「スーパーフードって健康そうだけど何?」
「スーパーフードを食べて健康になりたい」
「スーパーフードをどのように取り入れたらいいの?」と思っている方もいるでしょう。
スーパーフードの魅力と健康効果は何でしょうか?本記事では、スーパーフードの健康効果や選び方について、解説します。最後まで読んで、スーパーフードの利用を検討してみてください。
スーパーフードとは?
スーパーフードという言葉は、1980年代にアメリカやカナダで誕生し、今では世界中で注目を集めている食品のことです。その特徴は、栄養バランスが非常に優れていて、一般的な食品よりもずっと栄養価が高い点。あるいは、特定の栄養素が豊富に含まれている食品のことを指します。以下のように定義づけられています。
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栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
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一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。(1)
例えば、スーパーフードには抗酸化物質が豊富に含まれているものが多く、老化の予防や美容効果が期待できるとされています。特に、アサイーやチアシード、スピルリナなどは代表的なスーパーフードで、それぞれが健康や美容に良い成分をたっぷりと含んでいます。
スーパーフードの魅力は食品に含まれる栄養価の高いだけではありません。スーパーフードは料理の食材としても活用できるし、サプリメントとして摂取することもできるという、便利さも大きなポイントです。これらの食品は、日々の食事に簡単に取り入れることができ、手軽に健康効果を実感できるところが人気の秘密です。
スーパーフードの健康効果
健康成分が突出して多く含まれているスーパーフードの健康効果は、以下のとおりです。
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抗酸化作用
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免疫力向上
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美容効果
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血糖値安定
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ダイエット効果
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認知機能維持
スーパーフードは、ほかの食品に比べ、抗酸化物質が多く含まれています。抗酸化物質とは、老化の原因と言われる活性酸素を無害化させる物質です。加齢とともに体内の抗酸化物質が減り、活性酸素が増加します。活性酸素が増えると、体内の細胞が傷ついてしまい、老化やがんの原因になります。体内の抗酸化物質を増やし、活性酸素を減らすには、規則正しい栄養バランスのとれた食事を摂るほかに、抗酸化物質が豊富に含まれているスーパーフードを取り入れることが大切です。
人気スーパーフード8選
人気スーパーフード8選は、以下のとおりです。
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納豆
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マカ
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モリンガ
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キヌア
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チアシード
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カカオニブ
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マキベリー
- アサイーベリー
1.納豆
日本の伝統的な発酵食品と言われる納豆も、スーパーフードの一つです。納豆が、ほかの食品と比べて多く含まれている栄養素は、以下のとおりです。
栄養素の種類 |
概要と主な働き |
予防ができると言われる病気や症状 |
ナットウキナーゼ(2) |
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ビタミンK |
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大豆イソフラボン(3) |
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ただし、血液をサラサラにする「ワーファリン」という薬を飲んでいる方には禁忌であり、注意が必要です。ワーファリンは血液を固まりにくい抗凝固剤で、ビタミンKの働きを抑制することで効果を発揮します。納豆には大量のビタミンKが含まれており、さらに腸内で納豆菌がビタミンKを産生します。納豆を食べることで体内のビタミンK量が徐々に増加し、ワーファリンの効果を弱めてしまうのです。(4)
また納豆ばかり食べても、栄養バランスは崩れるため、1日1パックが目安になります。
2.マカ
マカは、南米ペルーのアブラナ科の植物から産出されたスーパーフードです。マカは、アルギニンという成長ホルモンに関わるアミノ酸を多く含んでいます。男性の精力増強剤のイメージが強いマカは近年、女性の妊活と関係していると言われています。女性にもおすすめのスーパーフードです。(5)
