成分ガイド

アントシアニンの成分情報:働きと効果、多く含まれる食品と効率的な摂取方法

監修者 鎌田 百合 医師 公開日:2025-01-22 最終更新日:2026-01-12

成分ガイド

アントシアニンの成分情報:働きと効果、多く含まれる食品と効率的な摂取方法

監修者鎌田 百合 医師 公開日:2025-01-22 最終更新日:2026-01-12

アントシアニンはブルーベリーなどの植物に存在するフラボノイド系の天然色素です。このアントシアニンは太陽の光、紫外線から実や身を守る働きがあります。

アントシアニンはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持っているため、目の健康だけでなく、肌や脳の健康など、体にさまざまなメリットをもたらします。

 

アントシアニンとは

アントシアニンとポリフェノールの関係

アントシアニン(Anthocyanin)とは、ポリフェノールの一種で、フラボノイドに分類されています。アントシアニンも糖や有機酸が結合した配糖体です。

アントシアニンは自然界に広く存在する赤や青紫系の水溶性の天然色素で、ぶどう、ブルーベリー、ビルベリー、なす、赤ワイン、紫イモ、黒豆などの食品に多く含まれています。これは、植物が強い紫外線から身を守るために蓄えてきた成分で、強力な抗酸化作用をもつ生理活性物質です。いわば「植物の天然サングラス」と言える存在です。

アントシアニンはpHや温度、酸素、金属イオンなどの条件によって、橙黄色から赤、紫、青まで幅広い色調に変化します。優れる安全性や安定性があるため、昔から食品用の天然色素や着色料として使用されています。

ポリフェノールとは
ポリフェノールは植物に含まれる色素成分や苦味成分です。強い抗酸化作用があり、自然界には5,000以上の種類が存在するとされています。
 

アントシアニンの抗酸化作用

アントシアニンなどのポリフェノールには強い抗酸化作用があります(1)。これによって、活性酸素の発生を抑える効果が期待できます。

活性酸素は体内のたんぱく質や核酸などを傷害し、体にさまざまな悪影響を及ぼします。

アントシアニンの抗酸化作用によってこれを抑制し、自己を守ることができます。


   

目の健康を支えるアントシアニンの働き

アントシアニンと目へ効果

アントシアニンは人の網膜に存在している「ロドプシン」と呼ばれる視覚情報を伝えるたんぱく質の再合成を促す働きがあります。ロドプシンは「見る」という情報を脳に伝えるために不可欠な物質ですが、目を使いすぎると減少してしまいます。

ロドプシンの再合成が遅れると、ピントが合いにくくになりますので、アントシアニンの補給により目の健康にサポートすると示唆されています。

抗酸化作用により、アントシアニンは視細胞を酸化ストレスから保護することが知られています。そのため、アントシアニンを豊富に含む食品を摂取することが目の健康を守るために有益とされています。
 

 

1. 目の健康維持

アントシアニン:目の健康維持

現代人は目を酷使することが多く、パソコンやスマートフォンの使用で目の疲れが溜まりがちです。

アントシアニンは、目の網膜に存在しているロドプシンというたんぱく質の再合成を促進する効果があります(2)。

ロドプシンは光を吸収し、脳に視覚刺激を与える役割を持ちます。ロドプシンの再合成が遅れると、薄暗い場所での見えにくさや、目のショボショボ感の原因になります。

アントシアニンの摂取により、目使いすぎた目のコンディションを整える効果が期待されています。まさに、眼精疲労が溜まりやすい現代人にはうってつけの効果です。

また、アントシアニンの抗酸化作用は、網膜の細胞を酸化ストレスから守る作用があります。水晶体が紫外線から受けるダメージをケアする働きもあり、年齢とともに気になる目の健康維持への寄与も期待されています。

2018年の研究により、アントシアニンは視網膜色素上皮細胞を酸化的ダメージから保護することが確認されています。アントシアニンが細胞内の抗酸化酵素の働きを高め、活性酸素による細胞死を防ぐためと考えられています。

 

