食生活のサポート

マカ完全ガイド!マカの働き、栄養素と効率の食べ方をまとめ紹介

監修者 岡本 妃香里 薬剤師 公開日:2024-04-29 最終更新日:2025-03-06

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マカ完全ガイド!マカの働き、栄養素と効率の食べ方をまとめ紹介

監修者岡本 妃香里 薬剤師 公開日:2024-04-29 最終更新日:2025-03-06

マカはペルーで有名な植物で、体力や精力をサポートする豊富な栄養素を含み、スーパーフードとして人気の健康食材です。

過去数十年間、マカは体力と精力増強、活力、生理機能の調整など、男性の元気と活力を保つ手助けができるとして広く注目されてきました。

多くの方が、マカには男女の滋養強壮と若々しさを高める効果があると信じています。マカに対し、主に軽度の勃起不全を改善させたり活力を与えたりする効果が期待されていますので、日本人の中高年男性に広く愛用されている認知度の高い植物です。

日本にも活力増強を謳い、マカが配合されたサプリメントや健康食品は、薬局やドラッグストア、インターネット通販などで気軽に購入できます

この記事では、マカの特徴とその機能について、詳しく解説します。

 

マカとは?

マカとは
 

マカの産地

マカ(スペイン語Maca)とは、ペルーに存在する植物のことです。ペルー人参(Peruvian Ginseng、学名:Lepidium meyenii)と呼ばれることもあります。

マカは、アブラナ科に属する植物です。南アメリカのアンデス山脈原産3,000~4,500mの高地で栽培されているのアブラナ科の植物で、見た目は株に似ているものの少し小さいことが特徴です。

標高が高い地域は、酸素が薄く気温も低くなります。日中と夜の気温差も大きくなるため、マカは寒暖差が激しい過酷な環境で成長する植物だといえるでしょう。

 

マカの歴史

マカの力が注目されるようになったのは、今から約500年前のことです。インカ帝国を征服するためにスペイン軍が南米を訪れました。

そのとき、厳しい環境でも元気に過ごしているアンデスの人々がマカを食べていることに気づいたのです。スペイン軍の馬にマカを食べさせたところ、元気が回復して子どもを何頭も産むようになりました。このことがきっかけで、マカはスーパーフードとして注目されるようになります。 

 

マカの特徴

マカには赤色、黒色、紫色などさまざまな色の球根があり、ヨウ素を豊富に含んでいます。実際、マカには白以外にも黒、赤、黄色、紫、灰色などの色が存在しており、過去20年間の研究によると、マカには最大17種類の色があることがわかっています(1)。

現在のところ、マカの色によって効果にどのような違いがあるのかはまだ解明されていませんが、色によって栄養素の含有量や効果に違いがあると考えられています。

例として、黄色のマカは炭水化物、黒色はたんぱく質が多いのです。また、赤色のマカは黒色のマカよりもたんぱく質とカリウムの量が多いことも分かっています(1)。

色の濃さによって異なる効果を持つため、自分が求める効果を得るために、目的に応じたマカを選ぶことが重要です。

マカの根部分には豊富な栄養素が含まれており、この部分がサプリメントや健康食品として利用されています。

 

マカの栄養素と成分

マカの色

マカはたくさんの栄養素と体に良い成分を含めんでいる植物です。主に下記のような栄養素と成分を含んでいます:

  • たんぱく質:筋肉や皮膚、髪の毛を作る原料となる

  • アミノ酸:たんぱく質を作る材料となる

  • ミネラル:新陳代謝やエネルギー代謝を促す

  • ビタミン:三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)代謝を促進する

  • アルカロイド:生理作用に関与する

  • 不飽和脂肪酸:LDLコレステロールを下げたり動脈硬化を抑制したりする

  • 多糖類:エネルギーを貯蔵する

  • ステロイド:炎症を抑えたり免疫機能を調節したりする

  • グルコシノレート:解毒作用や抗酸化作用、抗炎症作用をもつ

  • マカエン(Macaene):ホルモンバランスを整える

  • マカミド(Macamide):神経保護作用をもつ

炭水化物(糖類)はマカの約54.61〜60%を占め、主に多糖類(デンプン)が30.42%を占めています。さらに、たんぱく質の含有量も8.87〜11.6%です(1)

