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肌たるみの原因と改善方法は?効果的な対策まで

監修者 木村 彩香 薬剤師 公開日:2024-09-17 最終更新日:2024-09-17

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肌たるみの原因と改善方法は?効果的な対策まで

監修者木村 彩香 薬剤師 公開日:2024-09-17 最終更新日:2024-09-17

ふとした瞬間、鏡を見て顔が老けたと感じたことはありませんか?その原因は、肌のたるみにあるかもしれません。だいたい20代後半〜30代前半くらいで、肌にハリや弾力がなくなった、頬の毛穴が目立つようになった、と肌のたるみを感じる人が多いです。加齢による肌の変化は止めることはできませんが、努力次第で速度をゆるめることはできます。今回は、肌のたるみの原因や対策方法について紹介します。

肌たるみとは

そもそも、年齢とともになぜ肌はたるみ始めるのでしょうか?

その原因は、肌の真皮層にあるコラーゲンやエラスチン、膠原繊維が衰えて、変化することにあります。真皮層は、肌を支えてハリや弾力を出す働きがあり、その大部分はコラーゲンやエラスチン、膠原繊維などです。若い頃は豊富にあったコラーゲンなどが、年齢とともに減少していき(1年で約1%減少すると言われています)、その結果、肌が重力に耐えきれなくなり、皮膚は下垂していきます。(1)

また、若い頃と比べると肌の脂肪が減ることも、たるみの原因のひとつです。肌がたるむと、年齢以上に老けて見える原因になり、疲れ顔の原因に。そうならないためにも、早めの対策が重要です。
 

年代別たるみの特徴

肌のたるみは一度に進行するのではなく、気づかないうちに少しずつ進行しています。気づいた時には手遅れだった!とならないように、若いうちから対策するべきです。下記に年代別たるみの特徴をあげました。

年代

たるみの特徴

主な対策方法

30代

コラーゲンを作る力が弱まってくる時。肌のハリや弾力が低下し、毛穴が広がった、シワが増えたと感じます。

ターンオーバーを促すスキンケアが重要。ストレスの少ない規則正しい生活を心がけて。足りない栄養素はサプリを活用して補給をすること。

40代

コラーゲンが減少して、はっきり肌がたるんでると自覚し始める時。ほうれい線や目尻のシワも目立ち出します。

保湿をしっかりと行い、レチノールやビタミンC誘導体などのエイジングケア向きのスキンケアを取り入れます。

たるみの早い段階であれば、美容医療でレーザーやヒアルロン酸注射も有効。

50代

コラーゲンはさらに減少するうえに、更年期の影響でホルモンバランスも乱れ、肌の調子は不安定になります。

レチノールやビタミンC誘導体など、エイジングケア向けスキンケアに加えて、サプリを活用して、外側と内側からケアをする。

余裕があれば、美容医療でレーザーやヒアルロン酸も検討する。


 

肌たるみの主な原因

実は、肌のたるみは現代医学でも最も治療が困難なもののひとつ。重力や加齢によって皮膚は下垂してしまうのに、顔の脂肪が減少してしまうことが原因と言われています。そうなると肌がたるみ、シワやほうれい線が目立つようになります。(1)

また、肌の水分不足・乾燥・紫外線ダメージ・睡眠やストレスなどの生活習慣など、複雑な要因で肌のたるみは進行します。スキンケアだけでなく、生活習慣や食生活の改善など多角的なアプローチが肌のたるみ対策に有効です。

 

肌たるみを改善できる栄養素と食品は?

肌のたるみの大きな原因に、真皮層のコラーゲンが減少することが挙げられます。コラーゲンは体内で産生されるものですが、加齢とともに産生される量が減少して、肌のハリや弾力が失われていきます。

また、コラーゲンは肌から直接吸収できないので注意してください。これはコラーゲンの分子量が大きく、皮膚を通過できないことが理由です。(コラーゲン含有スキンケアがまったく無意味ということではないです。)肌のコラーゲンを増やすためには、内側からのケアが重要となります。

肌のたるみケアにおすすめな栄養素と食品を下記の図表にまとめました。(2)(3)

