成分ガイド

GABA(ギャバ)成分情報|快眠&ストレスの緩和効果・副作用・食品

監修者 堀川 衣梨 管理栄養士 公開日:2024-10-04 最終更新日:2026-02-09

成分ガイド

GABA(ギャバ)成分情報|快眠&ストレスの緩和効果・副作用・食品

監修者 堀川 衣梨 管理栄養士 公開日:2024-10-04 最終更新日:2026-02-09

「この頃、しっかり寝たつもりでも疲れが抜けない」「朝起きた瞬間から体が重い」などの悩みを抱える方の中で、近年注目されているのが「GABA(ギャバ)」です。

チョコレートやサプリメントから手軽に摂れるイメージのあるGABAですが、その一方で「口から摂っても意味がない」といった声も聞かれます。

そこで本記事では、GABAとは何か、期待される働き、含まれる食品やおすすめの摂取方法について解説します。

GABA(ギャバ , γ-アミノ酪酸)とは

gabaとは
 

GABA(γ-アミノ酪酸)は、自然界に広く存在するアミノ酸の一つです。主に抑制性の神経伝達物質として、興奮した神経を落ち着かせる重要な役割を持っています(1)

かつては「GABAの経口摂取は意味がない」と言われていた時期がありました。その理由として、脳のバリア機能である「血液脳関門」の働きによって、口から摂取したGABAはこの関門を通過できないと考えられていたからです。

しかし、近年の研究では、GABAが直接脳に届かなくても「腸」にある受容体に結合することで、副交感神経(迷走神経)を通じて脳にリラックス信号を送るという研究結果が報告されています(2)

つまり、腸がGABAの情報をキャッチして脳に指令を送ってくれているのです。
 

GABAの機能性表示

日本では、GABAは仕事や勉強等による、一時的「心理的なストレスの軽減」、「睡眠の質の向上」や「血圧の低下」といった機能性成分として、機能性食品として販売されています。

 

GABAの期待される働き

GABAは多くの機能性表示食品に含まれる物質で、以下の働きが期待されています(1)

  • 興奮を落ち着かせることと一次的な精神的ストレスの緩和
  • 睡眠の質の向上をサポート
  • 高めの血圧を下げる


 

1. 興奮を落ち着かせる(一次的な精神的ストレスの緩和)

GABAには、抑制性の神経伝達物質として脳の興奮を落ち着かせる働きがあります(3)。ヒトはストレスを感じると大脳を中心に興奮が起こりますが、GABAの働きによって神経細胞の興奮が抑えられ、ストレスの緩和が期待されているのです(3)

 

2. 睡眠の質の向上をサポート

GABAと睡眠には、深い関係があると考えられています。

ある研究では、GABAを経口摂取すると入眠までの時間が有意に減少し、ノンレム睡眠の総時間が増えたとの報告が出ています(4)

また、GABAの血液中の濃度においては、経口摂取後、30分でピークとなり、その後低下しているため、睡眠の初期段階に影響を与える可能性が示されています(4)

 

3. 高めの血圧を下げる

GABAは末梢神経にある受容体と結合することで「ノルアドレナリン」という神経伝達物質の分泌を抑え、血圧を上げにくくする働きが期待されます(1)

また、血圧が正常な方が摂取しても数値に変動がないことが確認されており、血圧が高めの方に変化が生じやすいという特徴があります(1)

このほかにも、GABAには肌の弾力維持や高めの中性脂肪値を正常に戻すなど、多くの研究結果が報告されています(1)(5)

 

GABAが多く含まれる食品

GABAは野菜や果物、発芽玄米、漬物、発酵食品などに多く含まれる成分です(1)(6)
 

【食品中のGABA含有量】

食品の種類

GABA含有量(mg/100g)

トマト缶詰(ホール)

95

発芽玄米ごはん

5.2

キムチ

38~84

たくあん

39~95

奈良漬

58

しば漬

8~63

しょうゆ(固形物)

