「夕方になると画面が見えにくい」「目がショボショボして重たい」と感じることはありませんか? そんな現代人の「見る健康」を支える果実として、古くから愛用されているのが「ビルベリー」です。見た目はブルーベリーにそっくりですが、実は別の植物で、栄養価や効果にも大きな違いがあリます。
ビルベリーには目の健康に役立つ「アントシアニン」の含有量が多いため近年注目を集めており、健康食品やサプリメントに用いられています。
この記事では、北欧の森が育んだビルベリーの基礎知識から注目の栄養素、大人の目の悩みへの効果、そしてブルーベリーとの違いまで、最新の研究も交えながらわかりやすく解説します。
ビルベリーの基本情報
ビルベリーってどんな果実
ビルベリー(英名:Bilberry、学名:Vaccinium Myrtillus L.)は、北欧、アジア、北米、そしてカナダ原産の野生種植物です。最初は北欧に生育している低木で発見され、後に北米やアジアの一部地域でも見られるようになりました(1)。
ブルーベリーよりも小さな青紫色の果実(約7 ㎜)を作る植物で、ツツジ科スノキ属の中でも主にVaccinium myrtillus L.という学名を持つ種を指して用いられる言葉です(2)。ビルベリーはブルーベリーの近縁種で、野生な植物です。
別名
ホワートルベリー(whortleberry)、ヨーロッパブルーベリー(European blueberry)、ウィンベリー、ブレーベリー
使用
ビルベリーは食用可能で、その実は主にジャムやジュース、お酒などへ加工されて長年親しまれてきました。歴史的に、ビルベリーは薬用植物として使用されており、下痢、口の炎症、夜間の視力を維持するために使用されてきました。(3)
ビルベリーの栄養素
ビルベリーにはさまざまな栄養素が含まれており、特にベリー類の中でも最も豊富にアントシアニンが含まれることが良く知られているため、近年ビルベリーは健康食品やサプリメントとしても広く流通しています。
ビルベリーの栄養素リスト
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アントシアニン
乾燥のビルベリー100gあたり:1,514.8mg 【ブルーベリーの約3倍】 -
ビタミンC
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ビタミンE
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食物繊維
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ポリフェノール
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ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)
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フラボノイド
ヨーロッパでは、欧州医薬品庁により、ビルベリーのエキスが薬用植物として認められています(5)。
ビルベリーに豊富に含まれるアントシアニンとは?
ビルベリーには、5種類のアントシアニジンがそれぞれ3種類の糖と結びついて、合計15種類のアントシアニンが含まれています。
アントシアニンは、自然界に広く存在する水溶性の天然色素で、古くから天然着色料として食品に利用されてきた歴史があり、pHや温度、酸素濃度などさまざまな条件によってその色が変化するため、長らく研究されてきました(8)。

また、アントシアニンは着色料としての利用と同時に、非常に強力な抗酸化作用を持つ生理活性物質であることが知られて(6)、多くの研究がされてきました。
アントシアニンはフラボノイドというグループに属する色素で、カロテノイドであるルテインが青色光を吸収するのと同様、アントシアニンは紫外線を吸収することでビルベリーの身を守っていると考えられています。
ビルベリーの働き1. 目の機能
ビルベリーには豊富な栄養素が含まれており、特に優れた量のアントシアニンを含んでいるため、VDT作業(Visual Display Terminal)やデジタルデバイスをよく使用し、ブルーライトにさらされていることによる目の疲れや潤い不足など、目の機能を改善するが報告されています。その中、一番ビルベリーに期待されている効果は、「目の潤い」や「ピント調整」をサポートし、さらに「目の疲れの軽減」をすることです。
ビルベリーの目の機能への効果が注目を集め始めたきっかけは、第二次世界大戦まで遡るとされています。
当時ビルベリージャムを摂取していたあるイギリス空軍パイロットが「夜間飛行の際に周りが見えやすかった」という逸話が広まり、その効能を確かめるためにビルベリーが研究対象として注目を集めたとされています(4)。
この話の真偽は定かではありませんが、その後の研究によって、ビルベリーが持つ豊富な効能が次第に明らかになりました。
ビルベリーに豊富に含まれているアントシアニンが目の健康に与える影響が多くの研究で確認されており、特に目の機能改善やピント調整、さらには目の重さのケアに対する効果があることが示されています。
1. 目の機能をサポートする作用
ビルベリーの効能の中でも目の機能への影響については、最も研究で注目を集めてきたもののひとつです。
これまで、細胞や動物を使った実験で効果がある可能性が示されてきました。さらに近年では、長時間パソコンやスマートフォンなどの画面を見る人を対象にした研究が行われ、ビルベリーエキスが視力の低下を防ぐのに役立つことが示唆されました(11)。