栄養素

含有する食品

肌への働き

ビタミンA

ウナギ(蒲焼)、モロヘイヤ、人参、春菊、ほうれん草、かぼちゃ

抗酸化作用による活性酸素除去

ビタミンC

赤・黄パプリカ、菜の花、ブロッコリー、カリフラワー、ゴーヤ、ピーマン、かぼちゃ

抗酸化作用による活性酸素除去

ビタミンE

アーモンド、ツナ缶、たらこ、モロヘイヤ、かぼちゃ、アボガド

抗酸化作用による活性酸素除去

アミノ酸

マグロ、カツオ、アジ、秋刀魚、鶏肉、牛肉、卵、サプリ

肌や筋肉を作る材料となる

コラーゲンペプチド

サプリ

肌に潤いや弾力を保ち、ハリを与える

ビタミンA・C・Eは抗酸化作用があり、体内の活性酵素の除去に役立ちます。ただし、ビタミンAとEは脂溶性ビタミンのため、過剰摂取は身体によくありません。適量を摂るようにしましょう。(4)

アミノ酸(タンパク質)は、肌や筋肉など体を作る材料になります。とくに肌のコラーゲンを作るアミノ酸を摂りたい場合は、グリシンやアラニンなどのアミノ酸サプリがおすすめです。また、近年コラーゲンペプチドが肌に潤いや弾力を与えることが報告されており、サプリで取り入れてみてもよいでしょう。

 

顔の筋トレで顔のたるみを改善

顔の表情筋の筋トレも、たるみの改善には有効です。いくつかの簡単にできる方法を紹介します。(5)

表情筋トレーニング

方法

あいうえお体操

口を大きく開けて「あ」「い」「う」「え」「お」と動かす。顔全体の筋肉を動かすように心がけてみて。

舌だしエクササイズ

天井を向き、舌を出したり緩めたりを繰り返します。できるだけ舌を出すように努力してみて。あご〜首周りのたるみに有効です。

ぶくぶくエクササイズ

お風呂などで水に口をつけて、息を吹き出します。できるだけ頬を空気で膨らませるように意識してみて。頬のたるみやほうれい線に有効です。

 

表情筋トレーニングの際に注意すべきことは、やりすぎると皮膚が伸びてしまうこと。皮膚が伸びると、逆にたるみやシワの原因になるので、適度な力で表情筋トレーニングを行いましょう。

 

薬や化粧品による肌たるみを改善

スキンケアでも肌たるみを予防することは可能です。もっとも注意すべきことは、肌を乾燥させないこと。肌の乾燥はたるみ・シワ・シミ・肌荒れなどのあらゆる肌トラブルを引き起こします。しっかり保湿をすることが、エイジングケアの第一歩です。

そのうえで、たるみに有効な成分が入ったスキンケアを選びましょう。最近、コラーゲンの産生を促す働きがあると注目されているエイジングケア成分は「レチノール」「ナイアシンアミド」「ビタミンC誘導体」などです。

肌たるみケア成分

効果

使用方法

レチノール

小ジワや目元のシワに特に効果的。深いシワには、効果が出るまでに少し時間がかかるかもしれません。

レチノール自体が親油性なので、クリームタイプがおすすめ。アイクリームも◎

日光に当たると成分が壊れてしまうので、夜に使用しましょう。

ナイアシンアミド

コラーゲンの合成を高めて、肌代謝を活性化させます。

低刺激なので、肌が弱い人におすすめの成分です。

水溶性のため化粧水や美容液タイプを選ぶとよいでしょう。

朝晩使えます。

ビタミンC誘導体

体内のコラーゲン産生に必要な成分。美白や抗酸化作用、皮脂抑制作用も期待できます。

クリームより化粧水で使う方が安定性が高いので良いです。

ビタミンCはそのままでは肌から吸収されにくいので、吸収しやすい形のビタミンC誘導体を選ぶこと。

また、医薬部外品と化粧品の違いは、薬機法によって決められており、医薬部外品には厚生労働大臣が効果・効能を認可した成分が入っているということです。そのため、医薬部外品の方が肌に対して効果があると考えてよいでしょう。ただし、化粧品はまったく効果がないわけではなく、いいものを選べば肌の変化を感じられるでしょう。
 

