亜鉛は魚介類や肉類・種実類といった食べ物に豊富で、とくにかき(牡蠣)に多く含まれています。
亜鉛が多い食べ物の例は牡蠣、牛肉(牛ひき肉)、かぼちゃの種などです。
亜鉛は私たちが生きるために欠かせないミネラルで、亜鉛不足すると味覚障害、成長障害や免疫力の低下といった悪影響が生じてしまうのです。
しかし、現代の日本人においては、この亜鉛不足が問題視されており、その原因の一つと考えられているのが、物価高騰による買い控えや、社会人の多忙による外食頻度の増加などです。
多くの日本人は亜鉛の1日摂取推奨量に届いていないため、意識的に摂取する必要があります。
今回の記事では、管理栄養士が厳選する亜鉛を効率的に補給できる食品や調理法を紹介し、亜鉛が多い食品をマスターして、いきいきする毎日を目指しましょう。
亜鉛とは
亜鉛はミネラルの一種で、私たちが生きるために欠かせないミネラルです。
亜鉛は約2000mgでお体の骨、皮膚、脳、または膵臓や肝臓といった臓器に含まれています。亜鉛の働きは正常な味覚、成長や精力に関わります。
関連記事:亜鉛とは?亜鉛の10つの効果と6種類の亜鉛補充が必要な人を紹介
なぜ、亜鉛を食品から摂る必要があるの?
亜鉛は、私たちが生きるために欠かせない成分ですが、体内で合成できないため食品から摂取する必要があります。
亜鉛は、人の免疫機能やたんぱく質の合成、傷の修復、味覚や嗅覚の機能維持に関わる重要な栄養素です。男性では生殖機能の維持にも関わります。
亜鉛欠乏によって、性線機能の低下や風邪の発症、傷の治りの遅延、味覚障害、皮膚炎など、ほかにもさまざまな症状が起こります。
また、体内に貯蔵できるシステムがない亜鉛は、普段の食事から習慣的に摂取する必要があります。(3)
亜鉛はどんな働きがあるの?
亜鉛は、「DNAの合成」や「アミノ酸からのたんぱく質の再合成」に必要なミネラルです。新しい細胞が合成される器官や組織で欠かせない役割を果たしています。
また、亜鉛が構成成分として含まれている酵素の一部は、活性酸素(脂肪を傷つける性質がある)を除去する働きを持つので、「老化防止」や「健康維持」に役立つのです。
さらに、「味蕾細胞の合成」に必須の成分であり「免疫反応」にも関与しています。
亜鉛の主な働き
-
胎児や乳児の発育・生命維持
-
性ホルモンの生成
-
骨の成長
-
皮膚の健康維持
-
アレルギー抑制
-
運動率の向上 など
男性に対する亜鉛の働き
亜鉛は、正常な生殖機能を保つうえで重要な働きを担っています。
しかし、前述のとおり男性は亜鉛が不足しがちです。世界的な傾向として男性の精子数は過去40年間に50~60%も減少しており(7)、男性の不妊症の30%は亜鉛不足であるというデータもあります。
亜鉛は、運動率を上げたり、精子の数を増やしたりする働きもあるので、男性の精子減少と慢性的な亜鉛不足が関与していると示唆されています。(7)(8)
女性に対する亜鉛の働き
亜鉛は、性ホルモンの生成に必要なため、女性の妊娠維持や更年期障害を予防・緩和するうえで重要な働きをします。(9)
- 妊娠の維持
- 妊娠合併症発症リスクの軽減
- 更年期障害の緩和 など
参照:(9)
【全種類】亜鉛が多い食べ物ランキングTop20
文部科学省の食品データベースにより、亜鉛が多い食べ物のTop20をまとめました。
順位 |
食品名 |
亜鉛量(㎎)/100g可食部あたり |
1 |
牡蠣 (くん製油漬缶詰) |
25.0 |
2 |
牡蠣 (養殖/水煮) |
18.0 |
3 |
こむぎ(小麦はいが) |
16.0 |
