栄養素 - たんぱく質

アルギニンが豊富な食べ物15選|推奨摂取量と摂取するポイントも紹介

監修者 端場 愛 管理栄養士 公開日:2024-08-13 最終更新日:2025-01-21

栄養素 - たんぱく質

アルギニンが豊富な食べ物15選|推奨摂取量と摂取するポイントも紹介

監修者端場 愛 管理栄養士 公開日:2024-08-13 最終更新日:2025-01-21

アルギニンはサプリメントやドリンク、プロテインなどに含まれる栄養素ですが、実際にどのような働きがあるのかご存知でしょうか。

アルギニンはアミノ酸の一種で、元気をサポートする効果が期待できるとされています。

今回はアルギニンの働きを解説するとともに、推奨摂取量や豊富に含む食べ物、効率良く摂取するポイントを紹介します。スポーツする方だけでなく、毎日をハツラツと過ごしたい方はぜひアルギニンに注目してみてください。

アルギニンとは?

アルギニンとは、アミノ酸の一種です。(1)

アミノ酸は体内で合成される非必須アミノ酸と、合成されない必須アミノ酸に分けられます。

アルギニンは条件付き必須アミノ酸の一種のため、体内で合成されるのですが、必要量が十分に作られるとは限りません。特に疲労が激しい場合などは不足することもあるため、ときには食事から補う必要があるでしょう。

子どもは十分な量を合成できないため、必須アミノ酸として位置づけられています。(2)

アルギニンを摂取することで、成長ホルモンの分泌を促進し、免疫機能向上や脂質の代謝促進など、体内でさまざまなサポートをします。

また、血流改善により冷え性や生活習慣病などの予防も期待されます。

さらに、アルギニンは疲労の原因物質と言われているアンモニアの増加を抑制する働きもあるため、疲労回復など体にうれしい効果が期待できるでしょう。

アルギニンとは
アルギニンは条件付き必須アミノ酸の一種で、特に疲労が激しい場合などは不足することもあります。

 

アルギニンを摂取することで、成長ホルモンの分泌を促進など、体内でさまざまなサポートをします。
参考:アルギニンとは?アルギニンの10つ効果と副作用【5分でわかる】

 

アルギニンの1日推奨摂取量

厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準(2020年版)では、アルギニンの摂取目安量は定められていませんが、男性機能の改善を目的とするには、2,000~5,000mg/日程度摂取するとよいという研究結果が出ています。(3)

ただし、腎機能障害の方がアルギニンを摂取すると腎機能低下につながるため、注意が必要です。腎機能障害以外にも疾患がある方は、かかりつけ医に相談するとよいでしょう。

 

アルギニンが多い食べ物ランキング

ここからは、アルギニンを豊富に含む食べ物を、カテゴリー別に見ていきましょう。(4)今回作成したランキングは、手に入りやすいTop3食材を中心にピックアップしています。

アルギニンはアミノ酸であるため、たんぱく質を多く含む食べ物から効率よく摂取できます。おすすめの食べ方や料理のコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
 

アルギニンが多い食べ物ランキングTop 10

順位

食品名

100gあたりの含有量

1

ゼラチン(豚肉由来)

8,100mg

2

大豆たんぱく(分離・無調整タイプ)

6,900mg

2

大豆たんぱく(分離・調整タイプ)

6,900mg

4

ほたて貝(貝柱・煮干し)

5,300mg

5

すいかの種(いり・味付け)

5,100mg

6

乾燥卵白(鶏卵)

5,000mg

6

大豆たんぱく(繊維状)

5,000mg

6

とびうお(煮干し)

5,000mg

9

濃縮大豆たんぱく

4,900mg

10

かぼちゃの種(いり・味付け)

4,700mg

 



 

1.【アルギニンが多い肉類 Top3】

順位

食品名

100gあたりの含有量

1

鶏むね肉(皮なし・焼き)

2,600mg

2

豚ヒレ肉(焼き)

2,500mg

3

鶏ささみ(焼き)

2,400mg

 

アルギニンが多い肉類の食材は、鶏肉や豚肉は代表的な肉類です。鶏むね肉は脂質が少なく、たんぱく質が多いヘルシーな食べ物です。

ランクインしている肉類はどれも脂質の少なさが特徴。火を通すとパサつきが気になりやすいため、小麦粉などで肉汁の流失を防ぐとよいでしょう。
 

2.【アルギニンが多い魚介類 Top3】

順位

食品名

100gあたりの含有量

1

くるまえび(焼き)

2,200mg

2

ほたて貝(貝柱・焼き)

1,900mg

2

まこがれい(焼き)

1,900mg

 

えび類はアルギニンを多く含みます。今回は代表してくるまえびがランクインしていますが、その他のえびもアルギニンを多く含むので、ぜひ健康のために食べてみてください。

魚介類はシンプルにグリルするとよいでしょう。旨味が多い食品なので、塩や醤油といった調味料でも美味しく食べられます。

 

