栄養素 - 脂質

【医師監修】DHAが健康に良い理由は?多様な働きと摂取目安量

監修者 甲斐沼 孟 医師 公開日:2025-02-18 最終更新日:2026-04-01

栄養素 - 脂質

【医師監修】DHAが健康に良い理由は?多様な働きと摂取目安量

監修者甲斐沼 孟 医師 公開日:2025-02-18 最終更新日:2026-04-01

DHAはオメガ3脂肪酸の一種で、「脳の栄養」と呼ばれ、冴えわたる思考の維持に欠かせない必須脂肪酸です。

思考と集中力にサポートする働きだけではなく、DHAは中性脂肪の低減、妊婦の健康、エイジングケアにも重要な役割を果たしています。特に、日本では食生活の西洋化が進んでおり、DHAの摂取不足が懸念されているため、その重要性はこれまで以上に高まっています。

近年の研究結果をもとに、DHAの働き・重要性と摂取推奨量について、外科専門医の甲斐沼先生に教えていただきました。

DHAはどんな栄養素?

脂肪酸の種類
 

DHAとは、多価不飽和脂肪酸に分類されるオメガ3脂肪酸の一種で、「ドコサヘキサエン酸」の略称です。

DHAの健康への影響については、数十年にわたる研究を通じて徐々に明らかになってきました。

DHAは20世紀に発見され、その重要性が認識されるようになり、2000年代にはその構造や機能が具体的に解明されました。

さらに、DHAは細胞膜を構成する重要な成分のひとつであり、脳をはじめとする全身の健康維持に深く関わっています。DHAは「脳と目の健康を支える脂肪酸」として、思考力・視力・記憶力の維持に役立ち、日々のコンディションを整えるうえで欠かせない栄養素です。

成長期のお子様から、年齢による変化が気になり始める世代まで、幅広い年代の栄養補給に重要な役割を果たします。研究の進展とともに、健康意識の高まりを受けて、DHAサプリメントの需要は急増しています。

 

DHAを摂るべき理由は?

 

1.脳・神経・目などの重要な構成成分

DHAは細胞膜、特に脳の灰白質や神経組織、眼球や網膜などに多く存在しています。脳の乾燥重量の約50〜65%は脂質で構成されており、その中でもDHAは脳をつくる主要な成分で、脳全体の脂肪酸の約11%を占めると考えられています。

このことからも、DHAが脳にとって極めて重要な存在であることがわかります。とくに胎児期から幼児期の脳の成長には不可欠であり、妊娠期の胎児の発育や、人の脳・目・心臓の健康にも深く関わる栄養素です。

さらにDHAは神経伝達をスムーズにし、感覚や知性を維持する役割を担うほか、細胞膜の柔軟性を保つことで情報伝達を効率化すると考えられています。

 

2.食事から摂取が必要な「必須脂肪酸」

DHAは青魚に豊富に含まれていますが、人の体内でほとんど生成できません。そのため、食事やサプリメントなど外部から摂取する必要があり、必須脂肪酸に分類されます。

3. 集中力・学習能力の向上と維持

集中力の維持

DHAは神経細胞の働きを助け、記憶力や認知機能を維持します。とくに胎児期から幼児期の脳の発達にも不可欠とされています。

また、DHAは学習能力の向上にも深く関与しており、神経細胞間の情報伝達をスムーズにすることで、新しい知識を効率的に吸収し、記憶力にもサポートします。集中力の維持や改善にも関与しており、仕事や学習のパフォーマンス向上に役立つことが示されています(1)(2)(3)。 
 

4. 記憶力・認知能力の向上

DHAは脳のネットワークを円滑にする重要な役割を果たしており、さまざまな影響を与えることが研究でわかっています。

具体的には、ネットワークを作っている「神経細胞」の働きを活性化させ、情報処理をはじめとした脳機能の向上が期待できるのです。

脳内の「海馬」と呼ばれる部位は記憶の形成に関与しており、DHAはその機能を向上させる可能性があります。「最近、仕事に集中できない」「新しいことを覚えるのが大変」と感じている方にとって、DHAを摂るのは選択肢の一つかもしれません。

 

・記憶力にサポート

多くの研究でDHAを含めたオメガ3を取り入れた結果、記憶力の改善効果が見られたことが示されています。

DHAが記憶力を向上させる理由としては、以下のとおりです。

  • 脳細胞の保護

  • 神経ネットワークの活性化

  • 神経同士のやり取りの強化(脳神経間の情報伝達機能) 

研究結果により、短期記憶と長期記憶の両方によい影響を与えることが示されています(1)

そのため、DHAを積極的に摂取することで、勉強や仕事の効率化が期待できるでしょう。

 

・高齢者の認知機能の維持

DHAは脳の情報伝達機能をサポートすることとされています。DHAは記憶力の向上につながる点から、高齢者の認知機能の維持という役割も果たしているとされています。

実際に、DHAを摂取する頻度が多い方ほど、年齢を重ねてもクリアな思考を維持しやすいという傾向が研究で報告されています(1)

とくに高齢者になるとうっかり回数が増えるので、毎日の思考力を維持するためDHAの摂取が重要といえるでしょう。


 

5. 心血管の健康・中性脂肪の低下

心血管の健康

DHAは心血管にも良い影響を与えます。特に、肝臓での中性脂肪の合成を抑制し、分解を促進する働きにより、中性脂肪やコレステロールのバランスを調整し、血流の改善に寄与するため、血圧の数値をコントロールすることにも有効です(4)

そのため、生活習慣による悩みを減らすことが期待されています。

 