日常生活習慣で肌たるみの予防法

生活習慣を見直すことも、エイジングケアにとっては大切です。肌は睡眠やストレス、紫外線の影響を大きく受けるからです。日常生活で気をつけたいことは次の4つです。

紫外線対策は徹底的に行う

季節や天気に関係なく、絶対に行ってほしいのが紫外線対策です。夏の晴れた日はもちろん、冬でも雨でも紫外線は一年中肌に降り注ぎます。紫外線でダメージを受けた肌は、すぐには変化しなくても、数年後にたるみやシワ、シミとなって現れます。日焼け止めやUVカットのフェイスカバー、帽子などを活用して、肌に紫外線のダメージを溜めないようにしましょう。

 

睡眠を十分にとる

実は、食べることよりも寝ることが肌にとっては重要です。眠り始めの3時間に体内で成長ホルモンが作られて、肌の細胞分裂が起こります。日中にダメージを受けた肌を修復するのに、だいたい6時間ほどかかるといわれています。そのため、1日の睡眠時間は最低でも6時間はとるようにしましょう。また、睡眠リズムを保つためにも、毎日同じ時間にベッドに入るようにしましょう。

 

ストレスと上手に付き合う

ストレスを受けると下痢になったり、胃痛になったりしたことはありませんか?同様にストレスを受けると肌にも悪影響を及ぼします。ストレスによって、体内で活性酸素が増えて、肌細胞を傷つけてしまうからです。結果、肌の老化が進んだり、肌荒れや蕁麻疹になったりします。

現代社会では、ストレスなく生きるのはとても難しいです。ストレスを受けないようにするのではなく、適度な運動やアロマなどを取り入れて、ストレスをうまく解消する方法を見つけるとよいでしょう。

 

禁煙と節度のある飲酒を心がけること

タバコは肌だけでなく、健康に害をもたらすため、1日でも早くやめましょう。タバコによって肌の毛細血管の働きが弱くなり、血行不良になります。そうなると肌に十分な栄養が行き渡らず、たるみやくすみが目立つように。

また、お酒はタバコほど悪影響はありませんが、それでも量が多いと肌や体に毒です。チューハイなどの甘いお酒は砂糖の量も多く、太る原因にもなります。外食時のみ飲むなどのルールを作って、節度をもった飲酒を心がけましょう。
 

肌たるみに関してよくある質問

最後に、肌のたるみに関してよくある質問をまとめました。エイジングケアの参考にしてみてください。

顔がたるみやすい人の特徴は?

若いうちから生活習慣が乱れていたり、食生活に偏っていたりする人がたるみやすいです。特に、慢性的な睡眠不足や喫煙習慣のある人は顔が老けやすいです。チョコレートやスナック菓子をよく食べる人も、ビタミンなどの栄養不足であることが多く、肌の老化が進行しやすいでしょう。また、肌を強くこする癖のある人は皮膚が伸びやすいです。

 

顔のたるみに一番効くのは?

肌のたるみを解消することは現代医学でも難しく、特効薬的なものはありません。強いていうなら、美容医療が一番即効性がある治療方法でしょう。ただし、美容医療はリスクもあり、価格も安くありません。

 

たるんだ皮膚は戻らない?

残念ながら、一度たるんだ皮膚は自然に戻ることはありません。皮膚がたるまないように予防を徹底することが大切ですが、すでにたるんでしまった場合は美容医療を頼ることをおすすめします。ただし、美容医療も万能治療法ではないので、注意しましょう。普段から肌が老化しないように、生活習慣を見直すことが重要です。

参考資料:
  1. 「医者が教える 人生が変わる 美容大辞典」/ KADOKAWA
  2. 「正しいスキンケア事典」/ 高橋書店
  3. 食品の選び方」/ 独立行政法人 環境再生保全機構HP
  4. ビタミン剤の摂りすぎはダメ!」/ 大阪府薬剤師会HP
  5. いつまでも若々しく!「顔筋トレ」で顔のたるみを予防しよう!」/ 特定非営利活動法人 日本成人病予防協会