成分ガイド

コンドロイチンとは?すり減りと関節への効果と効能を徹底解説

監修者 ダイケンバイオメディカル 公開日:2024-11-13 最終更新日:2025-04-18

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コンドロイチンとは?すり減りと関節への効果と効能を徹底解説

監修者ダイケンバイオメディカル 公開日:2024-11-13 最終更新日:2025-04-18

コンドロイチンは、多くの方が「関節に関係する栄養素」とイメージできるほど、高齢化社会である日本では特に広く浸透しています。

コンドロイチン関連のサプリメントは非常に多く、日本では医薬品として厚生労働省に認められているものも多くあるほど、その効果は広く知られています。

高齢者や関節に悩みを持つ方にコンドロイチンは人気ですが、どのような理由があるのでしょうか?

この記事では、そんなコンドロイチンの基本情報や、効能に関する研究報告を紹介するとともに、コンドロイチンに関するよくある疑問にもお答えして、皆さんのコンドロイチンの知識をより深めるサポートをします!

 

コンドロイチンとは

コンドロイチン(Chondroitin)は、私たちヒトを含む多くの哺乳類の体内に存在し、皮膚や軟骨の維持を助けるムコ多糖の一種で、細胞同士の接着や水分保持など重要な働きを担っています。(1​)

コンドロイチンは、関節の「軟骨」の主要な構成成分の一つとして知られ、軟骨の弾力性や潤滑性を維持する役割を果たしています。

 

コンドロイチン硫酸とは

一般に「コンドロイチン」と表示されているサプリメントの多くは、実際には「コンドロイチン硫酸 (chondroitin sulfate) 」を指します。

コンドロイチン硫酸は、硫酸基を含むコンドロイチンの一種で、体内で機能する成分として知られています(2)。 化学薬品の硫酸とは異なり、体に本来含まれる安全な成分です。

   

コンドロイチンと軟骨の関係

関節軟骨が骨と骨の間でクッションのような役割を果たすことで、滑らかに動きます。

この軟骨は、コラーゲンの周りに、コンドロイチンやヒアルロン酸などの成分が絡みつくことで形成されています(6)

そのため、コンドロイチンは軟骨の弾力性や潤滑性を維持するために不可欠な成分です。

 

関節痛の原因のひとつは軟骨のすり減り

関節が痛む原因と軟骨の関係性については、非常に多くの研究が行われてきました。

軟骨の形成が損なわれて摩耗すると、痛みや可動域の制限などを伴う変形性関節症を引き起こすことが知られています(3)

コンドロイチンは軟骨の構造や機能を保つ上で重要な成分として注目されています。

日本では、関節痛の治療にコンドロイチンが医薬品として使用されることもあり、その効果は広く認識されています。

 

変形性関節症とは

変形性関節症は、高齢者に限った疾患ではありません。

遺伝や外傷、肥満など、さまざまな要因により軟骨がすり減ることで、若年層でも発症する可能性があります。

そのため、多くの人が関わる可能性のある一般的な疾患と言えます。(7)


   

コンドロイチンの人気の理由

 

高齢化と関節疾患の関係

高齢化社会であり、多くの移動手段を利用できる国でもある日本では、加齢や運動不足による関節の悩みを抱えている人が多いということが、コンドロイチンが人気の理由のひとつです。

加齢や肥満、筋力低下がリスク要因となる、代表的な関節の疾患である「変形性関節症」は、軟骨の摩耗や喪失により、痛みや関節機能障害を伴う疾患です。

日本では、50歳以上の1000万人が、変形性膝関節症による膝痛を経験しているとされています。(3)

 

加齢によるコンドロイチンの減少

コンドロイチンは加齢と共に体内合成能力が低下することです。

高齢になると、軟骨を形成するコンドロイチン量が少なくなり、軟骨の厚さが薄くなることが報告されています(4)

また、全身を巡る血液に含まれるコンドロイチン量も、年齢が高くなるほど少なくなることが報告されています(5)

 

コンドロイチンの補給により健康維持

多くの研究により、コンドロイチンが軟骨の健康維持に役立つ可能性があることが示唆されているため、このような悩みを持つ方々にコンドロイチンが人気となると考えられます。

このような加齢に伴うコンドロイチン不足を補う目的も、コンドロイチンが人気の理由のひとつと考えられます。

 

コンドロイチンの効果

この項目では、実際にコンドロイチン(コンドロイチン硫酸)を摂取することによる効能を調べた研究報告をご紹介します。

 

コンドロイチンの効果1. 関節の健康をサポート

コンドロイチンの最も注目を集める効能は、やはり関節保護の作用です。

2022年に報告された、過去に実施された8つの研究で得られた膨大なデータを解析する「メタ分析」研究では、計3,793人の膝関節炎を持つ患者に対する治療効果が比較されました(10)

1,067人のグルコサミン+コンドロイチン治療グループと、その他の治療を受けた残りのグループとの間で、関節炎の評価指標を比較した結果、グルコサミン+コンドロイチン治療グループで有意に炎症が改善されたという解析結果が報告されています。

また、コンドロイチンを単独で摂取した場合でも、プラセボと比較して有意に変形性膝関節症の進行を遅らせたことが報告されており、コンドロイチン硫酸の変形性関節症への有効性が示唆されています(11)

 

