成分ガイド

コンドロイチンと一緒に飲んではいけない薬は何?副作用と撮る注意点を薬剤師が解説

監修者 木村 彩香 薬剤師 公開日:2024-11-15 最終更新日:2024-11-21

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コンドロイチンと一緒に飲んではいけない薬は何?副作用と撮る注意点を薬剤師が解説

監修者木村 彩香 薬剤師 公開日:2024-11-15 最終更新日:2024-11-21

「関節周りの軟骨がすり減ってる。」とお医者さんに指摘されたことはありませんか?膝などの関節には、5-7mmの軟骨が覆っており、軟骨のおかげで痛みなくスムーズに関節を曲げたり伸ばしたりできます。

若い頃は十分に軟骨があるため、階段の上り下りや屈伸で膝が痛むことはありません。しかし、年齢とともに関節周りの軟骨が減少したり、弾力を失ったりすることで、膝を曲げ伸ばしするたびに痛みが走るようになります。さらに、悪化すると変形性膝関節症という病気になり、手術が必要になることもあります。(1)

膝が痛くなる主な原因は、加齢による軟骨がすり減ることですが、なかには遺伝的に軟骨が少ない人や肥満で軟骨がすり減る人もいます。遺伝や肥満が原因の場合は、若いうちから膝関節が痛むことも少なくありません。また、男女比は1:4で女性に多く見られる症状です。

膝関節を一度悪くしてしまうと、薬や手術で症状を和らげることはできても、完全に元どおりに戻すことはとても難しいです。そのため、日頃から足の筋肉を鍛えたり、減量したり、血行を良くしたりして、膝に負担を少なくすることがとても重要です。コンドロイチンなどのサプリを活用しても良いでしょう。

今回は、関節痛に良いと言われる「コンドロイチン」について、紹介していきます。

コンドロイチンの働きは

コンドロイチンは軟骨を構成する成分

CMなどでおなじみのコンドロイチンは、軟骨を構成する成分です。体内で自然に作られて、関節を衝撃から守ってくれる働きがあります。膝の痛みに悩む人が一番多いですが、肘、臀部(お尻)、脊椎(背中)、手なども軟骨がすり減り、痛みを訴える人が多い部位です(2)

 

コンドロイチンが減るとどうなる?

加齢とともに軟骨(コンドロイチンやグルコサミンなど)が減っていくと、関節の骨を守るものがなくなってしまいます。すると、関節を曲げるたびに、骨同士がこすれるようになり、これが膝が痛いと感じる原因になります。腫れを引き起こすこともあります。

こうなると階段の上り下りや椅子に座ったり、椅子から立ったりといった日常の動作が難しくなります。さらに悪化すると、歩くだけで関節に痛みを感じるようになり、家事や仕事が思うようにできなくなります。

<コンドロイチンの詳細>
コンドロイチンとは?すり減りと関節への効果と効能を徹底解説
 

コンドロイチンと一緒に飲んではいけない薬は何

ワーファリンなど血液をサラサラする薬との飲み合わせに注意

ワーファリンを服用している患者さんが、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントを自己判断で飲んだところ、PT-INR値が2.58から4.52に上昇した、との報告があります。(※PT-INR値は数字が大きいほど、出血しやすいことを表します。)(3)

ワーファリンに限らず、抗凝固薬や抗血小板薬などの血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合、コンドロイチンを飲むと出血傾向が強くなる場合があります。普段から血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

 

糖尿病薬との飲み合わせに注意

糖尿病薬を服用中の患者さんがグルコサミンとコンドロイチン含有のサプリメントを服用したところ、予期できない血糖値上昇が起こった、との報告があります。糖尿病と診断されたことがある場合は、コンドロイチンを服用する前にかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。(3)

糖尿病薬を飲んでいる人は、絶対にコンドロイチンのサプリメントを飲んではダメというわけではありませんが、医師や薬剤師が患者さんの飲んでいるサプリメントを正確に把握できていると、より適切な治療を受けられるようになります。

