ゼアキサンチン：光の刺激から目を守る成分と多く含まれる食品

近年、スマホやタブレットの普及により私たちの目への負担が増しており、目のケアへの関心が非常に高くなっています。

目を保護する成分として有名なものに、植物が作る色素成分ルテインがありますが、実は「ゼアキサンチン」もルテインと同様に、私たちの目を保護しています

執筆者|監修者

ダイケンバイオメディカル

バイオテクノロジー分野の博士や医師など専門家たちによる綿密な研究と開発を重ねたサプリメントブランドです。

ブランド名である「大研」には、大規模な研究開発への取り組みを意味する想いが込められています。私たちは、自分自身や家族が安心して利用できる「安全性」と「有効性」を兼ね備えた製品の開発を目指しています。

ゼアキサンチンの基本情報

ゼアキサンチンとは、植物が作る天然色素カロテノイドの一種で、緑黄色野菜に豊富に含まれている、黄色や橙色を示す色素のひとつです。

カロテノイドは自然界に750種類以上存在する植物由来の天然色素で、βカロテンなどが含まれるカロテンと、ゼアキサンチンが含まれるキサントフィルに分けられます(1)。

ゼアキサンチンが含まれるキサントフィルは、植物にとっては光合成で重要な働きをする物質であります。人の目には、ゼアキサンチンが豊富に含まれており、目の健康維持や保護に重要な働きをしています。

 

ゼアキサンチンは目のどこに存在する？

眼球は表層から順に、レンズとバリアの役割の両方を果たす角膜、レンズの中心的な役割を果たす水晶体、フィルムの役割を果たして光刺激を電気信号に変える網膜という構造になっています。

ゼアキサンチンは、目の奥にある網膜の中心部：黄斑という部位に集まり、光刺激を抑えて組織を守る働きをしています。

目にする光は、波長によって見える色が決まっており、目に見える光のなかで波長の長いものは赤色や黄色、波長の短いものは青色や紫色に映ります。

波長が短い光はエネルギーが強く、「ブルーライト」として知られるように、目へのダメージや目の疾患のもとになると考えられています(3)。

ゼアキサンチンは網膜の中心の黄斑部に最も豊富に含まれており、ダメージの大きい青色光を吸収することで、網膜組織を作る視細胞の保護を果たしています(4)。

ゼアキサンチンは黄斑色素

網膜や黄斑部は、視覚を司る細胞が集まっている重要な部分です。

目を保護する成分として、ルテインも、ゼアキサンチンと同じキサントフィルという分類に属する植物性色素のひとつで、ゼアキサンチンと同様に黄斑部を保護しています(6)。ゼアキサンチンとルテインは、異性体という非常によく似た構造を持つ関係で、ともに黄斑部で網膜組織を守る役割を果たしています。

そのため、ルテインとゼアキサンチンはあわせて「黄斑色素」と呼ばれています(1)。

これらが損傷すると、光を正確に捉えることができなくなり、視野の一部が見えなくなったり、視力が低下する可能性があります。つまり、網膜や黄斑部は目の健康にとって非常に重要な役割を果たしているのです。

 

なぜ、ルテインだけでは不十分なのか？

ルテインが目に良い成分として知られていますが、実はそれだけでは十分ではありません。

目の黄斑部の中心の働きは、文字を読んだり、色を見分けたりすることです。そして、中心部分を守っているのは、ルテインではなくゼアキサンチンです。

ルテインは黄斑部の外側に多く、ゼアキサンチンは中心に集中しています。つまり、一番大切な視力を守るには、両方が必要ということです。

目の健康を本気で考えるなら、ルテインとゼアキサンチンの両方をバランスよく摂取することが重要です。

ゼアキサンチンは年齢とともに減少

黄斑色素であるルテイン・ゼアキサンチンは年齢とともに減少します。したがって、黄斑部の健康を維持するためには、日頃からルテインやゼアキサンチンといった成分を意識して補うことが重要です。

ゼアキサンチンの働き

ゼアキサンチンは下記の働きが期待されています。
 

1. 黄斑色素密度の維持

ゼアキサンチンに関する研究により、826人の健康なボランティアのデータを分析し、ゼアキサンチンを摂取することで、血中濃度も、黄斑部の黄斑色素密度も有意に増加したと報告されています。

このメタ分析の結果では、キサントフィルの摂取量が増えるほど黄斑色素密度が高くなるという分析結果も示されており、ゼアキサンチンの摂取により黄斑色素密度が保たれます。(12)

 

