食生活のサポート

マキベリーとは?薬剤師がマキベリーの効果と副作用を説明

監修者 岡本 妃香里 薬剤師 公開日:2024-04-25 最終更新日:2024-09-25

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マキベリーとは?薬剤師がマキベリーの効果と副作用を説明

監修者岡本 妃香里 薬剤師 公開日:2024-04-25 最終更新日:2024-09-25

近年、欧米市場で大流行しているスーパーフルーツをご存知ですか?アサイーやカムカム、ゴジベリーなどに並んで注目されているのが、「マキベリー」です。マキベリーはとても貴重なフルーツですが、一体どのようなものなのでしょうか?そして、なぜマキベリーはここまで人気を集めているのでしょうか?今回は、マキベリーの優れた効能について薬剤師が詳しくお伝えします。

マキベリーとは?

マキベリー(英名:Maqui、学名:Aristotelia chilensis)は、マクイベリーとも呼ばれることがあるとても貴重なフルーツです。果実は深紫色で、アレオカルパ科の樹木であり、チリとアルゼンチンの南部熱帯雨林原産の植物として知られています。

チリでは、古くから原住民のマプチェ族によって収穫されてきました。数世紀にわたり、マプチェ族(Mapuche)は、マキベリーの優れた効果をあまり知りませんでしたが、彼らは精神的および身体的な活力を得るためにマキベリーの摂取を続けています(1)。マキベリーが非常に貴重なのは、野生でしか手に入らないためです。チリやアルゼンチン以外の国で栽培することができないため、ごくわずかしか手に入りません。

 

マキベリーに含まれる成分と栄養素は?

マキベリーには以下のように多くのビタミンやミネラルが含まれており、栄養価の高い果物です。

近年の研究では、マキベリーにはフラボノイドの含有量が非常に多いことが分かっています。特にアントシアニン(Anthocyanin)の含有量が豊富であり、その中でも最も注目されているのはデルフィニジン(Delphindin)、シアニジン(Cyanidin)などです。フラボノイドの栄養素含有量が高いため、マキベリーは深紫色の見た目を持ち、非常に強力な保護力を提供します。

 

マキベリーの効果

マキベリーには、アントシアニンのデルフィニジンが豊富に含まれています。多くの学者がその優れた効果を様々な面で研究している今まさに注目の成分です。主に以下のような効能が期待できることで知られています。

目の活力を維持

潤いを高める効果が期待できます。ドライアイをもつ20人の患者を対象にマキベリー抽出物を与えるグループとプラセボを与えるグループに分けて評価したところ、マキベリー抽出物のグループでドライアイの兆候と症状が改善されました(3)。ルテイン、ビルベリー、アスタキサンチンなど他の栄養素と組み合わせるとより効果的です。

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健康な肌

防御力を高め、若々しい輝きを保ち、健康的な肌を維持します。マキベリーが肌に良い働きをしてくれるのは、強い抗酸化作用をもつためです。抗酸化作用をもつビタミンCの量はブルーベリーよりも多いことが分かっています。またポリフェノールもアサイーやアセロラより多いことが明らかです(4)

 

抗炎症作用

マキベリーには炎症を抑えて健康維持に働く効果があります。これは、アントシアニンがもつ抗酸化力によるものです。炎症性サイトカインの一種であるシクロオキシゲナーゼ-2の増加を抑制する働きが確認されています(5)

 

血糖値降下作用

マキベリーには、血糖値を下げる効果があることでも期待がもたれています。高血糖状態にしたマウスにマキベリーを与えたところ、マキベリーの投与量と比例して血糖値が下がることが確認されています(6)。糖尿病を予防するのに役立つのではと考えられています。

 

鎮痛作用

マキベリーの85%以上はアントシアニンが占めており、鎮痛効果があることでも知られています。1kgあたりマキベリーを12.5mg、25mg、62.5mg、125mg、250mg与えたところ、62.5mgと125mg、250mgの用量で鎮痛効果が示されました(7)

 

がんの予防

がんは悪性新生物とも呼ばれており、日本人の死因の1位を占めています(8)。原因が良く分からないものもありますが、生活習慣や細菌、ウイルス、遺伝などが関係していることが特徴です。

マキベリーには、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する働きがあることが分かっています(9)。アポトーシスとは、細胞が自然死する現象のことです。通常、腫瘍細胞のアポトーシスは阻害されていますが、マキベリーはこれを誘導して腫瘍細胞を排除するサポートを行います。

 

マキベリーの副作用と注意点

マキベリーの食用の歴史は長いですが、マキベリーの摂取に関する副作用はまだ確定されていません。まだ科学的研究の段階(2)なので、特許取得済みの標準化されたエキスを選ぶといいでしょう。

十分な量のアントシアニンを摂取することができるため、効率的かつ効果的に摂取することができます。ただし、健康食品やサプリメントなどを用いてマキベリーを摂取する場合は、1日あたりの摂取目安量を守って使用しましょう。過剰な量を使用すると、思わぬ副作用を起こす恐れがあります。

 

マキベリーをどのように組み合わせることで効果的に吸収できる?

マキベリーに関する研究は非常に豊富にあり、特に保湿効果に焦点が当てられています。透明感をさらに高めたい場合は、ほかの成分と同時に摂取することも検討するとよいでしょう。たとえば、ルテイン10mgとゼオキサンチン2mgの(10:2のゴールデン比率)の配合は、透明感を高めるのにより効果的だと考えられています。

また、集中力をサポートするアスタキサンチンを添加することで、透明感のケアが格段に向上させることが可能です。なお、マキベリーにはパウダーやサプリメント、マキベリーエキスなどさまざまな形状のものがあります。使いやすい形状のものを選び、継続して摂取してみてください。