必須アミノ酸は体内で生成することができませんが、健康を維持するために必要不可欠な栄養素の一つとして知られています。

また、マカにはそのほかのスーパーフードと比べて珍しい栄養素が含まれていることが特徴です。

たとえば、マカエンやマカミドはマカにしか含まれていません。マカ特有の成分として知られており、ホルモンバランスを整えたり神経を保護したりなどの働きをもちます。

スーパーフードと呼ばれる食べ物にはスピルリナやノニ、ザクロなどがありますが、これらと比べても劣らないほど栄養素が豊富です。 

マカはそのまま食べられることは少なく、乾燥粉末で摂取されることが多いでしょう。

 

アミノ酸とは

アミノ酸は五大栄養素であるたんぱく質質を構成する重要な成分で、体内でさまざまな機能を果たします。

自然界には約500種類のアミノ酸が存在し、そのうち20種類が人体のタンパク質を作るために使われます。これらは、体内で合成できる非必須アミノ酸と、合成できない必須アミノ酸に分けられます。


参考:アミノ酸とは?筋肉や成長に良いアミノ酸の4つ効果と摂取タイミングを伝授
 

マカの健康作用と働き

健康な男女

研究によると、マカには体を強くし、男女の生理機能を整え、女性に対して眠りを助けるなどの効果があるとされています。具体的には以下の効果が期待できます。

  • 精子の質を向上し、生殖機能を改善する(2
  • 精力の増強
  • 性欲を高める(4
  • ED、勃起の改善(4
  • メラニン産生を抑制し、肌を守る美肌(5
  • 睡眠をサポートする

なお、マカの摂取量に関しては正式には定められていません。一般的には1日1,500~5,000mg程度の量を摂取することが推奨されています。

 

マカのおすすめの摂取方法

生のマカを手に入れるのは簡単ではありません。サプリメントや健康食品以外の形でマカを見たことがある方は少ないのではないでしょうか。

生のマカは入手困難であることが知られています。なぜなら、マカの原産国であるペルーでは乾燥粉末製品しか輸出が認められていないためです。

また、日本で栽培されたマカが手に入ったとしても調理法も簡単ではありません。

そのため、マカを摂取したい方はマカエキスが配合されたサプリメントや健康食品などを選ぶとよいでしょう。マカエキスを選ぶときにチェックしておきたいポイントは、以下の3つです。
 

マカの選び方

マカを選ぶ際は、次のような点を確認しましょう。
 

マカの色を確認する

マカには、白や黄色、赤や黒などさまざまな色のものがあります。色によってマカの効果が異なることが特徴です。そのため、一種類のマカを摂取するのではなく、複数種類のマカが含まれたサプリメントや健康食品を選んだほうが良いと考えられています。
 

濃縮されたマカ粉末を選ぶ

マカを効率よく摂取するためには、濃縮された粉末(マカエキス)を利用するのがおすすめです。濃縮されたものなら、少量でもしっかりとマカを摂取できます。
 

マカの配合量を確認する

マカエキスの1日あたりの目安となる摂取量は1,500~5,000mgといわれています。そのため、1日に2,500mg以上ののマカエキスを摂取できるものを選びましょう。
 

マカ以外の配合成分にも着目する

マカとあわせて次のような成分が配合されているかどうかもチェックしましょう。同時に摂取することで、より健康状態の変化を実感しやすくなる可能性があります。

 