4 |
牡蠣(養殖/生) |
14.0 |
5 |
かつお(塩辛) |
12.0 |
5 |
牡蠣 (養殖・フライ) |
12.0 |
7 |
パプリカ(粉) |
10.0 |
8 |
ぼら(からすみ) |
9.3 |
9 |
ビーフジャーキー |
8.8 |
10 |
スモークレバー |
8.7 |
11 |
ごまさば(さば節) |
8.4 |
12 |
かたくちいわし(田作り) |
7.9 |
13 |
パン酵母(圧搾) |
7.8 |
14 |
かぼちゃ(味付け)(いり) |
7.7 |
15 |
うしひき肉(焼き) |
7.6 |
16 |
もも-皮下脂肪なし(ゆで) |
7.5 |
17 |
ナチュラルチーズ(パルメザン) |
7.3 |
18 |
かたくちいわし(煮干し) |
7.2 |
19 |
かた-赤肉(ゆで) |
7.2 |
20 |
こい-内臓(養殖/生) |
7.0 |
上記の表による、一番代表な亜鉛が多い食べ物は牡蠣です。牡蠣の他も、魚介類であるカツオや牛肉のビーフジャーキーや、種実類にも亜鉛が多いです。
そして、牡蠣は調理方法と加工方法によって、亜鉛の含有量も変化します。100gのカキフライは生牡蠣と比べて2gの亜鉛が減少します。
これは調理過程で栄養素の一部が失われるという原因です。
生牡蠣はそのまま食べると、亜鉛などの栄養素がより豊富に食べられます。カキフライを楽しむ際は、栄養価の違いを考慮することも大切です。
また、表によると、肉類や魚の亜鉛の含有量が多い傾向があるため、亜鉛を多く摂れるのは、肉類や魚を中心に摂るが一番おすすめです。
【自炊向け!管理栄養士厳選】亜鉛が多い食べ物30選
亜鉛が多い食べ物といえば牡蠣です。しかし、牡蠣の値段はそこまで安くない食品です。
成人男性の1日の亜鉛摂取目安量(9mg)を満たすため、毎日70~80gの生牡蠣を食べるのは無理でしょう。お財布にも負担にかかります。また、節約意識高騰の中、牡蠣のより、コスパが良い食材もあります。
実は亜鉛は、他の魚介類や肉類・種実類・豆類にも多いです。
海藻類や野菜類にも含まれているので、厳選した亜鉛が多い食品を6カテゴリに分けて、食材の亜鉛の含有量ランキングを紹介します。
1.【亜鉛が多い魚介類Top5】
順位 |
食品名 |
亜鉛量(㎎)/100gあたり |
1食分の亜鉛含有量 |
1 |
牡蠣(養殖・生) |
14.0 |
8.4㎎/5粒(60g) |
2 |
かたくちいわし(煮干し) |
7.2 |
0.7㎎/5尾(10g) |
3 |
ホタテの貝柱(煮干し) |
6.1 |
0.61㎎/10g |
4 |
いかのスルメ |
5.4 |
0.54㎎/10g |
5 |
サクラエビ(素干し) |
4.9 |
0.12㎎/2.5g |
亜鉛が多い食べ物といえば牡蠣が代表的ですが、旬(岩がき:夏、真がき:冬)以外は出回らず、高価なため普段使いは難しいでしょう。
食品から亜鉛を摂取するには、魚介類の乾物を利用すると手軽に補給できます。
かたくちいわしの煮干しは出汁を取るのに便利ですが、亜鉛は水に溶けないため、佃煮やふりかけにして丸ごと食べるのがよいでしょう。
ホタテの貝柱やスルメといった珍味類は、おつまみだけでなく、汁物や煮物に加えると出汁が効いておいしく食べられます。
2.【亜鉛が多い肉類Top5】
順位 |
食品名 |
量(㎎)/100gあたり |
1食分の亜鉛含有量 |
1 |
ビーフジャーキー |
8.8 |
0.88㎎/10g |
2 |
牛ひき肉 |
7.6 |
5.3㎎/70g |
