「トイレが近くて困る」「回数が気になる」「繰り返し行きがち」とお悩みの方はいませんか?女性は特に夏になると、口に出しにくい悩みが増えてくるかと思います。
現在、海外の女性に人気がある栄養素の一つにD-マンノースがあります。しかし、D-マンノースといわれても「どのような成分なの?」「効果的な摂取方法はあるの?」と疑問に思う方が多いでしょう。
そこで今回は、D-マンノースがどのような成分なのか、どのように摂取すれば効果的なのかについて薬剤師が詳しく解説します。
トイレや回数についてのお悩みがある女性はぜひ参考にご覧ください。
外国で大人気のD-マンノースってなに?
D-マンノースは、グルコースに似た化学構造をした単糖であり、さまざまな動物、植物、および微生物に広く存在している成分です。
D-マンノースは私たちの生理的機能に重要な働きをし、体内でグルコースをD-マンノースに変換することができます。
また、D-マンノースは多くの栄養サプリメントに含まれていることも特徴です。カプセルや粉末の形が多く、その効果は広範囲にわたります。
そして、最近海外では女性の美容のための健康食品として人気を博し、その人気はクランベリーにも劣らないほどです。
女性が気になる!D-マンノースの効果
一定量のD-マンノースを補給すると、通常は尿とともに正常に排出されます。
D-マンノースの補給により、女性のトラブルの原因となりやすい雑菌の繁殖を抑えることが可能です。
そのため、尿路感染症の軽減や予防に働き、さらに再発の頻度を低下させることで不快な症状が再び現れにくくなるようにしてくれます。
常に快適な状態で過ごせるため、異臭やかゆみなどの症状も気になりづらくなるでしょう。ここからは、D-マンノースがもつ効果についての研究をいくつか紹介します。
1. 再発性の尿路感染症を予防する
尿路感染症は、男性よりも女性で多く見られます。
これは、女性のほうが尿道が短く、細菌が膀胱まで達しやすいためです(1)。尿路感染症は、世界中でもっとも蔓延している細菌性疾患だといわれています。D-マンノースは、再発性の尿路感染症を予防する効果があることが研究により明らかになりました。
D-マンノースには、尿路病原性大腸菌が尿路に付着するのを効率的に阻害する効果があるのです(2)。これにより、尿路感染症の予防ができることが分かっています。尿路感染症の予防薬としても期待されている成分です。
別の研究でもD-マンノースが尿路感染症の予防に効果があることが分かっています。
重大な合併症がない女性308名を下記の3つのグループに分け、D-マンノースの効果について研究が行われました。
- 第1グループ:2グラムのD-マンノースを200mlの水に溶かしたものを6か月間毎日摂取。
- 第2グループ:毎日50ミリグラムのニトロフラントインを摂取。
- 第3グループ:とくに何も予防をしないグループ。
308名のうち、再発性の尿路感染症を発症したのは98名(31.8%)で、このうちD-マンノースを摂取したグループで発症したのは15名(14.6%)でした。
何も予防をしていないグループでは62名(60.8%)で発症が見られています(3)。このことから、D-マンノースには尿路感染症の再発を予防する効果があることが分かりました。
2. 抗生物質と同等の効果を発揮する
D-マンノースがほかの予防薬と比較して尿路感染症の再発をどれくらい低下させられるのかについて研究が行われました。
再発性尿路感染症とは、6か月間に2回の尿路感染症、または12か月間で3回の尿路感染症にかかるものと定義されています。
尿路感染症のもっとも代表的な病原体は大腸菌です。D-マンノースに関する研究は多く行われており、研究の一つでD-マンノースが抗生物質と同等の効果を発揮することが明らかになっています(4)。
3. 抗がん剤の治療効果を高める
マンノースが注目されているのは、尿路感染症だけではありません。大阪国際がんセンターの研究によると、抗がん剤であるシスプラチンの治療効果を高めることが分かっています。
シスプラチンは、食道がんや頭頸部がんなどの治療に用いられることが多い抗がん剤です。DNAの複製を阻害することでがん細胞の増殖を防ぐ効果があります。
しかし、がん細胞の一部はDNA複製の阻害作用が効かず、生き残ってしまうことがあるのです。
ここでマンノースを投与したところ、シスプラチンのDNA阻害作用がしっかり働き、がん細胞が死滅しやすくなることが分かりました(5)。
薬剤師が教えるD-マンノースの正しい摂り方
現在、学者たちは適切なD-マンノースの摂取量を探している段階です。
つまり、現段階ではD-マンノースの推奨量が決められていません。臨床研究によると、1回あたり1グラム(1日2回)から3グラムまでのマンノース補給は、健康に有益な効果をもたらすことがわかっています。ただし、年齢、生活習慣、および各々の健康状態を考慮しなければなりません(6) (7) (8)。
D-マンノースの摂取で効果を得たい場合は、1日に少なくとも2グラムの摂取が必要です。
一般的な健康食品やサプリメントでD-マンノースを2グラム摂取しようとすると、かなり多くの量を摂る必要があります。、このことから、D-マンノースは粉パックで摂取するのが、簡単で負担が少ない方法といえるでしょう。ただし、各製品に記載されている摂取目安量を超えて使用するのは避けてください。
マンノースに副作用はある?
臨床試験で確認されたD-マンノースの推奨量は非常に安全だと考えられています。D-マンノースは多くの食品に元々含まれていることが多いため、摂取量について気にしすぎる必要はありません。
ただし、推奨量を超えると、一部の人には下痢や軟便などの症状を引き起こす可能性があります。
308名の女性を対象にD-マンノースの効果を調べた研究でも、ごくわずかではありますが副作用が見られています。ただし、抗生物質を使用したグループよりも副作用の発現頻度は低いという結果が出ているため、副作用について過度に心配する必要はありません。
また、妊娠中や授乳中にD-マンノースを使用する場合は、事前に医師と相談してください。
糖尿病患者の中には、D-マンノースを補充したいと思いながらも血糖に影響を与えるのではと心配している方もいるでしょう。
D-マンノースは単糖の一種であり、血糖値に影響を及ぼす可能性があります。
そのような場合は、De-UTITM D-マンノースを選んでみてください。De-UTITM D-マンノースは体内で代謝が悪いため、血糖に影響を与えにくいといわれています。