成分ガイド

ルテインの効果とは?効果的な摂取方法や注意点を解説!

監修者 和田 伊織 医師 公開日:2024-04-19 最終更新日:2024-08-09

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ルテインの効果とは?効果的な摂取方法や注意点を解説!

監修者和田 伊織 医師 公開日:2024-04-19 最終更新日:2024-08-09

ルテインについてご存じでしょうか?ルテインは目の水晶体や網膜に含まれる物質で、黄色の色素であるルテインは有害なブルーライトを吸収したり、強い抗酸化力により網膜を保護していると考えられています。また、皮膚を紫外線から保護する役割も担っており、健康維持に欠かせません。

この記事では、ルテインの種類や効果について解説し、効果的な摂取方法と注意点を紹介します。目の機能を維持したい、皮膚を健康に保ちたいと思っている方はぜひご覧ください。

ルテインとは

ルテインは目の水晶体や網膜、特に黄斑部に多く存在している物質で、強い抗酸化作用を持つ黄色の天然色素です(1)。野菜や果物にも含まれており、目や皮膚を光ダメージから保護する役割があります。そのため、白内障や緑内障など加齢による酸化ストレスが原因の目の病気を予防したり、綺麗な肌を保つ効果があります。

 

人がルテインを自己生成するのは困難であり、食品から摂取しなければいけません。そのため、ルテインが含まれる食べ物やサプリメントを活用し、効率的に摂取しましょう。
 

ルテインは2種類存在

ルテインには、フリー体ルテインとエステル化型ルテインの2種類があります。それぞれ異なる特徴があるので、以下で解説します。

フリー体ルテイン

フリー体ルテインは、体内の目や網膜に存在しているルテインです。網膜の黄斑部に特に存在し、有害なブルーライトに対するフィルターとしての働きや、強い抗酸化作用により視覚機能の維持に欠かせません。食べ物では吸収効率が良くないエステル化型ルテインとして存在するため、フリー体ルテインを効率よく摂取する場合は、サプリメントから摂取する必要があります。分子量が小さいため、吸収率が高く迅速な栄養補給が可能です(8)
 

エステル化型ルテイン

エステル化型ルテインは、植物など自然界に存在しており、フリー体ルテインに脂肪酸が結合したルテインです。人が摂取した場合には、体内の消化酵素が脂肪酸を除去し、最終的にフリー体ルテインとして体内に吸収されます。このような過程を挟むため、フリー体ルテインよりも吸収効率は良くありません(8)

 

ルテインの健康に対する効果

ルテインには抗酸化作用があり、特に光や加齢に伴う酸化ストレスから目や皮膚を守ります。そのため、目や皮膚の健康を保つ効果が期待できます。詳しくは以下で解説します。

目の健康を保つ

ルテインは、ブルーライトを吸収することで目への光ダメージを抑制します。日常において、目はさまざまな光の情報を受け取るため、ダメージを受けやすい部位になります。特に現代では、スマホやパソコンの画面を見ることでブルーライトに曝露されやすくなります。しかし、ルテインを十分に摂取することで、フィルターとして働き、目の健康を保つことが可能です。

 

また、強力な抗酸化作用は加齢黄斑変性症の予防に貢献するとされています(1)(2)。さらに、加齢に伴うコントラスト感度の改善や白内障リスクの低下にも効果があると考えられています(3)。

ルテインが含まれる野菜や果物、サプリメントを摂取して、眼疾患のリスクを抑えましょう。

 

皮膚の健康を保つ

ルテインは紫外線から皮膚を保護する作用があります。皮膚が紫外線を浴びると活性酸素が発生し、細胞老化の原因となります。皮膚に含まれているルテインは、抗酸化作用を発揮し、光ダメージから皮膚を保護するために働きます。ルテインを摂取することで、皮膚の水分量や弾力性、紫外線に対する防御活性を高め、光ダメージから皮膚を保護することができるのです(3)(4)(5)。
 

ルテインの摂取がおすすめな人

ルテインは以下の人におすすめです。

  • スマホやパソコン(ブルーライト)をよく見る人

  • スマホやPCを長時間使用する学生

  • 屋外で仕事や運動をすることが多い人

  • 高齢者

 

ブルーライトや紫外線をよく浴びる人や目を酷使している人、高齢で目の組織が老化してきている人におすすめです。ルテインの摂取は目や皮膚の健康を保ち、疾患を予防することにつながります。
 

