食生活のサポート

妊活におすすめの食べ物とは?必要な栄養素と避けた方がいい食べ物も解説

監修者 端場 愛 管理栄養士 公開日:2024-08-02 最終更新日:2024-08-02

食生活のサポート

妊活におすすめの食べ物とは?必要な栄養素と避けた方がいい食べ物も解説

監修者端場 愛 管理栄養士 公開日:2024-08-02 最終更新日:2024-08-02

妊活は子どもを望む夫婦にとって大切な活動です。排卵日付近に夫婦生活を続ければ必ず妊娠できるわけではなく、男性・女性双方の体質や生活習慣など、さまざまな要因が絡んできます。子は授かりものと言いますが、少しでも妊娠の確立を上げるために、まずは食事面を見直してみませんか。今回は妊活におすすめの食べ物や必要な栄養素、避けた方がよい食べ物について解説します。

妊活とは?

妊活とは妊娠活動を省略したもので、文字通り妊娠のために夫婦で行う活動を言います。妊活と聞くと、赤ちゃんを産む側である女性だけのものだと誤解する方もいますが、妊娠は夫婦そろわないと実現しないため、男性の妊活も重要なのです。実際に不妊の原因は男女ともにあると言われており、33%が男性因子、21%が卵巣、20%が卵管、18%が子宮因子というデータもあります。(1)
 

主な妊活の内容

  • 妊娠・出産について話し合う

  • 妊娠に向けて食生活を改善する

  • 十分な睡眠やストレス解消で心身の健康を整える

  • 妊娠のタイミングを計る

  • 医療機関を受診する

 

これらの内容は、どちらか一方が頑張るだけでは成果が出づらいため、まずは夫婦で妊娠や出産についてよく話し合い、足並みをそろえることが妊活の第一歩となります。その後、食生活を改善したり生活習慣を整えたりして、妊娠しやすい環境を整え、妊娠のタイミングを計るとよいでしょう。

 

妊活を続けても結果が出ない場合は、男女ともに医療機関を受診し、医師の指示を仰ぐことも大切です。

 

妊活に必要な栄養素

先ほど妊活には食生活の改善も大切だと触れました。男性と女性では妊娠に関する役割が異なるため、積極的に摂取したい栄養素も異なります。ここでは、男女別におすすめしたい栄養素を紹介します。
 

女性が積極的に摂取したい栄養素

栄養素

多く含む食品(2)

葉酸

・レバー
・ブロッコリー
・ほうれん草
・枝豆
鉄分
・赤身肉
・レバー
・あさり
・ほうれん草
ビタミンE
・アーモンド
・ヘーゼルナッツ
・うなぎ
・アボカド
・ひまわり油
亜鉛
・牡蠣
・牛肉
・レバー
・ほたて
・玄米
オメガ3脂肪酸
・えごま油
・くるみ
・青魚(サバ、アジ、イワシなど)
・マグロ
・サケ

 

葉酸

葉酸は妊娠を望む女性であれば、積極的に摂取したい栄養素です。その理由は、妊娠初期の胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減させることと、胎児の細胞合成を促すことの2点にあります。厚生労働省によると、妊娠を計画している女性は、食事に加えサプリメント等の栄養補助食品から、1日0.4mgの葉酸を摂取することが望ましいとされています。(3)
 

鉄分

女性は生理などで貧血のリスクが高まっています。貧血は主に鉄分不足によって起こるのですが、貧血状態だと体に十分な酸素や栄養が行き渡らず、妊娠しにくくなるとも言われています。鉄分は吸収率が悪いため、植物性より動物性食品を摂取したり、吸収率を上げるビタミンCを一緒に摂取するとよいでしょう。(4)
 

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用がある栄養素です。細胞の老化を防ぐ働きがあることから、卵子の質を上げる効果が期待できます。血流を促す働きもあるため、冷えが気になる方も積極的に摂取しましょう。(5)
 

亜鉛

妊活中の女性の亜鉛不足は、卵巣の機能低下につながると言われています。また免疫機能の活性化や、抗体の生産に関与するため、妊活中の健康な体を維持するためにも亜鉛は必要です。
 

オメガ3脂肪酸

マウスにオメガ3脂肪酸を豊富に含むエサを与えたところ、卵母細胞(卵子のもとになる細胞)の質を改善させられたという結果があります。(6)海外では血中のオメガ3脂肪酸の濃度が高い女性ほど、妊娠の可能性が高くなったという報告もあることから、妊活中の女性はオメガ3脂肪酸を積極的に摂取するのもよいでしょう。(7)

 

男性が積極的に摂取したい栄養素・成分

栄養素
多く含む食品(2)
亜鉛
・牡蠣
・牛肉
・レバー
マカ
・マカのサプリメント
ビタミンE
・アーモンド
・ヘーゼルナッツ
・うなぎ
・アボカド
・ひまわり油
葉酸
・レバー
・ブロッコリー
・ほうれん草
・枝豆
オメガ3脂肪酸
・えごま油
・くるみ
・青魚(サバ・アジ・イワシなど)
・マグロ
・サケ

 