67~79

米酢

15

清酒

2

メロン

63.0~96.3

ワイン

6

ビール

5

野菜ジュース

56

茶葉

24~39

参考(一部抜粋):(1)(6)

 

GABAはトマトやメロンなどの野菜や果物類に含まれますが、玄米・大豆が発芽するときにも蓄積することがわかっています(7)

また最近では、GABAを含む「機能性表示食品」のトマトや発芽玄米も多く登場しています。

 

GABAの副作用

GABAは1日30mg/日程度の摂取量の場合、副作用のリスクは少ないとされています。

さらに、医薬品としてのGABAを健康な方に1日当たり3gを1ヶ月使ってもらった場合でも、副作用は認められませんでした(1)

よって、食品におけるGABAの過剰摂取の問題は考えにくいと言えるでしょう。

ただし、GABAを含む食品に1日の摂取目安量が記載されている場合は、その摂取量を必ず守るようにしましょう。

 

GABAの選び方

GABAを含む機能性表示食品を選ぶ際は、以下の点に注目してみましょう。

  • 含有量を確認する

  • 製造方法や期待される働きについて確認する

  • 品質について確認する

 

1. 含有量を確認する

GABAの一日の摂取目安量は、厚生労働省の基準では特に定められていません。

しかし、ある研究では精神を落ち着かせるために26.4〜70mg/日程度、血圧調整のために10~80mg/日程度の摂取で働きが期待されるため、1日当たり30mg/日以上~100mg程度の摂取がよいと考えられます(1)

 

2. 製造方法や期待される働きについて確認する

GABAを摂取する場合は、ご自身の悩みに対する働きが期待できそうか、また製造方法についてパッケージやホームページを確認してみましょう。

GABAの製造方法は、近年、乳酸菌を用いた発酵法による生産が注目されています(8)

 

3. 品質について確認する

GABAおよび食品の品質については、消費者が判断する必要があります。

例えば、健康食品における品質を見分ける1つの目安としては、「GMPマーク」がついていることがポイントです(9)

GMPは、製品の品質が一定に保たれるように設けられた管理基準のこと。正しい原材料、含有量、衛生面などに配慮されています。

また、海外製のサプリメントも増えているため、購入が不安な場合は、信頼できる国産製品から選ぶのもよいでしょう(10)

 

GABAのおすすめの摂取方法

 GABAを効率よく取り入れるためには、以下3点に注目してみましょう。

  • ビタミンB6と一緒に摂る

  • 腸内環境を整える食品と組み合わせる

  • サプリメントを併用する

 

ビタミンB6と一緒に摂る

ビタミンB6はアミノ酸の代謝に関わる栄養素です。神経伝達物質であるGABAの合成をサポートするため、マグロや鮭、鶏肉、牛肉、バナナなどと一緒に摂るのがおすすめです(11)(12)

食事例:トマトと鶏肉の煮込み、発芽玄米粉入りバナナヨーグルト

 

腸内環境を整える食品と組み合わせる

最近の研究では、腸内細菌のバランスを整える「プレバイオティクス」の摂取により、脳内のGABAが増加するという結果が報告されています(2)

プレバイオティクスは腸内環境を整える善玉菌のエサとなる成分のことで、オリゴ糖や食物繊維などが該当します(13)

つまり、GABAはオリゴ糖や食物繊維を含む野菜や果物、きのこ類、海藻類、豆類、オートミールなどと組み合わせてとると良いでしょう。

食事例:トマトとわかめの和え物(砂糖の代わりにオリゴ糖使用)、オートミールと野菜のきのこ入りリゾット

また、GABAを含む食品には発酵食品も多く、漬物やキムチ、味噌などを普段の食事に取り入れることで「腸内環境」を整え、GABAの働きも期待できるという可能性も考えられます。

 

発酵食品の例:米酢、しょうゆ、味噌、チーズ、ヨーグルト、ワイン、甘酒など

 