6. 妊婦の健康と赤ちゃんの発達

DHAの働き:妊婦の健康

妊婦や赤ちゃんの健康においてもDHAは重要です。妊娠中のDHA摂取は胎児の脳や神経の発達をサポートし、早産リスクの低下や免疫力の向上にもつながることが報告されています。

また、妊娠中にDHAを摂取することで、母体の健康維持をサポートし、赤ちゃんの免疫機能や発育を促進します。(5)(6)(7)

 

7. 抗炎症

抗炎症

DHAは抗炎症作用を持ち、季節や環境の変化に負けないコンディション維持に役立つとされています。(8)

 

8. 脂肪燃焼

近年の研究により、DHAを含むオメガ3は脂肪の燃焼を促進し、肥満の進行を遅らせる働きが示唆されています。

2015年に行われた研究では、DHAを含むオメガ3を摂取することで交感神経の働きが高まり、脂肪を熱として消費する褐色脂肪細胞の活性が促進されることも明らかになっています(9)。2019年の研究では、運動と併せて魚油を摂取した人たちにおいて、筋肉量を保ちながら体脂肪が減少し、体組成が有意に改善されたことが示されています(10)

関連記事:DHA、EPAを飲んだら痩せる?エビデンスはある?


<医学的なDHAの治療効果につきましては、こちらの資料もご参照ください>
DHAの効果:頭から全身までのDHAの健康維持効果

 

DHAの1日摂取目安量はどのくらい?

DHAが多い魚

DHAは体内で十分に合成することができず、不足すると皮膚炎などの症状を引き起こします。そのため必須脂肪酸であり、食事からしっかり摂取する必要があります。

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」(厚生労働省)には、DHA・EPA・α-リノレン酸などのオメガ3脂肪酸の推奨摂取量が定められています。

性別・年齢に応じて変化しますが、オメガ3(DHAを含める)の推奨摂取量成人男性では2.2~2.3g程度、成人女性は1.7~2.0g程度の摂取が推奨されています。食事からは、他の種類のオメガ3脂肪酸(EPAやα-リノレン酸)も摂取できますので、DHAの摂取量は1日あたり約1g程度で十分です。


 

DHAが多い食品は?

DHAは主に青魚に多く含まれています。例えば、ミナミマグロのトロ部分には約4,000mg、クロマグロのトロには約3,200mgが含まれています。そのほかにも、サバは約2,600mg、サンマには約2100mgのDHAが含まれております。特に旬の時期の青魚は脂がのり、DHA含有量も増える傾向にあります。
 

魚介類

 

食品

DHA含有量(100gあたり)

1位

アンコウ(肝)

5,100mg

2位

ミナミマグロ(トロ部分)

4,000mg

3位

クロマグロ(トロ部分)

3,200mg

4位

サバ(生)

2,600mg

5位

サンマ(皮なし・生)

2,100mg

出典:食品成分データベース|文部科学省

詳しいランキングはこちら:DHAが多い魚ランキング:美味しい調理方法とレシピを紹介【管理栄養士執筆】

日本人は魚離れ?
2021年農林水産省が公表した水産白書には、近年日本人の魚を食べる習慣や魚市場への依存が減少している現象を指します。
青魚の種類は?青魚の栄養素とメリットをご紹介


 

肉類

肉類にも含まれてはいますが、その量は魚に比べると微々たるものです。効果的にDHAを摂取したい人は1日の食事に魚を取り入れると良いでしょう

食品

DHA(100gあたり)

鶏レバー(生)

180mg

牛ひき肉(生)

87mg

豚(かた・脂身・生)

67mg



 

DHAの摂取タイミングは?

DHAはオメガ3脂肪酸の一種なので、「油(オイル)」のようなものとして考えるとわかりやすいです。体内で吸収されるには、消化酵素による分解が必要です。食事中には体内で消化酵素が分泌されるため、DHAサプリメントは、食事と一緒に摂ることで吸収が良くなると言われています。

特に脂肪分を含む食事と一緒に摂取すると、脂溶性であるオメガ3脂肪酸の吸収がよりスムーズになります。また、毎日同じ時間に摂ることで、体内のDHAレベルを安定させることができます。

 

DHAの副作用と薬の相互作用

DHAの摂取は一般的に安全とされていますが、過剰摂取は出血傾向を高める可能性があります。

また、特定の医薬品との相互作用が報告されているため、既存の健康問題がある場合や薬を服用している場合は、医師に相談することが推奨されます。

 

まとめ:DHAを摂取して健康的な生活を送る

本記事では、DHAという必須脂肪酸について、その効果と摂取方法を詳しく解説してきました。

DHAは私たちの健康を支える上で欠かすことのできない重要な栄養素であり、脳の認知機能や心臓の健康、妊婦の発達、肌の老化防止など、さまざまな面で効果が期待できます。

DHAを効率的に摂取するには、まぐろ、さば、さんまなどの青魚を食事に積極的に取り入れることが理想的ですが、日々の食事で十分な量を摂取するのが難しいという方は、サプリメントを上手に活用することをおすすめします。

成人男性では1日2.2~2.3g、女性では1.7~2.0g程度の摂取が推奨されており、食事のタイミングと合わせて摂ると吸収率が高まります。

自分の健康は自分で守るという意識を持ち、DHAを積極的に取り入れることが大切です。ダイケンバイオメディカルでは、皆様にDHAの良さをしっかり実感していただけるよう、高濃度で純度・品質・吸収効率にこだわった製品開発に努めています。

今日からDHAを上手に摂取して、健やかで充実した毎日を送りましょう。あなたの健康的な生活習慣が、より豊かで満たされた人生につながるはずです。

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