3 |
豚レバー(生) |
6.9 |
4.8㎎/70g |
4 |
牛肩ロース(輸入・生) |
6.4 |
4.5㎎/70g |
5 |
ラム肩肉(脂身つき・生) |
5.0 |
3.5㎎/70g |
肉類は普段使いしやすく、一度にしっかりと亜鉛を摂取できる食品です。
ビーフジャーキーをおやつにするのも有効ですが、1回分の摂取量が少ないので牛肉や豚レバーといったお肉料理を食べた方が十分に亜鉛を補給できます。
牛・豚・羊といった赤肉に亜鉛が多い傾向がありますが、“赤肉は、おそらく人に対して発がん性がある”とされており、週に500g以内の摂取に留めるのが理想的です(12)。
3.【亜鉛が多い種実類Top5】
順位 |
食品名 |
量(㎎)/100gあたり |
1食分の亜鉛含有量 |
1 |
かぼちゃの種(味付け・炒り) |
7.7 |
0.77㎎/10g |
2 |
チアシード(乾) |
5.9 |
0.59㎎/大さじ1(10g) |
3 |
炒りゴマ |
5.9 |
0.1㎎/小さじ1(2g) |
4 |
カシューナッツ(味付け・フライ) |
5.4 |
0.8㎎/10粒(15g) |
5 |
練りゴマ |
5.3 |
0.8㎎/大さじ1(15g) |
種実類にも亜鉛が多くに含まれていますが、じつは吸収率がよくありません。
種実類には、亜鉛や鉄といったミネラルの吸収を阻害するフィチン酸も含んでいるため、摂取しても十分に吸収されないのです。
種実類は、肉や魚といった動物性のたんぱく質やクエン酸・ビタミンCと一緒に食べると亜鉛の吸収が促進されます。肉や魚料理に種実類を使ったり、付け合わせのサラダにトッピングしたりして組み合わせて食べるとよいでしょう(13)。
4.【亜鉛が多い豆類Top5】
順位 |
食品名 |
量(㎎)/100gあたり |
1食分の亜鉛含有量 |
1 |
高野豆腐(乾) |
5.2 |
0.83/1枚(16g) |
2 |
きなこ(全粒・青大豆) |
4.5 |
0.34㎎/大さじ1(7.5g) |
3 |
きなこ(全粒・黄大豆) |
4.1 |
0.31㎎/大さじ1(7.5g) |
4 |
油揚げ |
2.5 |
0.75㎎/1枚(30g) |
5 |
納豆 |
1.9 |
0.8㎎/1パック(40g) |
大豆食品にも種実類と同様にフィチン酸が含まれているので、動物性食品に比べて亜鉛の吸収率が劣ります。
しかし、発酵すると亜鉛の吸収を阻害しなくなるので、発酵食品である納豆は、植物性食品のなかでは亜鉛を効率的に吸収できる食品といえるでしょう(13)。
5.【亜鉛が多い海藻類Top5】
順位 |
食品名 |
量(㎎)/100gあたり |
1食分の亜鉛含有量 |
1 |
味付けのり |
3.7 |
0.05㎎/5枚(1.5g) |
2 |
焼きのり |
3.6 |
0.11㎎/1枚(3g) |
3 |
カットワカメ(乾) |
2.8 |
0.01㎎/0.2g |
4 |
ふのり(素干し) |
1.8 |
0.004㎎/0.2g |
5 |
きざみ昆布 |
1.1 |
0.11㎎/10g |
海藻類にも亜鉛が含まれていますが、一度の摂取量が少ないうえに、亜鉛の吸収を阻害する食物繊維も豊富です。
海藻類のみで亜鉛の必要量を摂るのは現実的ではないため、あくまで補助的な摂取源と捉えましょう。
亜鉛の吸収を促進する肉や魚といった動物性たんぱく質やクエン酸・ビタミンCの豊富な食材と組み合わせるのがおすすめです(13)。
6.【亜鉛が多い野菜類Top5】
順位 |
食品名 |
量(㎎)/100gあたり |