2. 近くを見る作業のサポート

最新の研究によると、アントシアニン(特にシアニジンやデルフィニジンなど)を多く摂取している青少年は、良好な視機能の維持に関連があることが報告されています。

スマートフォンやパソコンの使用が日常化している現代では、若年層における「見る」に関する悩みが増加傾向にあります。

最近のアメリカの研究では、アントシアニンを多く含む食品をよく摂取する12歳〜17歳の青少年は、見る力の健康リスクが有意に低いという結果が報告されました

特に、アントシアニンの中でもシアニジンやペオニジンなどの特定の成分が、ピント調節機能にサポートする可能性が高いとされています。

この結果は、アントシアニンを取り入れた食生活が視機能の維持に役立つ可能性を示しています(3)。

子どもの見る力を守りたい方に、積極的な摂取が勧められます。

 

3. 目の潤いにサポート

アントシアニンは、ドライアイに悩む人々にも効果があるとされています。ブドウ皮に含まれるアントシアニン寡糖を摂取した被験者は、涙の質が安定し、目の不快感や乾燥感の軽減が見られました。

これにより、アントシアニンは目のうるおいを保つ天然のサポート成分として注目されています(4)。

 

4. 年齢による目の変化にサポート

アントシアニンを豊富に含むベリー類を定期的に摂取することが、加齢と光ダメージによる不快感を低下させる可能性があるとする報告もあります(5)。

研究結果によると、週1回以上ブルーベリー、平均毎日11.2 mgのアントシアニンを摂取する習慣のある人は、加齢に伴う目の健康リスクが最大64%低下傾向が見られました。

アントシアニンが多く含まれるブルーベリーやビルベリーを普段から食べている人は、年齢による視界の悩みを抱えるリスクが下がることが分かってきました。

 

5. 紫外線などの刺激から目を守る

アントシアニンは紫外線や光など外部からの刺激に対する保護作用保護作用が示唆されています。

特に、ビルベリー由来のアントシアニンは、光などの刺激による反応を和らげ、視覚機能の維持に貢献することが研究で示されています(6)。


 

他のアントシアニンの健康効果

ここでは、目の健康の他に、アントシアニンを摂取することで期待できる効果を解説します。
 

1. 美肌

アントシアニン:美肌

紫外線を浴びることで活性酸素が発生すると、シミやシワの原因になります。

アントシアニンは抗酸化作用により活性酸素の発生を抑え、シミ、シワ、たるみなどの肌トラブルを予防する働きが期待できます。

日差しなどのダメージから守り、肌へのダメージを抑えることで、肌を美しく若々しく保つことができます。

 

2. 仕事や勉強のパフォーマンス維持

アントシアニン:脳機能の改善

アントシアニンは集中力にサポートする働きがあると示されています。

女性7名を対象とした臨床試験では、アントシアニン50mgを含むカシスポリフェノール8日間の連続摂取によって、緊張感が和らぎ、頭が冴えるような感覚が見られたという報告もあります(7)。この結果から、仕事や精密作業など集中力が必要な時に、アントシアニンの摂取がサポートにつながる可能性があります。

 

3. 認知と冴えわたる思考をサポート

アントシアニンには脳の血流を促進する働きがあり、高齢者の思考の維持に役立つ可能性が示唆されています。(8)

実際に、年齢とともに「うっかり」が増えたと感じている高齢者を対象とした研究では、アントシアニンの摂取量が多い群において、「考える力」の有意な改善が認められました(9)。また、アントシアニンの抗酸化作用が神経細胞を保護する働きを持ち、加齢による健康と考えるリスク低減にも寄与する可能性があります。

 

4. 全身の血流とめぐりを整える

アントシアニン:血流改善

アントシアニンには、血管拡張作用や血管内皮機能の機能改善効果による、血流改善効果があります(10,11)。

血行が良くなることで血圧が安定し、さらには血栓症の予防の効果も期待できます。末梢の血流を改善することで、肩こりや冷え症の改善に役立つ可能性も示唆されています。

 

5. 疲労回復

アントシアニン:疲労回復

活性酸素は、自律神経の細胞や筋肉を攻撃し、疲労の原因ともなります。

抗酸化作用のあるアントシアニンを摂取することで活性酸素を除去し、疲労の発生を抑制し、疲労回復を早める効果が期待されます。

  
 

アントシアニンを効率的に摂取する方法

それでは、どのようにすればアントシアニンを効率良く摂取することができるのでしょうか。

 

アントシアニンが多く含まれる食品Top5

アントシアニンが多い食品:ビルベリー

アントシアニンの含有量が多い食品Top5を紹介します(14)。

順位

食品

含有量(mg/100g)