2. ピント調節のサポート
ビルベリー特有のアントシアニンには、この凝り固まった筋肉をほぐし、血流を整える働きがあるとされています。
近年の研究では、109人の健康な成人がビルベリーエキス群かプラセボ群に割り当てられ、1日1回240mgを12週間摂取しながらディスプレイ端末のタスクをこなし、目のピント調節機能に関わる毛様体筋という目の筋肉の緊張度を評価されました。
その結果、8週間経過時点でビルベリーエキス摂取群の毛様体筋の緊張度がプラセボ群に比べ大幅に低くなり、12週間経過後も統計的に有意に緊張が改善されていました。
夕方の「ぼやけ」や「疲れ」を感じる方にとって、頼もしいサポート役となります。
3.目の潤いと涙の分泌にサポート
最近の研究によると、ビルベリーエキスの摂取が「涙の分泌」を助け、目の潤いを保つ効果が期待されています。涙は目の表面を守る重要なバリアであり、涙の量や質が安定することで、乾燥による不快感を軽減し、はっきりとした視界の維持に役立つと考えられています。
4.目の疲れの軽減
また、同様にディスプレイ端末の長時間の使用に対する影響を、目の疲労の主観的・客観的評価で調べる別のヒトを対象とした研究でも、その効能を示唆する報告がされています(11)。
この研究では88人が参加し、1日480mgのビルベリーエキスを8週間にわたり摂取したグループと、何も入っていないプラセボを摂取したグループに分けて比較しました。
ビルベリーを摂取したグループでは、ディスプレイ作業後の視力検査での成績が良くなり、目の重さや疲れなどの自覚症状も軽減されたという結果になりました。
長らく注目を集めていたビルベリーの目への効能は、近年、ヒトを対象とした試験によって、より強く示唆されています。また、これらのヒトを対象とした研究では有害事象は報告されておらず、ビルベリーの安全性も示唆されています。
ビルベリーの働き2. 心血管とめぐり
アントシアニンが持つ強力な抗酸化作用により、めぐりの保護作用も期待されています。ビルベリーは目の機能をサポートする効能から注目を集めましたが、その後の研究により、めぐりや健康維持をサポートする効能も示唆されており、欧州医薬品庁のレビューでも裏付けられています(12)。
2019年に報告された近年のヒトを対象とした研究では、めぐりに関する悩みをお持つ方にビルベリー粉末を食事と併せて1日40 g(ビルベリー480 g相当)摂取してもらったところ、活動的な日常生活をサポートするというポジティブな結果を得ました(12)。
また、同研究の解析により、健康リスクの指標とされる体内物質(MVs)の数値において、ビルベリー摂取群で良好な結果が確認されました。ビルベリー摂取が心血管疾患のリスク改善に寄与することが期待されています(14)。
ビルベリーとブルーベリーとの違い
ビルベリーはブルーベリーの近縁種です。ビルベリーとブルーベリーは非常に似ていますが、一般的に「ブルーベリー」は北米原産であるのに対し、「ビルベリー」は北欧原産の酸性土壌で育つ種類を指すため、違う植物であると考えられています(3)。
ブルーベリーはビルベリーよりも大きく、色は比較的明るい青紫色で、甘みが強いのが特徴です。
ビルベリーとブルーベリーの違いは主に以下の点です:
外見

ビルベリーはブルーベリーよりも小粒で、皮から果肉の中心まで全体が濃い紫色をしています。
一方、ブルーベリーは比較的大きく、皮は明るめの青紫色で、果肉の中心は白いのが特徴です。
用途
ビルベリーは、主に目の健康をサポートするためのサプリメントや食品に使用されることが多いです。ブルーベリーは、フレッシュな果実やジャム、ジュース、スムージーなど、幅広い料理に使われます。
味
ビルベリーは、ブルーベリーに比べて酸味が強く、少し渋みを感じることが多いです。ブルーベリーは甘味が強く、フレッシュな食感が特徴です。
アントシアニン含有量の違い
ブルーベリーとビルベリー両方もアントシアニンを含めております。
しかし、乾燥のビルベリーのアントシアニン含有量はブルーベリーよりも3倍くらい多く含んでおり、特にショボショボや重たい感じのケアが期待されています。
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乾燥100gビルベリーのアントシアニン含有量:1,515mg
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乾燥100gブルーベリーのアントシアニン含有量:468mg
ビルベリーとブルーベリーとの違いまとめ
| 項目 | ビルベリー | ブルーベリー |
| 大きさ | 小さい | 比較的大きい |
| 色 | 濃い紫色 | 明るい青紫色 |
| 用途 | 主に目の健康サポート用サプリメントや食品 | フレッシュ果実、ジャム、ジュース、スムージーなど様々な料理に使用 |
| 味 | 酸味が強く、少し渋みがある | 甘みが強く、フレッシュな食感 |
| 原産地 | 北欧 | 北米 |
| アントシアニン 含有量 |
乾燥100gあたり1,515mg(ブルーベリーの約3倍) | 乾燥100gあたり468mg |
ビルベリーサプリメントのおすすめの選び方
ビルベリーはアントシアニンを豊富に含みますが、実はビルベリーサプリメントは、製品によってそのアントシアニン含有量にバラツキがあることが知られています(2)。
そのため、アントシアニンの含有量に着目して製品を選ぶことが有効的と考えられます。