コンドロイチンの効果2. :ドライアイの緩和

コンドロイチンを含む点眼液は、眼の角膜上皮細胞を保護する効果があるとされ、現在多くの目薬に使用されています。

実際に、コンドロイチンを用いた点眼液をドライアイ患者に使用してもらった研究では、一般に流通している点眼薬と同等に、コンドロイチンがドライアイの症状を緩和したという結果が報告されています(12)

 

コンドロイチンの効果3. :肌の傷の再生とアンチエイジング

コンドロイチンは皮膚組織を支える働きもすることから、アンチエイジングにおける効能についても研究されてきました。

ヒトの表皮の90%ほどを構成するケラチノサイトと、ヒトの真皮を構成する線維芽細胞を用いた皮膚モデルを用いて、コンドロイチンが皮膚細胞の増殖を促す効能があるかを調べた研究では、コンドロイチンが皮膚モデルの傷の再生を促した結果が報告されています(13)

コンドロイチンは、アンチエイジングにおいても有効であることが示唆されています。

 

コンドロイチンを摂れる食べ物は?

コンドロイチンが豊富な食べ物の特徴は、同じ軟骨を形成する成分でもあるコラーゲンを豊富に含む食べ物と共通していると言えます。

例えば、コンドロイチンはフカヒレや鶏皮、牛や豚の軟骨などの食べ物に豊富に含まれています。

  • ザメの軟骨:ザメの軟骨にはコンドロイチンが多く含まれております。市販のコンドロイチンサプリメントには、サメの軟骨が主要な原料として使われており、関節痛の緩和や予防に効果が期待されています。
     

  • 鶏の軟骨(手羽先や鶏の脚):鶏の軟骨もコンドロイチンが豊富で、骨や関節をサポートするのに役立ちます。特に鶏の脚は手軽に調理でき、栄養価が高いです。
     

  • 豚足や牛すね肉、豚膝肉:これらの部位はコンドロイチンやコラーゲンが多く含まれており、関節の健康維持に非常に有効です。

 

コンドロイチンの使用を推奨する方

コンドロイチンの使用が推奨される方を具体的に挙げると、次のようになります。

  • すり減りに気になる方

  • 関節痛が気になる方

  • ドライアイが気になる方

  • アンチエイジングが気になる方

多くの研究報告から、これらに当てはまる方はコンドロイチン含有のサプリメントの摂取が有効的だと考えられます。

 

コンドロイチンでアクティブライフを

コンドロイチンに関する研究報告の内容からも、コンドロイチンの補充に体の健康をサポートする効果が期待できることが示唆されています。

良い運動習慣とバランスの良い食事をするとともに、適切な場合にサプリメントの使用をすることもおすすめできます。

ただし、関節痛が続いている場合は、まず医療機関を受診してください。コンドロイチンを用いたサプリメントを選ぶだけではなく、状況に応じた適切な方法を選ぶことも非常に重要です。

 

<他のアクティブライフにサポート成分>

1.MSMの健康作用:関節痛の軽減と美容作用を徹底解説

2.【グルコサミン完全ガイド】グルコサミンの効果は?摂取する前に知っておくべき基本知識

 

追加情報:グルコサミンとコンドロイチンの相乗効果

コンドロイチン(コンドロイチン硫酸)と併せて関節を保護する、軟骨に重要な成分に、グルコサミンがあります。

グルコサミンは、アミノ糖の一種で、ブドウ糖としてよく知られるグルコースの一部が、アミノ基に置き換えられた構造を持つ小さな糖です(8)

グルコサミンは、コンドロイチンやヒアルロン酸、糖タンパク質などの大きな糖分子を作る素材となる重要な物質です。

私たちの関節の保護においては、軟骨を形成するコンドロイチンなどの材料となり、軟骨の消耗を防ぐ役割を果たしていると考えられています(9)

グルコサミンはコンドロイチンの素となり、コンドロイチンの保水力を支えることから、その相乗効果が期待され、多くの研究で実際に効能を示唆する結果が報告されています。

<グルコサミンの効果は>
【グルコサミン完全ガイド】グルコサミンの効果は?摂取する前に知っておくべき基本知識

 

よくある質問

Q1.コンドロイチンとグルコサミンとは何が違うの?

「グルコサミンとコンドロイチンの相乗効果」でも少し説明しましたが、グルコサミンはコンドロイチンの素となるアミノ糖です。

コンドロイチンとグルコサミンの違いをまとめると、次の表のようになります。

 

表1. コンドロイチンとグルコサミンの違い

項目 

コンドロイチン

グルコサミン

分類

ムコ多糖

アミノ糖

全般的な役割

保水力、細胞接着や栄養輸送のサポート

多糖(ムコ多糖含む)の素材

関節での役割

保水力によるクッション性の維持

軟骨を形成するコンドロイチン​の供給

 

 

Q2.コンドロイチンをどれくらい飲めば効果を実感できますか?

コンドロイチンをどれくらい飲めば効果を実感できるかは、人それぞれの代謝機能に左右されることもあり、一概に言うことが難しいです。

参考としては、2週間〜3年とさまざまな長さで行われた多くの研究のデータを分析した研究では、6ヶ月以内のコンドロイチン摂取による効能を調べた研究で、プラセボに比べて変形性関節症の痛みが有意に緩和されたと報告されています(14)

コンドロイチンの効能は多くの研究により支持されていますが、即効性を期待するよりも、健康的な生活の中にサプリメントの摂取を取り入れて長期的に利用することをおすすめします。