1

ブラックチョークベリー(アロニア)

1,480

2

エルダーべリー

1,375

3

ビルベリー

1,000

4

ワイルドブルーベリー

486.5

5

カシス

476

 

ご覧のようにベリー系が上位を占めます。日本人にはあまり馴染みのない果実類が多いですね。

ビルベリーは、アントシアニンのサプリメントの原材料としても使用され、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ビルベリーはアントシアニンの含有量が多く、健康食品として近年注目されている果実です。

参考:【徹底解説】ビルベリーとは?栄養・効果・ブルーベリーとの違いをまるごと紹介

カシスはブラックカラントや黒スグリともよばれ、ジャムやリキュールに使用されます。

野菜の中で含有量が多いものとしては、紫キャベツ(322mg/100g)、ナス(86mg/100g)などがあります。

 

アントシアニンが多い食品の調理法

アントシアニンは長時間の加熱に弱く、水に溶けやすい特徴があります。

そのため、調理の場合は短時間で、茹でるよりも炒める、揚げるなどの調理法がおすすめです。

果物の場合はなるべく生のまま食べましょう。

アントシアニンは水溶性のため、体内に長期間留めておくことができません。そのため、毎日継続的に摂取することが必要です。

毎日食べられない場合は、サプリメントから摂取すると手軽に効率良く摂取できます。

 

アントシアニンとルテインの違いは?

項目 アントシアニン ルテイン
種類 フラボノイド類(植物由来の色素) カロテノイド類(黄色の天然色素)
主な存在部位 目の網膜 目の網膜、特に黄斑部、また皮膚にも存在
働き 強い抗酸化作用があり、目を保護 強い抗酸化作用があり、目や皮膚を保護
溶解性 水溶性 脂溶性
効果 目の疲れを軽減、眼精疲労を改善、ピント調整のサポート 目の病気予防(加齢黄斑変性症、白内障など)、紫外線から目を保護
即効性 速効性があり、短期的な効果が期待できるが、持続性が短い 持続的な効果を期待するため、長期的な摂取が必要
摂取方法 水溶性なので早く作用するが、持続性が短い 油と一緒に摂取するや食後に摂取すると吸収効率が上がる
持続的な効果を期待する
 

アントシアニンは目を保護する効果があることから、同様に目を守る効果があるルテインとよく比較されます。

ルテインはカロテノイドの一種で、黄色の天然色素です。アントシアニンと同様、強い抗酸化作用を持つことが知られています(15)。

野菜や果物に含まれており、目や皮膚を紫外線から保護する役割があります。

加齢黄斑変性症の予防や、白内障などの目の病気の予防に効果があるとされています(16,17)。

 

アントシアニンは水溶性ですが、ルテインは脂溶性です。そのため、アントシアニンは作用までの時間が早いですが、効果が持続しにくく毎日摂取する必要があります。

一方で、ルテインは油と一緒に調理すると吸収効率が上がります。

ルテインのサプリメントを摂取する場合は、食後に摂取すると胆汁酸がルテインの吸収効率を高めます。


アントシアニンとルテインはどちらも目を保護する効果があります。

アントシアニンは眼精疲労などに、ルテインは目の病気の予防に特に効果があります。そのため、両方を摂取することで相乗効果が期待できます。

 

異なる植物に含まれるアントシアニンの違い

アントシアニンは野菜、果物などさまざまな植物に含まれています。

ビルベリーやカシスはアントシアニンが多く含まれている代表的な植物ですが、これらには違いがあるのでしょうか。

実は、含まれているアントシアニンの種類が異なります。

 

ビルベリー

アントシアニンが多い食品:ビルベリー

ビルベリーは5種類のアントシアニジンと3種類の糖がそれぞれ結合した15種類のアントシアニンが含まれています。

参考:【徹底解説】ビルベリーとは?栄養・効果・ブルーベリーとの違いをまるごと紹介

  

カシス

アントシアニンが多い食品:カシス

カシスには、ビルベリーには含まれていない異なる2種類が含まれます(18)。

 

それぞれがさまざまな生理活性を発揮して、目の健康や血流改善に効果を発揮します。

アントシアニンとカシスの両方を摂取することで、よりアントシアニンの効果を高めることができるかもしれません。

 

アントシアニンを摂取する際の注意点

 

