化粧品や食品によく使われている「コラーゲン」。名前は知っていても、一体どういったもので、身体にどんな効果があるのか、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
コラーゲンは皮膚や血管、腱、歯などを作っている繊維状のタンパク質のことをいいます。身体にあるコラーゲンのうち、40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に、残りはあらゆる体内組織に存在しています。(1)
「コラーゲンを飲んでも体内に吸収されないから意味ないでしょ?」と聞かれることもありますが、最近の研究では、コラーゲンの内服を続けると肌の弾力に改善が見られたという研究結果もあります。(2)今回は、そんなコラーゲンの効果や副作用を詳しく解説していきます。
コラーゲンに期待される効果?
コラーゲンに期待される効果には、次のようなものがあります。
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肌を保湿する
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肌に弾力を与える
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関節や軟骨を修復する
ただし、肌へ弾力を与えたり、関節や軟骨を修復したりする効果は、まだ研究段階にあります。効果があったという報告もありますが、まだ効果があるとまでは言い切れません。治療やスキンケアの補助としてコラーゲンを活用することがおすすめです。(3)
<コラーゲンの効果>
コラーゲンの効果はある?:実例に基づく美容と健康への貢献
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コラーゲンの過剰摂取による副作用はある?
コラーゲンの過剰摂取による副作用はアレルギー反応、体重増加、ニキビなどの肌トラブルが起こることです。下記はそれぞれの副作用を説明します。
一番注意が必要なのはアレルギー反応
コラーゲンで一番注意したい副作用が「アレルギー」です。サプリメントが合わないと、発疹や吐き気などが起こる場合があります。頻度は少ないですが、アナフィラキシーショックを起こす例も報告されています。これはスキンケアでもサプリメントでも、注意が必要となります。
コラーゲンサプリメントには、牛や豚、魚由来コラーゲンが使われています。アレルギーを持っている人は、アレルギー成分が含まれていないサプリメントを探してみましょう。また、まれにコラーゲン自体ではなく、添加物にアレルギー反応を示す人もいます。
アレルギーによる副作用を避けるためにも、事前に成分をしっかり確認することが重要です。自分で成分を確認することが難しければ、かかりつけの医療機関や薬局に問い合わせてみてもよいです。その際は、医療機関や薬局の人が調べやすいように、製品名やメーカーなどの情報(できれば実物)を持っていくとスムーズに確認がすすみます。
食事でコラーゲンを摂取する場合は体重増加に注意
サプリメントではなく、食事からコラーゲンを摂取する場合にとくに注意したいのが「体重増加」です。コラーゲンを多く含む食事には次のようなものがあります。(4)
食品名 |
脂質量(100gあたり) |
カロリー(100gあたり) |
フカヒレ |
1.6g |
344kcal |
牛肉のかた(脂身) |
78g |
692kcal |
うなぎの蒲焼き |
21g |
285kcal |
豚のもつ |
13.8g |
166kcal |
はも |
5,3g |
132kcal |
これらの食事は美味しくて、簡単にコラーゲンを摂取できて良さそうですよね?ただし、よく表を見てください。落とし穴があります。コラーゲンを多く含む食事には、カロリーや脂質が多く含まれているのです。これらの食べ物は、カロリーオーバーやコレステロール値上昇につながります。たまに食べる分には問題ありませんが、頻繁に食べるのはおすすめできません。
ニキビなどの肌トラブルが起こる場合もあり
食事からコラーゲンを摂る場合、脂質が多く含まれていると説明しましたよね。脂質は皮脂の原料になる物質です。脂質が多いものを食べると、皮脂分泌が増えて、肌トラブルにつながる可能性があります。具体的には、肌の赤みやニキビ、毛穴などです。また、皮脂分泌が多いと、化粧崩れも深刻になります。
年齢肌や乾燥肌の人であれば、もともと肌に皮脂が足りていないので、脂質の多いものを食べても問題ないかもしれません。一方で、脂性肌の人は注意が必要です。脂性肌はもともと皮脂が多いうえに、さらに皮脂分泌が増えると肌トラブルが起きる可能性が高いからです。
そんな時は、サプリメントからコラーゲンを摂取することがおすすめです。サプリメントであれば、食事ほど脂質が多くないからです。その場合は、パッケージに記載の使用方法や用量を守って飲むようにしましょう。
過剰摂取は肝臓や腎臓に負担になる場合もあり
コラーゲンは肝臓や腎臓で代謝されます。(コラーゲンに限らず、いろんな成分が肝臓と腎臓で代謝されます。)少量だったら基本的に問題にはなりませんが、決められた量を超えて摂取した場合、肝臓や腎臓に負担がかかる場合があります。最悪の場合、肝臓や腎臓の数値が悪くなる可能性もあります。
食事の場合は食べすぎないように、サプリメントの場合は決められた量を守るようにしてくださいね。厚労省ではコラーゲンの推奨摂取量は決められていませんが、一般的に5g~10g(5,000mg~10,000mg)の摂取が推奨されています。
コラーゲンの補充を避けるべき人
コラーゲンの摂取をおすすめできない人を次にまとめました。(5)
妊婦や授乳中の方
妊婦や授乳中の方は、コラーゲンサプリメントの摂取によりどんな影響が出るかわかっていない部分も多いです。念のため、避けたほうが良いでしょう。
ただし、飲んでしまったからといって、すぐに何か影響が出るわけでもありません。すでに飲んでしまった方は、今後は妊娠期間や授乳期間が終わるまで中断してください。
鶏や卵アレルギーがある方
一部のコラーゲンは鶏由来のものがあります。鶏や卵にアレルギーがある人で、鶏由来コラーゲンを服用した場合にアレルギー反応が起こる可能性が高いです。鶏や卵アレルギーのある人は、牛や豚、魚由来のコラーゲンを服用するようにしましょう。サプリメントであれば、パッケージの裏に何由来のコラーゲンか書かれているので、簡単に確認できますよ。
継続的に服用できない人
コラーゲンサプリメントは、1回や2回飲んだところで大きな変化はわかりにくいです。最低でも数週間、できれば継続的に飲み続けてやっと変化がわかってくるものです。ずっと飲み続けることが難しい人は、あまりおすすめできません。
副作用を防ぐコラーゲンの摂取方法
コラーゲンによる副作用が出ないようにする摂取方法をまとめました。
注意すること |
対策方法 |
コラーゲンサプリメントを過剰摂取しない |
サプリメントを飲む場合は、パッケージに記載の使用方法や用量を守って飲む。 |
アレルギー反応に注意 |
アレルギー体質の人は、アレルギー成分が含まれていないか事前にチェックする |
食事でコラーゲンを摂るなら、食べすぎないように注意 |
体重増加や脂質が気になる人は、食事からでなく、サプリメントの活用を検討する |
妊娠中・授乳中の場合は服用しない |
コラーゲンサプリメントの服用を中断する |
コラーゲンサプリメントの効率を上げるために、たくさんサプリメントを飲む人も多いですが、過剰摂取は体に良くありません。そういった場合は、ビタミンCサプリメントと併用することをおすすめします。
まとめ
今回はコラーゲンの副作用について紹介しました。「薬以外のものには副作用がない」と思っている方も多いですが、実は食事やサプリメントでも過剰摂取すると体に不調が出る場合があります。
食事は栄養のバランスを考えて、いろんな種類の食べ物を摂るようにしましょう。サプリメントはパッケージ記載の使用方法を守って、使用するようにしましょう。たったこれだけのことですが、コラーゲンによる副作用を防ぐことができますよ。
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