成分ガイド

コンドロイチンとは?すり減りと関節への効果と効能を徹底解説

監修者 ダイケンバイオメディカル 公開日:2024-11-13 最終更新日:2024-11-18

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コンドロイチンとは?すり減りと関節への効果と効能を徹底解説

監修者ダイケンバイオメディカル 公開日:2024-11-13 最終更新日:2024-11-18

コンドロイチンは、多くの方が「関節に関係する栄養素」とイメージできるほど、高齢化社会である日本では特に広く浸透しています。コンドロイチン関連のサプリメントは非常に多く、日本では医薬品として厚生労働省に認められているものも多くあるほど、その効果は広く知られています。高齢者や関節に悩みを持つ方にコンドロイチンは人気ですが、どのような理由があるのでしょうか?

この記事では、そんなコンドロイチンの基本情報や、効能に関する研究報告を紹介するとともに、コンドロイチンに関するよくある疑問にもお答えして、皆さんのコンドロイチンの知識をより深めるサポートをします!

コンドロイチンとは?

コンドロイチンとコンドロイチン硫酸

コンドロイチンは、私たちヒトを含む多くの哺乳類の体の中で、特に皮膚や軟骨を維持するために、細胞同士の接着のサポートや水分保持などの重要な働きをする、糖分子が連なって構成されるムコ多糖という物質の一種です(1​)。日本では医薬品として使用することも多いほど、その効果は広く認識されています。

実は、一般的に「コンドロイチン」とパッケージに表記して日本で販売されるサプリメントの多くは、厳密には「コンドロイチン硫酸」という物質を指すことが多いです。ドラッグストアなどで販売されるコンドロイチン含有製品の成分一覧を見ていただくと、「コンドロイチン硫酸」という表記を見つけられるかと思います。

コンドロイチン硫酸は、コンドロイチンに硫酸の要素となる一部分(硫酸基)がついている、コンドロイチンの一種です。実際に私たちの体の中で活躍するのは「コンドロイチン硫酸」であることが広く知られています(2)。コンドロイチン硫酸は、化学薬品の硫酸とは全く別の物質であるため、私たちの体に元々含まれているように安全なものです。

この記事では簡単のために「コンドロイチン」と記載する場合や、研究報告を正確に説明するために「コンドロイチン硫酸」と詳細に記載する場合がそれぞれ出てきますが、どちらも皆さんがよく知るコンドロイチンを指すものと認識していただいて問題ありません。

 

コンドロイチンの人気の理由

高齢化社会であり、多くの移動手段を利用できる国でもある日本では、加齢や運動不足による関節の悩みを抱えている人が多いということが、コンドロイチンが人気の理由のひとつです。

加齢や肥満、筋力低下がリスク要因となる代表的な関節の疾患である「変形性関節症」は、軟骨の摩耗や喪失により痛みや関節機能障害を伴う疾患で、日本では50歳以上の1000万人が変形性膝関節症による膝痛を経験しているとされています(3)

多くの研究により、コンドロイチンが軟骨の健康維持に役立つ可能性があることが示唆されているため、このような悩みを持つ方々にコンドロイチンが人気となると考えられます。

また、コンドロイチンは加齢と共に体内合成能力が低下することも、コンドロイチンが人気となる理由であると考えられます。高齢になると、軟骨を形成するコンドロイチン硫酸量が少なくなり、軟骨の厚さが薄くなることが報告されています(4)。また、全身を巡る血液に含まれるコンドロイチン硫酸量も、年齢が高くなるほど少なくなることが報告されています(5)

このような加齢に伴うコンドロイチン不足を補う目的も、コンドロイチンが人気の理由のひとつと考えられます。

 

コンドロイチンと軟骨の関係と働き

私たちの関節は、軟骨が骨と骨の間でクッションのような役割を果たすことで、滑らかに動きます。この軟骨は、コラーゲンの周りに、コンドロイチンやヒアルロン酸などの成分が絡みつくことで形成されています(6)

そのため、コンドロイチンは軟骨の弾力性や潤滑性を維持するために不可欠な成分です。

 

膝や腰、肩などの関節が痛む原因のひとつは軟骨のすり減り

関節が痛む原因と軟骨の関係性については、非常に多くの研究が行われてきました。軟骨の形成が損なわれて摩耗すると、痛みや可動域の制限などを伴う変形性関節症を引き起こすことが知られています(3)

また変形性関節症は、高齢者に限った疾患ではなく、遺伝や外傷、肥満などさまざまな要因により軟骨がすり減ることで、若年層でも発症する可能性があるため、多くの人が関わる可能性のある一般的な疾患です(7)

 

グルコサミンとコンドロイチンの相乗効果

コンドロイチン(コンドロイチン硫酸)と併せて関節を保護する、軟骨に重要な成分に、グルコサミンがあります。

グルコサミンは、アミノ糖の一種で、ブドウ糖としてよく知られるグルコースの一部が、アミノ基に置き換えられた構造を持つ小さな糖です(8)。グルコサミンは、コンドロイチンやヒアルロン酸、糖タンパク質などの大きな糖分子を作る素材となる重要な物質です。

私たちの関節の保護においては、軟骨を形成するコンドロイチンなどの材料となり、軟骨の消耗を防ぐ役割を果たしていると考えられています(9)