継続的に服用

アントシアニンは水溶性のため、不要な分は尿中に排出されます。

そのため、食事から摂れる量を適切に摂取するならば安全性が高いとされています。

逆に、効果が長く続かないため、毎日継続的に摂取することが大切です。

 

過剰摂取を避ける

ただし、アントシアニンをたくさん摂取しようとしてカシスなどの果実を過剰に食べると、下痢を起こすことがあります。

サプリメントで摂取しようとすると過剰摂取になる恐れがあるため、用法用量を守って使用しましょう。

 

血圧低下の副作用

アントシアニンだけでなく、さまざまな栄養素をバランス良く食べることが大切です。

なお、アントシアニンには血圧低下作用があるため、もともと血圧が低い方は血圧が過度に下がることでめまいなどを起こす危険性があります(14)。

アントシアニンを正しく摂取して、健康的な生活を送りましょう。

 

よくある質問

・アントシアニンとアントシアニジンの関係


アントシアニンの色は、アントシアニジンによって決まります(19)。

アントシアニジンは、植物内では前駆物質である「プロアントシアニジン」として存在し、酸性環境下でアントシアニジンに変換されます。

アントシアニジンは不安定な構造物ですが、糖や有機酸が結合すると安定化し、水に溶けやすくなります。これをアントシアニンと呼びます。

 

関連記事:目の健康にサポートする成分

参考資料:
  1. 佐竹竜弥, アントシアニン類の活性酸素種消去メカニズムに関する研究
  2. Jayle GE, Aubert L. Action of anthocyanin glycosides on the scotopic and mesopic vision of the normal subject. Therapie 1964;19:171–85.
  3. Dietary anthocyanin intake and myopia in adolescents. Journal of Nutrition.
  4. Choi, Y., et al. (2022). Effects of grape skin oligomeric anthocyanins on dry eye syndrome. Clinical and Experimental Ophthalmology.
  5. Dietary intake of berries and risk of age-related macular degeneration.
  6. Bilberry anthocyanins and their effects on retinal inflammation.
  7. Bertoia ML, Rimm EB, Mukamal KJ, Hu FB, Willett WC, Cassidy A. Dietary flavonoid intake and weight maintenance: three prospective cohorts of 124,086 US men and women followed for up to 24 years. BMJ 2016;352:i17.
  8. Anthocyanins: A Comprehensive Review of Their Chemical Properties and Health Effects on Cardiovascular and Neurodegenerative Diseases
  9. Anthocyanin intake is associated with improved memory in older adults with mild cognitive impairment. Proceedings of the Nutrition Society, 82(OCE2), E1.
  10. Nakamura Y, Matsumoto H, Todoki K. Endothelium-dependent vasorelaxation induced by black currant concentrate in rat thoracic aorta. Jpn J Pharmacol 2002;89(1):29–35.
  11. Matsumoto H, Takenami E, Iwasaki-Kurashige K, Osada T, Katsumura T, Hamaoka T. Effects of blackcurrant anthocyanin intake on peripheral muscle circulation during typing work in humans. Eur J Appl Physiol 2005;94(1-2):36–45.
  12. Guo X, Yang B, Tan J, Jiang J, Li D. Associations of dietary intakes of anthocyanins and berry fruits with risk of type 2 diabetes mellitus: a systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies. Eur J Clin Nutr 2016;70(12):1360–7.
  13. Effects of Anthocyanins on Cardiometabolic Health: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
  14. Wu X, Beecher GR, Holden JM, Haytowitz DB, Gebhardt SE, Prior RL. Concentrations of anthocyanins in common foods in the United States and estimation of normal consumption. J Agric Food Chem 2006;54(11):4069–75.
  15. 厚生労働省|1-6 ビタミン
  16. Christen WG, Liu S, Glynn RJ, Gaziano JM, Buring JE. Dietary carotenoids, vitamins C and E, and risk of cataract in women: a prospective study: A prospective study. Arch Ophthalmol 2008;126(1):102–9.
  17. 河口良子. ルテインとその機能性, The Vitamin Society of Japn 2015; 89(11): 537-539
  18. 日本食品分析センター|総アントシアニンのご案内
  19. 中川裕子, 生理活性植物因子アントシアニンの色と構造, J Jpn Soc Colour Mater 2006; 79: 113-119.