2. 光の刺激・ブルーライトからの保護

日常でよく使っているスマホやパソコンなどのデジタル機器は、刺激が強いブルーライトを発しています。ブルーライトを多く浴びると、目の健康によくないと言われています。
ゼアキサンチンは網膜に存在し、そのブルーライトを吸収することで、網膜組織の保護をサポートします。

3. 白内障リスクの低減

強力な抗酸化作用により、水晶体の酸化と濁りを防ぐことからの保護にも関連性が示されています。
 

4. クリアな視界のサポート

コントラスト感度や視覚機能を改善し、クリアな毎日をサポートします。

ゼアキサンチンが多い食べ物

ゼアキサンチンは普通の野菜から十分に摂るのが難しい

ルテインはほうれん草などの緑黄色野菜で補えますが、ゼアキサンチンは緑黄色野菜から十分な量を摂取するのがとても難しいのです。

ゼアキサンチンが多く含まれている食品は、主にクコの実、トウモロコシ、パプリカと卵黄などです。以下の表は、食品 100g あたりに含まれるゼアキサンチンの量が多い順に並べたものです。

(10)

ゼアキサンチンを効率的に摂取するには、「どの食品に多く含まれるか」だけでなく、「どのように食べると吸収されやすいか」を知ることが重要です。

 

1. 含有量で選ぶなら「黄色・橙色」と「クコの実」

ほうれん草やケールはルテインを豊富に含みますが、ゼアキサンチンの量はそれほど多くありません。ゼアキサンチンを強化したい場合は、とうもろこしや橙色パプリカなど、「黄色・橙色」の食品に注目しましょう。

また、クコの実は全食品中トップクラスの含有量（乾燥重量で 100g あたり 280mg 以上）です。日常的に摂取する食材ではありませんが、ゼアキサンチンを意識的に摂りたい場合の特別な食品として覚えておくと良いでしょう。



さらに、キンセンカ（マリーゴールド）もゼアキサンチンを含むサプリメントの原料として広く利用されており、サプリメントなどで手軽に摂取できる素材として知られています。

 

2. 吸収率を重視するなら卵黄が最強の供給源

卵黄はゼアキサンチン摂取の強い味方です。

卵黄はゼアキサンチンが豊富に含まれており、さらに卵は脂肪分が多いため、ゼアキサンチンが体内で分解されやすく、血中へ吸収されやすいことが証明されています。

そのため、単に含有量が多い果物や野菜と比べても、卵は非常に優秀な摂取源であると考えられています。(13)

これらのポイントを参考に、ルテインは緑色の野菜から、ゼアキサンチンは卵や黄色・橙色の食品から、と分けて摂取してみてください。

ゼアキサンチンの一日摂取量目安

一日あたりの推奨摂取量については、2022年の最新の報告でゼアキサンチンが2.0mg、ルテインが10.0mgとされています(10)。通常の食生活でのゼアキサンチンやルテインの摂取量は、1日2mg程度とされています(13)。

摂取上限については、ゼアキサンチンの安全性を調べた多くの研究データを参考に、食品添加物専門家委員会JECFAが、ルテインとゼアキサンチン両者を合わせた一日摂取許容量を「体重1kgに対して1日0〜2mg」と設定しました(14)。

この摂取量基準を踏まえ欧州食品安全機関（EFSA）は、ゼアキサンチンの一日摂取許容量を「70kgの成人では1日あたり53mg」と設定しています(15)。
 

多くの研究で、ゼアキサンチンとルテインをセットで摂取することにより、目を保護する効能が明らかにされています。

それぞれの摂取上限に気をつけながら、ルテインとゼアキサンチンをともに継続して摂取することが、目の健康を守るうえで有効的だと考えられます。
 

ゼアキサンチンとルテインの違い

カロテノイドは自然界に750種類以上ありますが、私たちの食事に含まれるカロテノイドは40種ほど、そのうち血液中や組織へ吸収されるものが20種類ほど、そして黄斑に蓄積され目を保護するものはゼアキサンチンとルテインの2つに限られていることが知られております。

実はルテインも、ゼアキサンチンと同じキサントフィルという分類に属する植物性色素のひとつで、ゼアキサンチンと同様に黄斑部を保護しています(6)。

ゼアキサンチンとルテインは、異性体という非常によく似た構造を持つ関係で、ともに黄斑部で網膜組織を守る役割を果たしています。

構造は似ていますが、黄斑内での分布や抗酸化力、守る部位に違いがあります。

ルテインは網膜全体や黄斑部の周辺に多く分布し、広範囲をカバーします。

一方で、ゼアキサンチンは黄斑の中心、特に視力の最も重要な「中心窩」に集中して存在し、より集中して中心視野を保護します。

そのため、両方をバランスよく摂取することが目の健康維持に効果的とされています(1)(7)。
 

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