1食分の亜鉛含有量 |
1 |
切り干し大根(乾) |
2.1 |
0.32㎎/15g |
2 |
ブロッコリー(焼) |
1.5 |
0.75㎎/50g |
3 |
※枝豆(冷凍) |
1.4 |
0.98㎎/70g |
4 |
大葉 |
1.3 |
0.01㎎/2枚(1g) |
5 |
※グリンピース |
1.2 |
0.36㎎/30g |
野菜類にも亜鉛が含まれていますが、海藻類と同様に一度の摂取量が少なく、亜鉛の吸収を阻害する食物繊維も多いです。
野菜類のみで亜鉛の必要量を摂るのは現実的ではないため、あくまで補助的な摂取源と捉えましょう。
一方で上記の野菜類は、亜鉛の吸収を促進するビタミンCも含まれています。
肉や魚などの動物性たんぱく質やクエン酸の豊富な食材と組み合わせて、副菜や主菜の付け合わせにするとよいでしょう(13)。
※は、文部科学省発表の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、野菜類に分類されています。参照:(10)
外食でも手軽く食べられる亜鉛が多いメニューはこちら
食堂で買える亜鉛が多い料理5選を紹介
亜鉛が多い食品を効率的に摂取する調理のポイント
食品から摂取した亜鉛は、すべてが体内に吸収されるわけではありません。
亜鉛の吸収率は、ほかの成分に影響を受けて変動しますが、一般的に30%ほどと考えられています(2)。
年齢とともに吸収率は低下するので、効率よく亜鉛補給できる調理法を知っておきましょう。
動物性たんぱく質を摂る
亜鉛は動物性たんぱく質の摂取量が増加すると、吸収率が高まるとされています。
体内の亜鉛は、たんぱく質とくっついて体内で存在している場合がほとんどです。植物性の食品から亜鉛を摂取しようと思う場合は、動物性の食品を組み合わせるとよいでしょう(2)。
牛乳を使う
亜鉛の吸収をサポートする成分の1つに「カゼインホスホペプチド(CPP)」があります。
CPPは、牛乳に含まれる主要たんぱく質であるカゼインが消化により分解された成分です。亜鉛を多く含む食品は、牛乳と組み合わせて摂ると吸収率がアップします(2)。
【外食者向け】手軽に取れる亜鉛豊富な食べ物と選ぶコツ
亜鉛が豊富に含まれている食品としては、牡蠣が有名ですが、牡蠣は価格が高めで、スーパーや飲食店では少し負担がかかるかもしれません。
また、忙しいサラリーマンにとっては、時間をかけて自炊するのが難しいことも多いでしょう。ただし、亜鉛は、どの食品にどれほど含まれているかを知り、上手に選べば、手軽に摂ることができる栄養素です。
亜鉛を効率よく摂るためには、牛肉や豚肉、鶏肉、魚、卵など、動物性の食品を意識的に摂取することが大切です。
また、牡蠣やホタテ、カニなどの貝類や、うなぎ、玄米、カシューナッツ、大豆などにも亜鉛が豊富に含まれています。
さらに、手軽に摂取したい場合は、調理不要な缶詰や加工済みの食品も便利です。
これからは、比較的安価でコンビニで手に入る食品を紹介しますので、多忙な方ぜひ日々の食事に取り入れていただければと思います。
コンビニで買える亜鉛が多い食べ物8選
コンビニでは、調理不要の缶詰や手軽に買える亜鉛を含む食材があります。仕事帰りにも買えるものをピックアップしたので、ぜひチェックしてみてください。
1.牡蠣の缶詰
100g牡蠣の缶詰の亜鉛含有量:25mg
ごはんのおかずやおつまみにぴったりの牡蠣の缶詰は、パンにのせてもおいしいです。
100g当たり25.0㎎の亜鉛が含まれ(5)、1日の推奨量を手軽に補うことができます。