その他、必須アミノ酸や食物繊維、脂肪酸、ビタミンC、鉄、銅、亜鉛、カルシウムなど、不足しがちな栄養素が多く含まれます。
マカには、以下の健康効果が期待できます。
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疲労回復
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ダイエット効果
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更年期症状の軽減
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生殖機能の向上
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認知機能の改善
マカは加熱しても栄養を損なわないため、日頃の調味料として使用可能です。1回6g(ティースプーン2杯分)を目安にしてください。スムージーやプロテインドリンクに混ぜてアレンジできます。カレーやシチューなどを濃厚に仕上げたいときに、小麦粉や片栗粉の代わりに使用可能です。
ただし、マカのパウダータイプは入手しにくいと言われています。摂取したい方は、サプリメントの購入がおすすめです。商品により、用法・用量は異なりますので、必ず確認してから摂取しましょう。
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3.モリンガ
モリンガは「奇跡の木」と呼ばれるスーパーフードです。モリンガはインドを中心として南アジアやアフリカで栽培され、1年に4〜5mで成長する生命力が強い植物です。
モリンガは地球上で最も栄養価が高い植物であり、90種類の栄養素と300種類の効能効果があると言われています。たんぱく質や必須アミノ酸、食物繊維、ビタミン類、ミネラルがバランスよく含まれ、抗酸化作用があると言われるポリフェノールやGABAが含まれています。(6)
モリンガは二酸化炭素の吸収能力が高く、環境に優しい植物であることから、地球にも優しいスーパーフードです。以下の健康効果が期待できます。
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生活習慣病予防
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免疫力向上
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便秘の改善
モリンガは、お茶タイプや青汁タイプのものなどさまざまなタイプで売られています。独特の味や匂いがあるため、パウダータイプのものがおすすめです。飲み物に溶かしたり、料理に混ぜたりして使用します。1日4g(ティースプーン2杯)が目安です。
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4.キヌア
キヌアはアンデス地方で食べられているヒユ科の植物です。日本でも雑穀の一種として売られている、2mm程度の大きさのスーパーフードです。
キヌアは、栄養価の高さから「母なる穀物」として、インカ文明の時代から伝わっています。栄養価は、白米と比較すると、たんぱく質が2倍以上、食物繊維が11倍、カリウムやマグネシウム、鉄も5倍以上含まれています。グルテンが含まれていないため、小麦アレルギーの方にも安心です。
キヌアは栄養価が高いことから、以下の健康効果が期待できます。
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生活習慣病予防
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貧血予防
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骨粗鬆症予防
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美容やダイエット効果
キヌアはそのまま食べずに、白米と一緒に炊いたり、料理に加えたりすることが可能です。1日の摂取量は約20gが目安です。
5.チアシード
チアシードは、南米原産のシソ科の種子植物で、マヤ・アステカ文明時代から食べられています。プチプチとした食感が特徴的です。
チアシードは、オメガ3脂肪酸やαリノレン酸を多く含むスーパーフードです。オメガ3脂肪酸やαリノレン酸は必須脂肪酸であり、体内では合成できず、食物から摂取しないといけません。健康維持に役目を果たす栄養素です。その他、たんぱく質や食物繊維、ミネラルがバランスよく含まれています。(7)
チアシードの健康効果は、以下のとおりです。
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血栓予防や中性脂肪値低下
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血圧低下
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食後の血糖上昇の抑制
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腸内環境の改善
チアシードに含まれるオメガ3脂肪酸は、生活習慣病予防に役立ちます。また食物繊維のグルコマンナンが血糖コントロールと便秘の改善に効果が期待できます。チアシードは1日10g(ティースプーン1杯分)が目安です。これは、日本人の食事摂取基準2020年版に掲げる、オメガ3脂肪酸の1日の目標量に相当する量になります。
