイテムを選ぶことが大切です。(9)

 

低刺激の洗顔料を使用

肌のバリア機能が低下しているため、刺激の少ない洗顔料を選び、優しく洗い上げましょう。

ゴシゴシ洗いやピーリングなどは、肌の炎症を悪化させるおそれがあります。
 

保湿をしっかり行う

生理前は乾燥しやすいため、保湿を十分に行うことが大切です。セラミドやヒアルロン酸など、保湿成分が含まれたスキンケア製品を使用しましょう。
 

紫外線対策を怠らない

肌が敏感になっている生理前は、紫外線によるダメージも受けやすくなります。外出時は、日焼け止め、日傘や帽子を活用してしっかりと紫外線対策を行うようにしましょう。

 

まとめ

生理前の肌荒れを改善・予防するには、美肌に効果の高い栄養素であるビタミンB2・B6、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、オメガ3脂肪酸などを意識的に摂取することをおすすめします。

また、十分な睡眠や適度な運動、ストレス解消などにより生活習慣を改善することも、肌トラブルの改善・予防に役立ちます。

肌荒れの原因はさまざまであり、肌質も個人差があるため、ご自身の肌質に合った方法を見つけることが重要です。

生活習慣の改善や適切なスキンケアなどを行っても改善しない肌荒れがある場合は、早めに医療機関に相談するようにしましょう。