「健康長寿」の重要性が広く知られる日本では、肌や関節の健康を保つ成分であるコラーゲンが長年注目されています。コラーゲンサプリメントは多くの製品が流通していますが、コラーゲンサプリメントを飲み続けると本当に効果は表れるのでしょうか?
この記事では、コラーゲンの効能に関する研究報告に触れながら、効果を実感するうえで重要なポイントを解説し、「コラーゲンサプリメントの効果を実感するにはどのくらい摂取すれば良い?」という疑問にお答えできるような情報をご紹介します!
コラーゲンを飲む続けると体内のコラーゲンペプチドは増える?
コラーゲン摂取が実際に血液中へ反映されるかを調べた研究により、摂取量が増えるほど血液中のコラーゲンペプチド量も増えることが示唆されています。
健康なボランティアを対象に、コラーゲンペプチドを2g、10g、25gの3つの用量でそれぞれ摂取してもらった後、コラーゲンが持つ特徴的なアミノ酸として知られるヒドロキシプロリン(Hyp)を観察することにより、血液中のコラーゲンペプチドがどのように変化するか比較する研究が実施されました(7)。
その結果、コラーゲンペプチドの摂取用量が多いほど血液中のHyp量が増加しており、コラーゲンペプチド摂取によって実際に血液中のコラーゲンペプチドが増えることが示唆されています。
また別の研究でも、コラーゲンペプチドを摂取したボランティアの血液中で、Hypを含むペプチド量が摂取後30〜60分から増加しはじめ、60〜120分後にピークを迎えることが確認されています(8)。
コラーゲンを飲む続けると皮膚への効能に関する研究
実際にコラーゲンの効能を検証した研究を解説しながら、効果が確認された研究でコラーゲンをどのくらいの期間摂取しているのかについてご紹介していきます。
コラーゲン摂取の効能は、皮膚についても多くの研究で支持されています。
40〜59歳の日本人女性を対象とした研究では、ボランティアを
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(1)魚由来コラーゲンペプチド摂取グループ
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(2)豚由来コラーゲンペプチド摂取グループ
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(3)プラセボグループ
という3つのグループのいずれかに割り当て、毎日10gを8週間摂取してもらい、皮膚の水分量を比較しました(10)。
その結果、8週間の摂取期間後に、コラーゲンペプチドを摂取した(1)(2)の両方のグループの皮膚水分量が、(3)プラセボグループと比べて大幅に高かったことが報告されています。
皮膚の老化に対するコラーゲンの影響を調べた研究では、コラーゲンペプチド摂取グループとプラセボグループそれぞれに1日10gを12週間摂取してもらい、加齢に伴い減少していくことが知られる真皮のコラーゲン層密度や、加齢とともに壊れやすいコラーゲンによる骨組みの状態を比較しました(10)。
その結果、コラーゲンペプチド摂取グループの真皮コラーゲン層密度と骨組みの状態の両方が有意に改善されたことが確認されています。
皮膚のコラーゲン層への効果は、膝関節の炎症を抑える効能に比べ短期間でみられる可能性があるものの、コラーゲンを8週間以上継続して摂取する研究でその効果が確認されています。
コラーゲンサプリメントの摂取のポイントを解説!
継続して摂取することが重要!
上記の通り、コラーゲンサプリメントの効果は、少なくとも8週間以上継続して摂取するようデザインされた多くの研究で確認されています。
コラーゲンペプチドの血中濃度の上昇は1時間ほどで生じることが確認されていますが、皮膚や関節への効能を実感するうえでは、継続した摂取による組織への影響が重要と考えられています。
そのため、コラーゲンサプリメントの摂取は即効性を期待するのではなく、ヒトを対象とした研究のデザインと同様、数ヶ月単位で継続的に摂取することが重要だと考えられます。
また研究と同様に、少量ではなく1日あたり5,000mg以上のコラーゲンをしっかり摂取することも重要だと考えられます。
コラーゲン生成をサポートする栄養素をバランスよく摂取!
皮膚のコラーゲン層に関する研究では、コラーゲンだけではなく、コラーゲン生成をサポートする栄養素の重要性も示唆されています。
私たちの肌の真皮層でコラーゲンやヒアルロン酸などを生成している線維芽細胞を用いた実験では、ビタミンCを加える量が多くなるほど、線維芽細胞が生成するⅠ型コラーゲン量が増加したという結果が報告されています(11)。
ビタミンCなどの栄養素は、肌や関節の保護だけでなく健康にも重要であり、このようなコラーゲン生成をサポートする他の栄養素をバランスよく摂取することも、コラーゲン摂取と同様に大切だと考えられます
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