アントシアニジンについてご存じでしょうか?アントシアニジンは野菜や果物に含まれるポリフェノールの一種であり、目や皮膚への健康効果があります。この記事では、アントシアニジンの効果や含まれる食べ物、効率的な摂取方法について解説します。アントシアニジンを摂取して目や皮膚の健康を保ちたい方は、ぜひご覧ください。
アントシアニジンとは
アントシアニジンはブルーベリー、ナス、黒豆、紫芋に含まれるポリフェノールの一種です。植物に赤色、青色、黒色、紫色などを与える成分が含まれており、pH値が酸性かアルカリ性かにより色が異なります。植物内では前駆物質である「プロアントシアニジン」として存在し、酸性環境下でアントシアニジンに変換されます。
プロアントシアニジン |
リンゴやワインに含まれるポリフェノールの一種。 酸性環境下でアントシアニジンに変換される。 |
アントシアニジン |
アントシアニン(アントシアニジンに糖がついた構造。果物や野菜の皮に多く含まれる色素。)に熱を加えるとアントシアニジンに分解される。 アントシアニジンの構造は多数あり、構造により色調が異なる(1)。 |
プロアントシアニジンの若返り効果は非常に高く、ビタミンCの20倍、ビタミンEの50倍です。現在、27種類以上のアントシアニジンが発見されており、多くの研究で人間の健康に良い効果をもたらすことを示しています。
アントシアニジンとルテインの比較
同じように目と皮膚への健康効果があるルテインとの比較を下記の表にまとめます。
アントシアニジン |
ルテイン |
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効果 |
ロドプシンの再合成により視覚機能の維持 |
網膜や水晶体の老化を抑制 |
性質 |
水溶性 |
脂溶性 |
分類 |
フラボノイド |
カロテノイド |
特徴 |
1-3時間で血中濃度が最大(2) |
発酵乳との摂取で6-8時間後に血中濃度が上昇(3) |
含まれる食品 |
黒豆、ブルーベリー、紫芋、ナス |
ケール、モロヘイヤ、パセリ、ほうれん草 |
アントシアニジンの健康効果
アントシアニジンの健康効果は主に3つあります。
- 目の機能を維持する
- 皮膚の健康を維持する
- 生活習慣病を予防する
目の機能を維持する
アントシアニジンは、網膜に存在しているロドプシンの再合成を促進し、目の機能を維持すると言われています(4)。ロドプシンは光を吸収し、脳に視覚情報を与える役割を持つ物質です。しかし、再合成が遅れると、夜盲や眼精疲労の原因となります。アントシアニジンを摂取すると、ロドプシンの再合成を促進し、視覚機能を改善してくれます。
また、アントシアニジンの抗酸化作用は白内障を抑制する効果があります(5)。白内障は水晶体が濁り見えづらくなる病気で、加齢や紫外線による酸化ストレスが原因のひとつです。アントシアニジンは抗酸化作用を有するため、水晶体への酸化ストレスを軽減し、白内障を予防することができます。
皮膚の老化を予防する
紫外線により発生する活性酸素は、シミ・シワの原因となり皮膚の老化を引き起こします(6)。通常、皮膚は太陽の紫外線曝露によりメラニンを生成し、日焼けをして紫外線が体内に入るのを防ぎます。紫外線を浴びすぎてしまうとメラニンを過剰に作り出すため、シミが残ることもあるでしょう(7)。アントシアニジンは、抗酸化作用により活性酸素の発生を抑え、皮膚の老化を防止する可能性があります。
生活習慣病を予防する
アントシアニジンは体重管理や糖尿病リスク低下など、生活習慣病を予防する効果があります。これは、脂肪の利用を促進し、血糖値の上昇を抑制するためです(8)。さらに、インスリン感受性を改善することで、糖分をエネルギーに利用しやすくなります。また、血圧上昇を抑え、動脈硬化を予防する効果もあります(7)。
アントシアニジンがおすすめな人
アントシアニジンは、目や皮膚を紫外線から保護するため「パソコンやスマホをよく見る人」「屋外で仕事や運動をする人」におすすめです。目の酷使はロドプシンの枯渇に繋がるため、アントシアニジンの摂取により再合成を促します。また、長時間日に当たるとメラニンが過剰に生成されるため、シミが発生する原因にもなります。アントシアニジンの摂取により、目や皮膚の健康を保ちましょう。
アントシアニジンを含む食べ物
アントシアニジンは、野菜や果物の皮に多く含まれています。実際のアントシアニジンの含有量を表で紹介します。
含有量(mg / 100 g) |
|
ブラックラズベリー |
約 687 |
ブルーベリー |
約 386 |
ブラックベリー |
約 245 |
さくらんぼ |
約 122 |
ナス |
約 86 |
黒豆 |
約 45 |
イチゴ |
約 21 |
桃 |
約 4.8 |
アントシアニジンには具体的な摂取基準が設けられていませんが、通常の食事であれば過剰摂取になる心配はありません。水溶性であり吸収・作用しやすいですが、効果は持続しづらいため、継続して摂取することが大切です。
アントシアニジンの効率的な摂取方法
アントシアニジンを効率的に摂取するためには3つの方法があります。
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ルテインとともに摂取する
-
毎日継続的に摂取する
-
サプリメントから摂取する
ルテインとともに摂取する
アントシアニジンはルテインとともに摂取するのがおすすめです。アントシアニジンは特定の時間帯に摂取する必要はありませんが、ルテインは食後に吸収効率が良いとされています。そのため、ルテイン含有のアントシアニジンサプリメントを食後に補充すると、ルテインとともに効率的に摂取できます。毎日継続的に摂取するアントシアニジンは水溶性であり作用までの時間が早い一方、効果が持続しにくいです。そのため、毎日継続的に摂取する必要があります。また、摂取から24時間後には尿中に排出されるため、過剰摂取の心配はほとんどありません(2)。
関連記事:ルテインの効果とは?効果的な摂取方法や注意点を解説!
サプリメントから摂取する
アントシアニジンをサプリメントで摂取することで、手軽に毎日続けられます。効果時間が短い栄養素であり、継続的にアントシアニジンが含まれる果物や野菜を食べるのは大変な方もいるでしょう。その点、サプリメントならストレスなく毎日摂取できます。
アントシアニジン摂取の注意点
アントシアニジンの摂取量に関して具体的な基準はありませんが、過剰摂取しないように注意しましょう。通常の食事であれば過剰摂取の心配はないため、バランスよく食事するのを心がけます。また、サプリメントを利用する際には「使用上の注意」「摂取目安量」をよく読んでから摂取しましょう。
アントシアニジンを摂取して全身の健康を保ちましょう
アントシアニジンは野菜や果物の皮に多く含まれる成分で、果実を紫外線から守るための色素を与えます。この物質は視覚機能に働くロドプシンの再合成を促進するため、目の機能を維持するために重要な成分です。また、抗酸化作用により皮膚を紫外線から守ります。さらに脂肪の利用促進や血糖値の上昇を抑制するなど、生活習慣病を予防する効果があります。
上記のような効果から、目を酷使している方やよく日に当たっている方におすすめです。具体的な摂取量は定められていませんが、過剰摂取に注意してバランスよく摂取しましょう。サプリメントであれば手軽に毎日摂取できます。