亜鉛

亜鉛は精子の運動率向上や、精子量増加をサポートします。また、亜鉛は細胞分裂に関与する栄養素のため、男性が亜鉛不足になると精子形成不全になると言われています。妊活中の男性は亜鉛が不足しないよう、積極的に取り入れましょう。
 

マカ

マカは栄養素ではなく、南米に自生する植物です。昔から滋養強壮のために食されてきたこともあり、男性機能の維持に役立つと考えられています。マカを食事に取り入れるのは難しいため、サプリメント等で摂取するとよいでしょう。
 

ビタミンE

強い抗酸化作用を持つビタミンEは、酸化ストレスによる精子の質の低下を防ぐと言われています。ビタミンE、ビタミンC、コエンザイムQ10を処方したところ、精子の運動率や直線率が向上したとの報告もあります。(8)
 

葉酸

葉酸は女性の妊活・妊娠に役立つ栄養素というイメージが強いのですが、実は男性のコンディション維持にも役立つことが分かっています。また、細胞合成に関与する栄養素なので、健康的な精子の生産にも役立ちます。
 

オメガ3脂肪酸

精子細胞に多く含まれるDHAはオメガ3脂肪酸の一種です。継続してDHAを食事に取り入れたところ、精子の質が改善したとの報告もあります。(9)
 

妊活におすすめの食事とレシピ

ここでは、妊活におすすめの食事とレシピを紹介します。
 

サバとブロッコリーのアヒージョ風

サバにはオメガ3脂肪酸(DHA.EPA)が多く含まれており、ブロッコリーには葉酸が含まれています。サバ缶はオメガ3脂肪酸の量も変わらず、手軽に食べられるのでおすすめです。

 

[材料(2人分)]

  • サバ缶:1缶
  • ブロッコリー:100g
  • マッシュルームまたはエリンギ:50g
  • オリーブオイル:適量
  • にんにく:1片
  • 鷹の爪:1本
  • 塩:適量
 

[作り方]

ー下準備ー

・にんにくは皮を取り除き、潰しておく。

・鷹の爪は種を取り除く。

・マッシュルームまたはエリンギは食べやすい大きさにカットする。

 

1.ブロッコリーは小房に分け、ラップに包み電子レンジ(600W)で約2分加熱する。

2.フライパンやスキレットに材料をすべて加え、弱火で5分ほど煮込んで完成。

 

レバーとアーモンドのソテー

レバーは亜鉛や葉酸、鉄分を多く含む、妊活中にぴったりな食べ物です。そこにビタミンEの多いアーモンドを合わせて、栄養素+食感を加えました。豚レバーがおすすめですが、お好みで鶏レバーに変えても美味しく作れます。

ただし、注意点として妊娠中のレバーの過剰摂取は胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため、妊娠が分かったら頻繁に食べるのは避けた方がよいでしょう。

 

[材料(2人分)]

  • レバー:150g
  • アーモンド:30g
  • にんにく:1片
  • しょうが:1片
  • 小麦粉:適量
  • 牛乳:適量(臭み取り用)
  • 焼肉のたれ:大さじ3
  • 油:適量
 

[作り方]

ー下準備ー

・レバーは血の塊を取り除き、牛乳に10分漬けて臭みをとる。

・にんにくとしょうがはみじん切りにする。

・アーモンドは粗く刻む。

 

1.臭みを取ったレバーをよく水で洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取る。豚レバーは薄くスライス、鶏レバーは半分くらいの大きさにカットする。レバーに小麦粉を薄くまぶす。

2.油をひいたフライパンを中火で熱し、にんにくとしょうがの香りが立つまで炒める。そこに1を加えて5分程度炒める。

3.アーモンドを加えてから焼肉のたれを回しかけ、全体にからませる。

 

妊活に適さない食事

妊活中はできるだけ避けたほうがよい食事もあります。

  • 大量の飲酒

  • 生もの(刺身、生肉など)

  • 大量のカフェイン飲料

アルコールを大量に飲むと、妊娠率が低下するとの報告があります。アメリカでは缶ビールや酎ハイは1日1000ml以上飲むと、不妊症の確率が高くなると言われていますが、人によってアルコールの代謝能力は異なるため、缶ビールを1000ml以下にすればいいというわけではありません。また、妊活中のアルコールは禁忌ではないため、適量の飲酒であれば問題はないと言えるでしょう。

 

刺身や生肉は食中毒のリスクが高まるため、妊活中はおすすめできません。もし妊娠している場合、食中毒菌により胎児にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるからです。

 

大量のカフェイン飲料の摂取も控えたほうがよいでしょう。大量にカフェインを摂取すると利尿作用により、葉酸など水溶性ビタミンが失われてしまうからです。コーヒーや紅茶は1日1~2杯程度に留め、エナジードリンクは避けることをおすすめします。

 

まとめ

妊活中は男女ともにバランスの取れた食生活と、規則正しい生活が重要です。心身共にストレスが多い状況だと体内のバランスが崩れ、妊娠しづらい状況を作ってしまいます。ただし、食事を整えれば必ず妊娠できるわけではありません。妊娠にはさまざまな要因が絡んでいるため、家庭での妊活がうまく行かなければ、早めに医療機関を受診することをおすすめします。