価格は500円以上になることもありますが、調理不要で食べられるのが最大の魅力です。また、味がついているので食べやすく、生の状態の牡蠣が苦手な方にもおすすめです。
2.スモークレバー
レバー特有の風味とクセをおさえたスモークレバーは、亜鉛を豊富に含む豚のレバーが使われた食品です。
200円ほどの価格で購入ができ、1食分にちょうどよい量で、おつまみや間食によいでしょう。ごま油につけて食べてもおいしく食べられます。
3.チーズ
100gチーズの亜鉛含有量:3.2mg
カルシウムが注目されがちなチーズですが、実は亜鉛も豊富に含んでいます。
100g当たり3.2㎎の亜鉛が含まれ、プロセスチーズ1個を15gの場合は、約0.5mgの亜鉛がとれます。(5)
そのまま食べてもおいしく、パンにのせたり、料理のトッピングに使ったりと、バラエティ豊かな使い方ができる食材です。
4.ヨーグルト
100gヨーグルトの亜鉛含有量:0.4mg
カルシウムとタンパク質が豊富で、100gあたり0.4mgの亜鉛が含まれます。(5)いろいろな食材を加えて食べられるのが魅力で、同じ亜鉛を含む、アーモンドやカシューナッツ、きなこなどを入れて食べるのもおすすめです。
5.ゆで卵
100gゆで卵の亜鉛含有量:0.7mg
コンビニでも手に入りやすい卵は、完全栄養食品とも呼ばれ、1個あたり約0.7㎎の亜鉛を含みます。(5)
サラダへのトッピングやつぶして卵サンドなどにも使えて便利なのはもちろん、価格は100円以下とリーズナブルなのも魅力です。
近くには味付けしたゆで卵や温泉卵なども販売されていることが多く、日替わりで気分を変えて食べられます。
6.納豆
ごはんのおかずにぴったりで、食事に悩んだときの手助けになる食材です。
おおよそ100円以下で購入可能で、3パックなどでまとめて販売されていることも多く、コストパフォーマンスに優れているのがうれしいポイント。麺料理やパンにも合います。
7.ビーフジャーキー
100gビーフジャーキーの亜鉛含有量:8.8mg
牛肉を使った加工品で、持ち運びに便利です。
小腹がすいたときの間食や、お肉がないときの代用品としても使えます。50gで4.4mgの亜鉛を含み(5)、チャーハンの具やスープなどに使ってもおいしいです。
価格は500円ほどになりますが、すぐに食べられる手軽さが魅力です。
8.コンビーフ
塩漬けした牛肉を、香辛料などで味付けした食品です。コクと旨みがあるため、野菜と一緒にはさんでサンドイッチにしたり、炒め物の具として使ったりすることが可能です。
500円以下で手軽に購入でき、日持ちする缶詰なのがうれしいポイント。
亜鉛たっぷりの簡単レシピ!「かきのミルクチャウダー」
「亜鉛の王様」と称されるかき(動物性たんぱく質)と、CPPを含む牛乳をたっぷりと使って煮込んだミルキーなスープです。
【材料】(2人分)
-
かき 150g
-
チンゲン菜 1/3束
-
玉ねぎ 1/4個
-
しめじ 1/2パック
-
バター 大さじ1
-
顆粒コンソメ 小さじ1/2
-
牛乳 1/2カップ
-
水 1/2カップ
-
塩・こしょう 少々
【作り方】
-
チンゲン菜は3㎝長さに、玉ねぎはスライスに切り、しめじは小房に分けます。かきは塩少々(分量外)をふって軽く洗いましょう。
-
鍋にバター溶かして(1)の玉ねぎをしんなりするまで炒め、チンゲン菜・しめじ・かき・顆粒コンソメ・牛乳・水を加えて煮ます。
-
かきに火が通ったら、一旦皿に取り出し、ほかの具材が柔らかくなるまで少し煮詰めましょう。
亜鉛の1日の摂取目安量は?