3.【アルギニンが多い豆類 Top3】

順位

食品名

100gあたりの含有量

1

大豆たんぱく

3,900~6,900mg

2

凍り豆腐(乾)

4,400mg

3

乾燥湯葉

4,300mg

 

大豆に含まれるたんぱく質を集めた大豆たんぱくは、アルギニンを多く含みます。大豆たんぱくは大豆ミートとも呼ばれ、肉に変わるサスティナブルな食材として注目されています。

鶏ひき肉のような淡白な味わいのため、ミートソースやハンバーグなど、さまざまな料理に使用できます。

凍り豆腐は別名高野豆腐とも呼ばれ、だしが染みやすい食材です。煮付けにしたり、揚げ物にしたりとアイデア次第でさまざまなアレンジができます。

乾燥湯葉は淡白な味わいなので、汁物に入れたり、炊き込みご飯に入れたり、和食に使用するのがおすすめです。

 

4.【アルギニンが多い種実(ナッツ)類 Top3】

順位

食品名

100gあたりの含有量

1

かぼちゃ種

4,700mg

2

落花生

3,300mg

3

ごま

2,900mg

 

種実(ナッツ)類では、かぼちゃの種がアルギニンを多く含みます。おやつやおつまみに20g程度を食べるのがよいでしょう。

落花生もアルギニンが多いため、かぼちゃの種と同様におやつやおつまみとして食べるのがおすすめです。ごまもアルギニンが多いのですが、一度に大量に食べるのは難しいため、毎日の食事にちょっとずつ取り入れるとよいでしょう。
 

5.【アルギニンが多い野菜類 Top3】

順位

食品名

100gあたりの含有量

1

そら豆(ゆで)

990mg

2

枝豆(冷凍)

940mg

3

グリーンピース(ゆで)

780mg

 

野菜類では、豆類がアルギニンを多く含みます。そら豆、枝豆、グリーンピースが特に多く、野菜からアルギニンを摂取したい場合は、食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。そら豆や枝豆は、シンプルに茹でて塩で食べるのがおすすめです。グリーンピースは豆ごはんにするか、ポタージュにするのもよいでしょう。

 

アルギニンを効率的に摂取するポイント

アルギニンは摂取するタイミングにより、より健康維持に役立つと言われています。ここでは摂取するタイミングを紹介します。
 

朝食

「今日は頑張りたい」など、1日を元気に過ごしたいときは、朝食にアルギニンを多く含む食べ物を取り入れるのがおすすめです。
 

運動前後

運動前後にアルギニンを取り入れることで、パフォーマンス向上や疲労回復効果を高める効果が期待できます。ただし、運動前に固形物を摂取するとパフォーマンスの妨げになるため、アルギニン入りのドリンクなど液体がおすすめです。
 

就寝前

アルギニンは成長ホルモン分泌に関わっている栄養素です。

就寝前にアルギニンを摂取することで、成長ホルモン分泌を促進する効果が期待できます。ただし、就寝2時間前に固形物を摂取すると寝つきが悪くなるため、アルギニン入りのサプリメントやドリンクを利用するのもよいでしょう。
 

妊活時

アルギニンは男性機能をサポートする働きも期待できるため、妊活時に摂取するのもおすすめです。

また、血流を促す働きもあるため、冷え改善も期待できます。ただし、1日だけ摂取しても効果はあまり期待できないため、ある程度続けて取り入れることが大切です。

 

アルギニンの効果と相性の良い食べ物

アルギニンは別の栄養素と一緒に摂取することで、より体にうれしい効果を発揮すると言われています。
 

男性機能をサポート食べ物

おすすめの食べ物:亜鉛を含む食べ物(牡蠣、牛肉、レバーなど)やスーパーフード(マカ)

亜鉛とアルギニンは、男性ホルモンの一種であるテストステロンの生産をサポートすると言われています。また、マカなどのスーパーフードもアルギニンと一緒に摂取することで、男性の活力をサポートします。
 

疲労回復に役立てたい食べ物

おすすめの食べ物:シトルリンを含む食べ物(スイカ、キュウリ、ゴーヤーなどウリ科の食べ物)

シトルリンは体内でアルギニンに変換され、体のめぐりをサポートする効果が期待できます。食生活の乱れや年齢により、めぐりが乱れていると感じたら、アルギニン×シトルリンを摂取してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

アルギニンは免疫機能向上や疲労回復効果などが期待できるため、毎日元気に過ごしたい方は積極的に摂取してほしい栄養素です。

たんぱく質を多く含む食品や、種実類、豆類などにアルギニンが多く含まれているため、毎日の食事にぜひ取り入れてみましょう。

ただし、アルギニンは1日だけ多く摂取しても、効果は感じにくいでしょう。日々の元気に役立てるには、続けて摂取することが大切です。食事から十分摂取するのが難しい場合は、日々の健康的な食事に加えて、サプリメントを利用するのもよいでしょう。