「血流を良くしたい」
「なぜ血流が悪くなるの?」
「血流が良くなる食べ物を知りたい」
と悩んでいる人もいるでしょう。
血液がサラサラの状態がいいと聞いたことがあるかもしれません。血液がサラサラの状態とは、余分な中性脂肪やコレステロールがなく、滞りなく酸素や栄養を運搬できる状態です。しかし血液がドロドロになってしまうと、さまざまな生活習慣病の原因になります。やがて血栓ができ、心筋梗塞や脳卒中を引き起こし、命の危険性も高くなるのです。
記事を読むと、血液をサラサラにする方法がわかり、健康的な生活を送るヒントがわかるでしょう。ぜひ最後まで読んでください。
血液がドロドロになる原因
血液がドロドロの状態とは、血管が硬くなり、血流が悪くなっている状態です。血中の中性脂肪や悪玉コレステロールが多くなっているのが原因の一つです。悪玉コレステロールが増えると酸化され、血管壁を傷つけてしまいます。それを治そうとマクロファージが活性化され血管壁に溜まるため、血管壁を厚くなり、血管が狭くなります。そして血管の通り道が狭くなり、血流がドロドロになってしまうのです。
中性脂肪や悪玉コレステロールが増え、血流がドロドロになるのは、食生活や生活習慣、遺伝、ストレスと大きく関わります。
食生活の影響
普段の食生活は血管の状態に影響します。以下の食べ物を食べ過ぎていないか確認しましょう。
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糖質や脂質の多い食べ物
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ファーストフードやインスタント食品、菓子類などの加工食品
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甘い清涼飲料水
上記の食品を食べ過ぎると、肥満になりやすく、血中に中性脂肪やコレステロールが増え、血液がドロドロになります。偏った食事が血液をドロドロにさせる原因につながります。
生活習慣の影響
運動不足や睡眠不足、喫煙による生活習慣が、血液をドロドロにさせてしまいます。
生活習慣に運動を取り入れることで、身体を動かす筋肉がポンプの作用を果たし、血行が促進されます。運動は生活習慣病の改善に効果的です。運動が苦手な人は、まずはウォーキングやストレッチ、ヨガなど軽い有酸素運動から始めるといいでしょう。
睡眠不足が続くと血管に影響します。特に質の良い睡眠は、睡眠は細胞の再生や血管の健康維持に役立ちます。良質な睡眠をとるためには、就寝2時間前までに食事を済ませたり、寝る前にはスマホを触らないようにしたり、ストレッチをしたりすることです。
喫煙すると、赤血球の酸欠状態を作り、体内の酸素を循環しづらくなります。また血管壁にコレステロールが付着しやすくなり、動脈硬化の原因につながります。血管の健康状態を保つために禁煙しましょう。
遺伝やストレス
生活習慣に気をつけていても、動脈硬化になりやすい人となりにくい人がいます。これが遺伝によるものであり、個人差が現れます。また「家族性高コレステロール血症」は遺伝によるもので、若いうちから血液がドロドロになり、動脈硬化や心筋梗塞が起こりやすくなる病気です。家族に心筋梗塞や動脈硬化を発症している人は、早めに受診して適切な治療を受けることが大切です。
過度なストレスを受けると、自律神経を乱し、血管を収縮させ、血液をドロドロにさせます。交感神経が優位に働き、アドレナリンが過剰に分泌され、血管を収縮していくからです。ストレス解消のために、休養や適度な気分転換をとることが大切です。(1)(2)
血液がドロドロにつながる健康リスク
悪玉コレステロールが増加し、血液がドロドロになると、以下の健康リスクにつながることがあります。
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心臓病
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脳卒中
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末梢循環障害
心臓病
心臓病とは、心臓の構造や機能に異常が生じ、血液を全身に送り出す働きがうまくいかなくなる病気の総称です。特に血液がドロドロの状態でリスクがある心臓病は冠動脈疾患(虚血性心疾患)と呼ばれ、狭心症や心筋梗塞、虚血性心不全などがあります。いずれも動脈硬化が原因で起こる病気です。
心臓には冠動脈という、心臓に必要な栄養が流れる血管があります。狭心症は冠動脈の動脈硬化が進んで、血管が狭くなり、心筋に必要な血液が不足して胸が痛くなる病気です。心筋梗塞は、冠動脈の動脈硬化に加えて血栓ができ、血栓がつまって心筋に血流が届かなくなる病気です。心筋梗塞によって血液がいかなくなると、心筋が壊死してしまい、心臓が正常に収縮と拡張ができなくなるため、命の危険な状態になります。(3)(4)
脳卒中
脳卒中とは、脳の血流障害による病気です。動脈硬化が進行すると、脳の血管がつまったり破れたりします。
脳卒中には3つに分かれ、血管が詰つまる脳梗塞と、血管が破れる脳出血とくも膜下出血があります。いずれも、麻痺や意識障害などの後遺症が残る可能性があり、今度の生活に支障をきたしてしまうので、動脈硬化を防ぐことが大切です。(5)(6)
末梢循環障害
末梢循環障害とは、手足の血管に動脈硬化が起こることで発症します。心臓に起こる障害ではありませんが、心臓血管系全体の健康状態に関係している障害です。今後、心臓のポンプ機能や全身の循環に影響を与える可能性があります。
末梢循環障害がある場合、手足だけでなく全身の健康管理が必要です。心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの重大な血管障害のリスクが高くなります。