グルコサミンはコンドロイチンの素となり、コンドロイチンの保水力を支えることから、その相乗効果が期待され、多くの研究で実際に効能を示唆する結果が報告されています。

<グルコサミンの効果は>
1.【グルコサミン完全ガイド】グルコサミンの効果は?摂取する前に知っておくべき基本知識

 

コンドロイチンの効果

この項目では、実際にコンドロイチン(コンドロイチン硫酸)を摂取することによる効能を調べた研究報告をご紹介します。

 

関節の健康をサポート

コンドロイチン硫酸の最も注目を集める効能は、やはり関節保護の作用です。

2022年に報告された、過去に実施された8つの研究で得られた膨大なデータを解析する「メタ分析」研究では、計3,793人の膝関節炎を持つ患者に対する治療効果が比較されました(10)

1,067人のグルコサミン硫酸+コンドロイチン硫酸治療グループと、その他の治療を受けた残りのグループとの間で、関節炎の評価指標を比較した結果、グルコサミン硫酸+コンドロイチン硫酸治療グループで有意に炎症が改善されたという解析結果が報告されています。

また、コンドロイチン硫酸を単独で摂取した場合でも、プラセボと比較して有意に変形性膝関節症の進行を遅らせたことが報告されており、コンドロイチン硫酸の変形性関節症への有効性が示唆されています(11)

 

アンチエイジング、ドライアイなどの関節以外への効能

コンドロイチン硫酸の効能は、関節以外の部位でも示唆されています。

コンドロイチン硫酸を用いた点眼液をドライアイ患者に使用してもらった研究では、一般に流通している点眼薬と同等に、コンドロイチン硫酸がドライアイの症状を緩和したという結果が報告されています(12)

また、コンドロイチン硫酸は皮膚組織を支える働きもすることから、アンチエイジングにおける効能についても研究されてきました。

ヒトの表皮の90%ほどを構成するケラチノサイトと、ヒトの真皮を構成する線維芽細胞を用いた皮膚モデルを用いて、コンドロイチン硫酸が皮膚細胞の増殖を促す効能があるかを調べた研究では、コンドロイチン硫酸が皮膚モデルの傷の再生を促した結果が報告されています(13)。コンドロイチン硫酸は、アンチエイジングにおいても有効であることが示唆されています。

 

コンドロイチンを摂れる食べ物は?

コンドロイチンが豊富な食べ物の特徴は、同じ軟骨を形成する成分でもあるコラーゲンを豊富に含む食べ物と共通していると言えます。例えば、コンドロイチンはフカヒレや鶏皮、牛や豚の軟骨などの食べ物に豊富に含まれています。

 

コンドロイチンの使用を推奨する方

コンドロイチンの使用が推奨される方を具体的に挙げると、次のようになります。

  • すり減りに気になる方

  • 関節痛が気になる方

  • ドライアイが気になる方

  • アンチエイジングが気になる方

多くの研究報告から、これらに当てはまる方はコンドロイチン含有のサプリメントの摂取が有効的だと考えられます。

 

コンドロイチンでアクティブライフを

コンドロイチンに関する研究報告の内容からも、コンドロイチンの補充に体の健康をサポートする効果が期待できることが示唆されています。良い運動習慣とバランスの良い食事をするとともに、適切な場合にサプリメントの使用をすることもおすすめできます。

ただし、関節痛が続いている場合は、まず医療機関を受診してください。コンドロイチンを用いたサプリメントを選ぶだけではなく、状況に応じた適切な方法を選ぶことも非常に重要です。

 

<他のアクティブライフにサポート成分>

1.MSM(メチルスルホニルメタン)の効果は?MSMが皮膚や関節を健康に保つ?活力の維持にも役立つ

2.【グルコサミン完全ガイド】グルコサミンの効果は?摂取する前に知っておくべき基本知識

 

よくある質問

コンドロイチンとグルコサミンとは何が違うの?

「グルコサミンとコンドロイチンの相乗効果」でも少し説明しましたが、グルコサミンはコンドロイチンの素となるアミノ糖です。

コンドロイチンとグルコサミンの違いをまとめると、次の表のようになります。

 

表1. コンドロイチンとグルコサミンの違い

 

コンドロイチン

グルコサミン

分類

ムコ多糖

アミノ糖

全般的な役割

保水力、細胞接着や栄養輸送のサポート

多糖(ムコ多糖含む)の素材

関節での役割

保水力によるクッション性の維持

軟骨を形成するコンドロイチン​の供給


 

コンドロイチンをどれくらい飲めば効果を実感できますか?

コンドロイチンをどれくらい飲めば効果を実感できるかは、人それぞれの代謝機能に左右されることもあり、一概に言うことが難しいです。

参考としては、2週間〜3年とさまざまな長さで行われた多くの研究のデータを分析した研究では、6ヶ月以内のコンドロイチン摂取による効能を調べた研究で、プラセボに比べて変形性関節症の痛みが有意に緩和されたと報告されています(14)

コンドロイチンの効能は多くの研究により支持されていますが、即効性を期待するよりも、健康的な生活の中にサプリメントの摂取を取り入れて長期的に利用することをおすすめします。