チアシードは無味無臭ですが、水に戻すと吸収して膨らみ、ゼリー状になる性質があります。サラダのトッピングに使用したり、料理の調味料に加えたりと、アレンジが可能です。
6.カカオニブ
カカオニブとはカカオ豆を砕いたもので、チョコレートの製造過程で使われるスーパーフードです。カカオニブをそのまま食べてしまうと、カカオ100%のチョコレートを食べているのと同じように苦く感じます。
多く含まれている栄養素は、ポリフェノールやテオブロミン、食物繊維、ミネラル、カフェインです。カカオニブに期待できる健康効果は、以下のとおりです。
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抗酸化作用
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動脈硬化の予防
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便通の改善
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リラックス効果
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冷え性の改善
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集中力の向上
カカオニブは、美容や健康に役立つ栄養素や効果に期待できます。
カカオニブの1日の摂取量は5〜7g(大さじ1杯)が目安です。カカオニブは油分が多いため、食べ過ぎると摂取カロリーが増えてしまいます。また、100gのカカオニブはおよそ165mgのカフェイン(9)を含んでいるため、過剰摂取は避けた方が良いでしょう。そして、カカオニブは熱に弱いため、加熱しすぎないように注意が必要です。トッピングに使用することをおすすめします。
7.マキベリー
マキベリーは、チリ南部のパタゴニア地方だけに自生するフルーツです。野生でしか育たずなかなか手に入らない希少種であり、スーパーに売られているマキベリーは、冷凍してからパウダー状にして販売しています。
マキベリーは、赤ワインやブルーベリーに比べてポリフェノールの一種「アントシアニン」が10倍以上含まれているスーパーフードです。アントシアニンは抗酸化力が強いため、アンチエイジングや美容効果、がん予防に期待できます。
マキベリーの摂取量が1日6g(ティースプーン2杯分)が目安です。スムージーやジュースに加えたり、アイスクリームやヨーグルトにトッピングしたり、クッキーやパンの生地に加えたりするとおいしくなります。
8.アサイーベリー
アサイーベリーは、ブラジル原産のヤシ科の植物であり、アサイーの果実です。アサイーベリーはブルーベリーより少し大きいスーパーフードです。
アサイーベリーは一粒がほとんど種で構成され、可食部がわずか5%しかありません。そのわずかな可食部に、ポリフェノールやアントシアニン、鉄、ビタミンE、不飽和脂肪酸、カルシウムなど、健康や美容に効果的な栄養素が豊富に含まれています。このような栄養価の高さから「奇跡のフルーツ」と呼ばれています。
アサイーベリーに特に期待できる健康効果は、以下のとおりです。
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抗酸化作用
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貧血予防
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眼精疲労予防
特に貧血に悩んでいる方や、目を酷使している方には、アサイベリーがおすすめです。(8)
アサイーベリーの摂取量は、商品や形状によって異なります。パウダー状は1日3〜6g、カプセル状は1日2粒となります。栄養表示を確認して容量を守ってください。
スーパーフードの選び方
スーパーフードを選ぶには、品質が重要です。以下の点に注意しましょう。
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オーガニックや無添加のものを選択し、農薬や添加物が使用されていないか
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加工途中で栄養素が失われていないか
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加工されていない生のものであり、自然な形のものであるか
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第三者の認証マークがあるか
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信頼できる業者やブランドの商品であるか
スーパーフードは健康効果のある栄養素が多く含まれています。さまざまなメーカーからスーパーフードは販売されており、それぞれ容量や製造方法が異なります。品質が悪いものであると、効果が薄かったり、副作用が起こる可能性があるため、表示やマークを確認して、事前にネットで調べることが大切です。
まとめ
本記事では、栄養満点のスーパーフードについて解説しました。スーパーフードはあくまでも補助的なものなので、普段からバランスのとれた食生活を意識することが大切です。
1日3食を主食(ご飯)・主菜(肉や魚、卵などのタンパク源)・副菜(野菜や果物)・汁物が揃った食事にすることで、栄養バランスが良い食事を摂ることができます。難しい場合にはスーパーフードを補助的に活用しましょう。スーパーフードの適正な摂取量は必ず守ってください。摂りすぎると健康に影響が出る場合があります。