血液サラサラ効果のある食べ物と栄養素
血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減少させるためには、以下の栄養素と食べ物を摂取することが大切です。
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DHAとEPA:青魚
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ナットウキナーゼ:納豆
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ビタミンE、ビタミンC:野菜、果物とナッツ
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ポリフェノール:紅茶や緑茶
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アリシン:玉ねぎ
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クエン酸:酢
DHAとEPA:青魚
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、青魚に含まれる不飽和脂肪酸の一つです。
DHAは主に血管の弾力性を高めたり、赤血球の柔軟性を高めたりする効果あると言われています。EPAは、血中の中性脂肪を減少させ、血栓を作りにくくして、血流を良くする効果があると言われています。
DHAとEPAを多く含む食べ物は、サバやイワシ、サンマなどの青魚です。DHAとEPAは酸化しやすいため、新鮮なうちに加工された缶詰で食べることをおすすめします。
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ナットウキナーゼ:納豆
納豆に含まれるナットウキナーゼは、血栓を溶かし、血液をサラサラにする効果に期待できます。ナットウキナーゼはタンパク質分解酵素です。大豆に納豆菌を加えて発酵されるときに、ナットウキナーゼが生成されます。
ビタミンE、ビタミンC:野菜、果物とナッツ
ビタミンEとビタミンCは抗酸化作用を持ち、動脈硬化の予防に期待できます。ビタミンEは、主に血管を拡張させたり、赤血球を正常に変形させる働きを持ち、血流改善に期待できる栄養素です。主に、かぼちゃやアスパラガス、サケ、サバ、ナッツ類に多く含まれています。
ビタミンCはビタミンEの作用を活性化させる栄養素です。抗酸化作用と美肌作用、動脈硬化予防にも期待できます。主にいちごやオレンジ、キウイフルーツ、レモン、さつまいも、小松菜、ピーマンに含まれています。
ポリフェノール:紅茶や綠茶
ポリフェノールは、抗酸化作用を持ち、動脈硬化予防に期待できる栄養素です。血中の悪玉コレステロールの酸化を防ぐ働きを持ちます。ポリフェノールは緑茶や紅茶、赤ワイン、ココアに多く含まれています。
緑茶や赤ワインはポリフェノールのほかに、タンニンやカテキンが含まれており、どちらも抗酸化作用を持つ栄養素です。カテキンは、脂質の蓄積を抑制させる働きがあるため、血管の柔軟性維持に期待できます。赤ワインはアルコールを含むため、1日グラス2杯を適量としましょう。
ココアもカロリーが高い飲み物であるため、砂糖を入れて甘くしないようにしてください。
アリシン:玉ねぎ
アリシンは、血中の悪玉コレステロール上昇を防ぎ、血液凝固を抑え、血流改善に効果に期待できる栄養素です。主に玉ねぎやにんにくに多く含まれています。
アリシンを効率良く吸収するには、生の玉ねぎを薄くスライスして食べるか、すりおろしするか、細かくみじん切りすることです。また水に溶け出しやすいため、水にさらす場合は短時間にしましょう。
クエン酸:酢
クエン酸は、疲労回復を促したり、血液凝固を抑えたりする効果に期待できます。クエン酸が多く含まれる食品は酢や梅干し、柑橘類です。
酢を摂取することで血圧が下がることが報告されています。血管の流れと弾力性は非常に関係しています。血管が細くなり、動脈硬化が進むと、血管の弾力性がなくなったり血流が悪くなったりするので、血圧が上がってしまうのです。そこで酢に含まれるクエン酸を取り入れ、血液の流れを良くして、血管の弾力性を戻し、血圧が下がるのに期待できます。(7)
血液サラサラを保つためのサプリメント
血液のサラサラを保つためには、上記を取り入れた生活習慣と食生活が大切です。しかし、仕事や家事に忙しい中、完璧な生活習慣を続けることは難しいでしょう。そこで補助的にサプリメントを活用することをおすすめします。
DHAやEPA、ナットウキナーゼなどの血液をサラサラにする働きを持つ栄養素を含んだサプリメントを選択します。ただし、各栄養素には1日の摂取目安量があり、過剰摂取はしないようにしてください。過剰に摂取してしまうと、健康に悪影響が出る可能性があります。
サプリメントを摂取する際は、医師や専門家に相談しましょう。すでに持病があったり、常時薬を飲んでいる人は飲み合わせを確認しておく必要があります。
血液サラサラを保つための生活習慣
血液をサラサラにするための方法を解説しました。
血液がドロドロになってしまう原因には、不規則に偏った食生活や運動不足、遺伝やストレスなどです。運動することで筋肉にポンプの役割が働くため、血行を促進させる効果に期待できます。軽い散歩やジョギングから始め、運動習慣をつけましょう。また、良質な睡眠をとり、適度に気分転換を図り、ストレスを溜めないようにしてください。
血液をサラサラにできる食べ物は、青魚や納豆、野菜、果物、緑茶、酢などです。
定期的に採血を行い、血中の悪玉コレステロールと中性脂肪を上がっていないか確認しましょう。動脈硬化にならないような、健康的な生活を送ってください。