アルギニン

一酸化窒素と呼ばれる物質に変わり、血管を拡張する。

亜鉛

精子を作るときに必要になる栄養素。

シトルリン

一酸化窒素の生成を促進し、血管を拡張する。

エゾウコギ

活力増強や疲労回復、運動能力の向上などの効果が期待されている。

モリンガ種子

テストステロンを高め、性欲をサポートする。

 

マカの選び方まとめ

  1. マカの色を確認する
  2. 1日あたり2,500mg以上を摂取できるマカエキスを選ぶ
  3. 濃縮されたマカ粉末を選ぶ
  4. 配合成分を着目する

また、マカに含まれている成分を存分に活かしたいのなら、低温殺菌法で作られたものがおすすめです。

マカそのものの栄養素を摂ることができます。より高い効果を求める方は、マカ以外にどのような成分が配合されているのかにも注目しましょう。
 

マカの副作用は?マカサプリメントは安全?

マカの根を生で食べることは避けてください。マカには健康効果がありますが、妊娠中や授乳中の女性、および子供は摂取を控えた方がいいでしょう。また、子宮頸がん、卵巣がん、乳がんなどのホルモン関連疾患の女性患者も摂取を避けるべきです。

甲状腺ホルモン成分を含むマカは内分泌の働きに影響を与える可能性がありますので、摂取する場合はまず医師と相談してからの方がいいでしょう。

マカの副作用はハゲ?
一般に流通しているマカのサプリメントや健康食品で副作用が出ることはほとんどないといわれています。そのため、マカによりハゲと脱毛などの副作用を気にしすぎる必要はありません。
参考:マカの副作用はハゲ?マカを安全に摂取するためのガイド
 

マカの効果が出る時間は?

マカは医薬品ではなく食品です。そのため、お薬と比べると即効性は期待できません。

マカを飲み始めて効果を実感するまでには、個人差があるものの、おおむね2〜3ヶ月の継続的な摂取が必要であるとされています。体調を見ながら2〜3ヶ月ほど摂取を続けてみてください。

関連記事:マカの効果が出るまで期間?マカが男性へのED改善効果を解説

 

マカのおすすめの飲むタイミングは?

マカサプリメントは医薬品ではないため、飲むタイミングに特別な決まりはありませんが、その効果を最大限に活かすためにはいくつかのおすすめ飲むタイミングがあります。

例えば、精力アップの効果を感じたいなら、筋トレや運動の前に摂取するのがベストです。体が動きやすくなり、パフォーマンスもアップするかもしれません!

また、1日を元気に過ごしたい方、特に多忙なサラリーマンには、朝の活力をサポートするために朝飲むのがぴったりです。

自分のライフスタイルに合わせて、ぜひマカをうまく取り入れて、もっと元気に毎日を楽しんでください。

 

マカのよくある質問

Q1.マカは男性のテストステロンをサポートしますか?

マカを12週間にわたり服用してもらった研究では、とくにテストステロンへの影響は見られませんでした(9)。

 

Q2.マカは朝と夜どっちが効果的?

マカはいつ使用しても問題ありません。

使用するタイミングで効果が変わるという研究データはないため、好きなタイミングでご使用ください。

 

Q3.マカの副作用で抜け毛は増えますか?ハゲになるか

マカの副作用で下痢などの症状は報告されていますが、抜け毛が増えることはありません。
 

Q4.女性がマカを摂取できる?

女性

マカについて言及すると、ほとんどの方が男性の体力や精神力を連想しますが、実は女性がマカを摂取しても多くの利点があります。

体力ややる気を向上させるだけでなく、個人の魅力も高めることができるのです。

臨床研究では、女性がマカを摂取すると、昼間の活力とやる気を維持するだけでなく、夜間の睡眠を助け、新陳代謝を促進したり生理機能を調整したりして美容と肌の健康を保つ効果があることがわかっています。(6)

美容にも良く健康維持にも効果があることから、女性が摂取することで毎日の生活を前向きにすることができるでしょう。

大きな健康被害もこれまでに報告されていないため、女性にも嬉しい成分だと言えます。
 

Q5.マカの色によって効果は違い?