 

コンドロイチンの副作用

コンドロイチンには重篤な副作用はない

基本的にコンドロイチンは医薬品ではなく、サプリメントや健康食品という扱いです。そのため、重篤な副作用などはありません。ただし、大量に飲むと肝臓や腎臓に負担を与える恐れがありますので、指定の摂取量は守るようにしましょう。コンドロイチンの1日摂取目安量は100~2,000mgと言われています(4)

 

胃痛・吐き気などの消化器症状に注意

コンドロイチンで一番多い副作用は「胃痛」「吐き気」「下痢」「食欲不振」などの消化器症状です。全体の0.1~5%程度の発生率といわれています。(5)飲んだ人みんなに副作用が出るわけではありませんが、万が一消化器症状が出た場合はサプリメントの服用はすぐに中止してください。症状が長引く場合は、医療機関を受診するようにしましょう

 

発疹などのアレルギー症状にも注意

どんな薬や食べ物でも起こりうることですが、コンドロイチンでもアレルギー反応が起きることがあります。具体的には、皮膚の発疹やかゆみ、赤みなどです。(5)コンドロイチン自体ではなく、サプリメントの添加物にアレルギー反応を示すこともあります。この場合もすぐに服用を中止して、医療機関を受診するようにしましょう

 

正しくコンドロイチンを摂る方法

コンドロイチンのサプリメントを摂取する際に、注意すべきポイントをまとめました。

 

サプリメントに表示の摂取量は守ること

サプリメントのパッケージには、1日の摂取量が書かれています。(例えば、1日OO粒など)記載の摂取量を必ず守るようにしましょう。

たまに、「たくさん飲んだ方がよく効きそうだから。」と1日にたくさんのサプリメントを飲まれる方がいますが、たくさん飲んだからといって効果が高まるわけではありません。むしろ、肝臓や腎臓に負担をかけてしまう可能性があるので、絶対にやめましょう。

 

運動や食事に気をつけて健康的な生活をすること

健康の基本は「規則正しい生活」です。毎日運動することや栄養バランスの摂れた食事が一番大切です。サプリメントは、あくまで運動や食事でカバーしきれない部分を補ってくれるものという認識でいましょう。

とくに、膝関節が痛むのなら、毎日30分ほどでいいのでウォーキングをして足の筋肉を鍛えるようにしましょう。また、正座や和式トイレは避けて、膝にできるだけ負担をかけないように心がけることが重要です。肥満の方は減量すると、膝への負担はかなり減らせますよ。

 

サプリメントは症状が悪化する前に予防的に飲むのがおすすめ

関節の痛みは、現代の医療でも治療が難しい分野のひとつ。一度悪化してしまうと、薬で治すことは難しく手術が必要になる場合も多いです。そのため、コンドロイチンのサプリメントは、関節の痛みが悪化してから飲むより、関節の痛みの予防として飲むのがおすすめです。

以前より階段の上り下りで膝が痛むようになった、椅子から立ったり座ったりすることに不安を覚えるようになった、という方はコンドロイチンのサプリメントを検討してみましょう。サプリメントを選ぶときは、コンドロイチンの含有量が多いものを選ぶとよいでしょう。

 

<関節と軟骨にサポート成分>
1.【グルコサミン完全ガイド】グルコサミンの効果は?摂取する前に知っておくべき基本知識
2.MSM(メチルスルホニルメタン)の効果は?MSMが皮膚や関節を健康に保つ?活力の維持にも役立つ

参考資料:
  1. 変形性膝関節症」/ 公益社団法人 日本整形外科学会
  2. グルコサミンとコンドロイチン」/ 厚生労働省eJIM
  3. 健康食品リーフ02号」/ 福岡県薬剤師会
  4. コンドロイチン硫酸食品」/ 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会HP
  5. コンドロイチンの臨床的有用性」/ 新しい薬学をめざして 43, 44-48 (2014).