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の成人1日の亜鉛推奨量が男性で9mg、女性で7.5mgとなっており、平成28年の国民健康・栄養調査では、男性の亜鉛摂取量が(平均値±標準偏差)8.8±2.8 mg/日、女性が7.3±2.2 mg/日(女性)であるため、1日の推奨量を超えていない現状があります。
成人男性1日の亜鉛食事摂取推奨量(9mg/日)を満たすため、毎日12.8個ゆで卵や、毎日2杯以上の並盛の牛丼を食べる方が満たすことが可能です。
成人男性の亜鉛の食事摂取基準(mg/日)
年齢等 |
推定平均必要量 |
推奨量 |
耐容上限量 |
18~29(歳) |
7.5 |
9.0 |
40 |
30~49(歳) |
8.0 |
9.5 |
45 |
50~64(歳) |
8.0 |
9.5 |
45 |
65~74(歳) |
7.5 |
9.0 |
40 |
75以上(歳) |
7.4 |
9.0 |
40 |
成人女性の亜鉛の食事摂取基準(mg/日)
年齢等 |
推定平均必要量 |
推奨量 |
耐容上限量 |
18~29(歳) |
6 |
7.5 |
35 |
30~49(歳) |
6.5 |
8.0 |
35 |
50~64(歳) |
6.5 |
8.0 |
35 |
65~74(歳) |
6.5 |
7.5 |
35 |
75以上(歳) |
6 |
7.0 |
30 |
妊婦(付加量) 初期 |
+0.0 |
2 |
- |
中期・後期 |
+2.0 |
|
|
授乳婦(付加量) |
+2.5 |
4 |
- |
亜鉛が不足するとどんな症状が現れるの?
亜鉛が不足すると、DNAやたんぱく質の合成がうまくできないため「成長障害」を招きます。
また、味覚を司る味蕾細胞も亜鉛が無くては作れないので「味覚障害」になるリスクが高まるのです。
前述したとおり、亜鉛は300種類以上の代謝に関わり、健康維持に必要な成分なので、不足するとさまざまな不調が現れます。
【亜鉛不足による一般症状】
-
成長障害と味覚障害
-
情緒不安定
-
皮膚炎
-
傷の治りが遅い、免疫力の低下
-
生殖機能の低下(性ホルモンの減少・男性不妊・卵巣機能不全の原因になる)
-
脱毛
亜鉛不足を招く原因は?
亜鉛不足を招く原因は、摂取不足だけではありません。食べ物との食べ合わせやお酒の飲み過ぎ、病気により不足する場合もあるので、押さえておきましょう。
亜鉛の吸収を妨げる成分に注意
ベジタリアンやヴィーガンなどの菜食主義者、コンビニやスーパーのお弁当が多い方は、下記に示す亜鉛の吸収を妨げる成分の摂取量が多くなりやすいです。亜鉛不足に注意しましょう。
-
食物繊維(植物性食品に多含)
-
フィチン酸(穀類・豆類に多含)
-
リン酸(加工食品に使用される食品添加物に多含) など
参照:(1)
亜鉛の排出を促すアルコールや病気にも注意
アルコールは亜鉛の排出を促します。お酒の飲み過ぎに注意しましょう。そのほか、ネフローゼやクローン病・未熟児・中心静脈栄養の場合も亜鉛不足になりやすいとされています。
まとめ
亜鉛は、一度にたくさん摂るよりも頻回に摂取したほうが効率よく体内で利用されます。
こまめに補給するには、1日3回の食事で肉や魚・大豆製品といったたんぱく質食品を摂るように心がけ、種実類を間食にとり入れるといった工夫がおすすめです。
とはいえ、現状の日本人の食生活ではほとんどの人が不足しており、毎日食事に気を遣うのは簡単ではありません。便利な健康食品も活用しつつ、無理なく亜鉛をとり入れていきましょう。