マカの色

マカには17色の種類です。よく見られたマカの色は黄色、乳白色、赤色、紫色、黒色、灰色などの6つですが、健康食品に使われているのは、主に黄色、赤色、黒色のマカです

黒色のマカは精子形成や記憶、疲労に、赤色のマカは良性前立腺肥大症と骨粗鬆症に良い働きをすることが研究で明らかになりました(17)。

異なる色のマカには異なる健康効果があり、1.5〜3gの天然マカを毎日摂取すると健康を維持するのに役立ち、長期間摂取すると若々しさを保ち、精神を高めることができます。

個人の体質、生活習慣、または状態によって異なりますが、摂取し始めてから大体1週間ほどで効果を感じ始めるでしょう。

参考資料:
  1. Gustavo F. Gonzales, Ethnobiology and Ethnopharmacology of Lepidium meyenii (Maca), a Plant from the Peruvian Highlands
  2. G F Gonzales 1, A Cordova, C Gonzales, A Chung, K Vega, A Villena, Lepidium meyenii (Maca) improved semen parameters in adult men
  3. Yawen Zeng , Jiazhen Yang , Juan Du , Xiaoying Pu , Xiaomen Yang , Shuming Yang , Tao Yang , Strategies of Functional Foods Promote Sleep in Human Being
  4. Cherie Bower-Cargill, Niousha Yarandi, A systematic review of the versatile effects of Peruvian Maca Root (Lepidium meyenii) on sexual dysfunction, menmopausal symptoms and releted conditions.
  5. Hyunjung Choi, Soomi Ahn, Byeong G Lee, Ihseop Chang, Jae S Hwang Inhibition of skin pigmentation by an extract of Lepidium apetalum and its possible implication in IL-6 mediated signaling.
  6. Nicole A Brooks, Gisela Wilcox et al Beneficial effects of Lepidium meyenii(MAca) on psychological symptoms and measures of sexual dysfunction in postmenopausal women are not related to estrogen or androgen.
  7. The use of maca (Lepidium meyenii) to improve semen quality: A systematic review
  8. Aqueous extract of yellow maca (Lepidium meyenii) improves sperm count in experimental animals but response depends on hypocotyl size, pH and routes of administration
  9. Effect of Lepidium meyenii (MACA) on sexual desire and its absent relationship with serum testosterone levels in adult healthy men
  10. Subjective effects of Lepidium meyenii (Maca) extract on well-being and sexual performances in patients with mild erectile dysfunction: a randomised, double-blind clinical trial
  11. Anti-Inflammation and Anti-Melanogenic Effects of Maca Root Extracts Fermented Using Lactobacillus Strains
  12. Strategies of Functional Foods Promote Sleep in Human Being
  13. The Potential Role of Arginine Supplements on Erectile Dysfunction: A Systemic Review and Meta-Analysis
  14. Zinc improves sexual performance and erectile function by preventing penile oxidative injury and upregulating circulating testosterone in lead-exposed rats
  15. Phenolic Extract from Moringa oleifera Leaves Inhibits Key Enzymes Linked to Erectile Dysfunction and Oxidative Stress in Rats' Penile Tissues
  16. Oral L-citrulline supplementation improves erection hardness in men with mild erectile dysfunction
  17. [Maca (Lepidium meyenii Walp), a review of its biological properties]
  18. Complementary and Alternative Medicine for Menopause - PMC
  19. Stone M, Ibarra A, Roller M, Zangara A, Stevenson E. A pilot investigation into the effect of maca supplementation on physical activity and sexual desire in sportsmen. J Ethnopharmacol. 2009;126(3):574-576. 
  20. Orhan C, Gencoglu H, Tuzcu M, et al. Maca could improve endurance capacity possibly by increasing mitochondrial biogenesis pathways and antioxidant response in exercised rats. J Food Biochem. 2022;46(7):e14159. doi:10.1111/jfbc.14159