サプリメントを併用する

GABAの効率的な摂取のためには、サプリメントの活用も1つの方法です。

食品からの摂取は微量であり、毎日GABAを含む食品を取り入れることは難しい場合もあります。

そのようなときは、GABAを含む機能性表示食品やサプリメントを補助的に取り入れてみましょう。

 

【状況によるGABAのおすすめ食品とメリット】

状況

おすすめの食品

メリット

仕事や勉強で疲れやストレスを感じたとき

GABA入りチョコレートなど

GABAを含む飲料

・自宅や会社など好きなタイミングで取り入れやすい

眠れない、疲れが取れないとき

GABA含有サプリ

・他の栄養素との相乗効果が期待できる

・摂取目安量がわかりやすい

血圧が気になるとき

普段の食事+GABA含有サプリ

・食事とサプリの両方からアプローチできる

・長期的な健康維持につながりやすい

   


 

GABAに関するよくある質問

 

Q.効率よく摂取するにはチョコとサプリなど、何を摂れば良いか?

ご自身のライフスタイルや日常シーンに合わせて、使い分けることが効率的な摂取につながります。

 

(例)

  • 睡眠ケアをしたいとき:夕方以降のリラックスタイムにサプリメントを取り入れる

  • 仕事中:集中力が切れやすい時間や大切な会議の前にGABA入りのお菓子を取り入れる

  • 血圧ケアをしたいとき:毎日のルーティンに合わせてサプリメントを継続してみる



 

Q.GABAの摂取するタイミングはいつがいい?

基本的には、お好きなタイミングで摂取して問題ありません。例えば、睡眠の質を整えたいときは、就寝前30分前や仕事の疲れを感じたとき、リラックスしたい食後などでもよいでしょう。

 

Q.効果を実感するまでの期間は?

GABAの摂取量と期待される働きまでの期間は、多くの研究で摂取後から2〜4週間後が多いといわれています。

摂取後4〜8週間で働きをより実感しやすく、摂取を中止すると1〜2週間は働きを持続しながら低下していくとみられています(1)

 

Q.毎日の習慣にGABAをプラスして、心と体のセルフケアを始めよう

GABAは睡眠の質サポートや一次的なストレスの軽減に役立つ可能性を持つ注目成分です。

「最近、朝起きてもすっきりしない」「日々の疲れを和らげたい」といった方は、普段の食事にプラスして、GABAを含む食品やサプリメントなどを、ライフスタイルに合わせて取り入れてみてください。


 

Q.GABAの選び方

GABAの主な製造方法は二種類に分けられます。一つ目は化学合成、二つ目は生物が持つGABA合成酵素を活用した生物工学的合成です。

その中でも近年注目を集めており最もおすすめなものは、生物工学的合成のうち、ヒトにとって安全な微生物の発酵を活用したもので、特に乳酸菌はGABAを安全に大量生産できることが報告されています(4)

特に、植物由来と乳酸菌による発酵液から抽出のGABAを選ぶと、品質が安定しており、安心して使用できます

さらに、GABAを含む健康食品を購入する際には、実際に含まれているGABAの量や濃度を確認することが重要です。

商品によって含有量にばらつきがあるため、品質が保証された製品を選ぶことが大切です。
 



 

乳酸菌によるGABAの効率的な生産

GABAは、乳酸菌などの特定の微生物が豊富に生成できると報告されており、乳酸菌を用いたGABAの生産が盛んに研究されています(4)

乳酸菌はGABAの生成能力が高いほか、植物よりも成長が早く、安全かつ確実にGABAを生産できるため、GABAの含有量を高める手法として注目を集めています。

最近では、GABAを豊富に含む大麦と乳酸菌を組み合わせた方法が注目されています。大麦はGABA生成に優れた材料であり、乳酸菌との組み合わせにより、効率よくGABAを生成できます。この方法では、大麦発酵液から90%以上の高濃度GABAを抽出できます。

国産の高濃度GABAを選ぶことをお勧めします。これにより、より効果的にGABAの恩恵を受けることができるでしょう。