ルテインが含まれる野菜と摂取目安量

野菜のルテイン含有量を表で紹介します。(数値は100 g中に含まれる量)

 
 

含有量

ケール

21.9 mg

モロヘイヤ

13.6 mg

ヨモギ

11.3 mg

パセリ

10.0 mg

バジル

8.1 mg

小松菜

7.6 mg

エンドウ豆

5.4 mg

ほうれん草

4.5 mg

参考文献 Mangels AR et al., J. Am.Diet. Assoc., 1993、Quantitation of Carotenoids in Commonly Consumed Vegetables in Japan

 

ルテインの1日あたりの摂取量は、6-10 mgが有効とされています(5)。しかし、日本人の摂取量は少なく、また電子機器の発達に伴いブルーライトを浴びる機会が増加したため、より十分な摂取が望まれます。また、食品に含まれるルテインはエステル化型ルテインであり、吸収効率がよくないため、食物に含まれる量と実際の吸収量はやや異なるでしょう。
 

ルテインの効果的な摂取方法

ルテインを効率的に吸収するためには「ルテインが含まれる野菜を油を使って調理する」「食後にサプリメントを摂取する」という主に2つの方法があります。それぞれ以下で解説します。
 

ルテインが多く含まれる野菜を油で調理する

ルテインは脂溶性ビタミンであり、油と一緒に調理すると吸収率が高まります。さらに、食事中に脂質を摂取すると胆汁が分泌され、ルテインの吸収効率を高めます。特に、魚や植物油に含まれる不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸は、ルテインを効果的に吸収することが可能です。

 

食後にルテインサプリメントを摂取する

ルテインのサプリメントを摂取する際は、食後に摂取すると吸収効率が高まります。これは食事中の油脂が胆汁分泌を促進し、ルテインの吸収率を高めるためです。ルテインが含まれる野菜を毎日摂取するのは難しいという方は、サプリメントが手軽に購入できるためおすすめです。
 

サプリメントに含まれるルテインについて

サプリメントに含まれるルテインは、前述したようにフリー体ルテインとエステル化型ルテインがあります。フリー体ルテインは分子量が小さいため吸収効率が高い一方、エステル化型ルテインは脂肪酸が結合しており吸収の過程で消化酵素が必要であり、吸収されにくいのが特徴です。

自然界に存在するルテインはエステル化型ルテインですが、サプリメントでは吸収効率の良いフリー体ルテインを摂取できます。しかし中には原材料名が「ルテイン」としか書かれていないサプリメントもあるため注意です。明確にフリー体ルテインと書かれているサプリメントを購入すると良いでしょう。

 

ルテイン摂取時の注意点

ルテインを摂取する際の注意点は2つあります。

 

1.ルテインの摂取量は1日あたり30 mgまで

ルテインの摂取量は1日あたり6-10 mg程度で有効とされていますが(3)、最大30 ㎎までは問題が起こりにくいとされています(6)。また国際連合食糧農業機関(FAO)/ 世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)により、人体に害がないルテインの摂取許容量は体重1 ㎏あたり2 mgとされています(7)。

上記のように過剰摂取になる可能性はきわめて低いですが、もし過剰なルテインを摂取した場合、肝臓に負担をかける可能性があります。また、高用量のルテインを長期間摂取すると、手や足の皮膚が黄色になる黄疸を発症する可能性があります。

 

2.薬物を服用している方は注意する

ルテインのサプリメントは薬物と相互作用する可能性はゼロではありません。商品により含有量や構成成分が異なり、薬の効果を弱めたり強めたりする場合があるため、医師や薬剤師と相談してからの摂取をおすすめします。
 

フリー体ルテインを摂取して目と皮膚を健康に保ちましょう

ルテインは目や皮膚を保護する作用があり、健康を保つのに効果的な栄養素です。ブルーライトを吸収したり、白内障のリスク軽減や加齢黄斑変性症の予防などの効果が期待できます。ルテインによる抗酸化作用は眼疾患のリスクを抑えます。

ルテインを摂取する際は、フリー体ルテインが含まれたサプリメントがおすすめです。フリー体ルテインのサプリメントは吸収効率が高く、手軽に摂取できます。サプリメントを利用する際は原材料名に「フリー体ルテイン」と明確に記載している商品を購入しましょう。