食生活のサポート

フィッシュオイルの効果は?フィッシュオイルからオメガ3脂肪酸を摂取できる?飲む理由とおすすめの1日摂取量を解説

監修者 佐藤 浩樹 医師 公開日:2024-04-10 最終更新日:2024-12-09

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フィッシュオイルの効果は?フィッシュオイルからオメガ3脂肪酸を摂取できる?飲む理由とおすすめの1日摂取量を解説

監修者佐藤 浩樹 医師 公開日:2024-04-10 最終更新日:2024-12-09

フィッシュオイルに豊富なオメガ3脂肪酸が含まれて、非常に人気のある健康食品です。しかし、フィッシュオイルに含まれるオメガ3脂肪酸の効果とメリットを知っていますか?市販のフィッシュオイルと魚由来のDHA+EPAサプリメントはさまざまで、どのような摂取方法や製品が良いのでしょうか?一日にどれくらいのフィッシュオイルを摂取すべきでしょうか?そして、最適なフィッシュオイルの摂取タイミングはいつでしょうか?

今回の記事では、フィッシュオイルの効果、オメガ3脂肪酸の働き、1日の摂取目安まで徹底解説。

フィッシュオイルに含まれるオメガ3脂肪酸とは?

脂肪酸の種類

フィッシュオイルには、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)が含まれており、そしてオメガ3脂肪酸であるEPAとDHAという成分も多いです。また、オメガ3脂肪酸(DHA,EPA)は必須脂肪酸で、お体の健康に対して不可欠な栄養素です。また、オメガ3脂肪酸は食べ物からしか摂取できない脂肪酸です。

オメガ3脂肪酸が多い食品は主に魚の脂身です。オメガ3脂肪酸を効率的に摂取には、フィッシュオイルはおすすめです。また、フィッシュオイル製品によって、EPADHAの比率も異なり、期待できる健康上のメリットが異なります。

現在、多くのレストランではサラダ油を使用して炒めたり揚げたりする傾向があり、これにより人々は酸化しやすいオメガ6多価不飽和脂肪酸を摂りすぎます。したがって、オメガ6とオメガ3のバランスを考慮して、フィッシュオイルの摂取によりオメガ3脂肪酸の摂取量を増やす必要があります。

摂取量のバランスが取れていますか?以下はオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸を多く含む食品です: 

  • オメガ3脂肪酸:魚、くるみ、亜麻仁など

  • オメガ6脂肪酸:植物油(ひまわり油、サラダ油、サフラワー油など)、ごま、ピーナッツ、卵、乳製品など

オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸
オメガ3脂肪酸は体内で生成できないことから、摂取する必要がある必須脂肪酸として認識されています。オメガ3脂肪酸は、私たちヒトの身体を作る細胞の細胞膜を形成する物質で、特に脳細胞など神経伝達に関わる部分に多く含まれることが知られています。

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フィッシュオイルの効果は?

フィッシュオイルの由来
魚から抽出されるフィッシュオイルには、特に「オメガ3脂肪酸」がたっぷり含まれており、その中でもDHAとEPAが特に注目されています。これらのオメガ3脂肪酸は、フィッシュオイルを通じて摂取することで、私たちの健康に嬉しいさまざまな効果をもたらしてくれます。以下は、フィッシュオイルの効果を紹介します。

 

1. 血流・血液に良好な効果

フィッシュオイルにはオメガ3脂肪酸が含まれており、特にEPAとDHAが豊富です。日本人の食事摂取基準(2025年版)によると、EPAとDHAは中性脂肪を下げる効果があり、血流と血液に良好な効果が期待できます。

EPAはサラサラ成分
EPAが血液をサラサラにするといわれているのは、抗血栓作用があるためです。また、EPAは多くの生理活性伝達物質を体内で生成したり、新陳代謝を促進したりなど、生理機能を調節して健康を維持する上で大きな貢献をします。

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2.目の健康をサポート

目の健康は長時間の電子機器の使用によって脅かされています。多くの人々はルテインを選んで目の健康をサポートしようとしますが、実際には「フィッシュオイル」も役に立ちます。目のケアを気になる場合、ルテインとフィッシュオイルはお互いに助け合いパートナーですよ。

 

3.前向きな気持ちを維持

最近の研究では、EPAは前向きな気持ちを維持するのに役立つことがわかっています。魚油を選ぶ際には、高いEPA含有量のフィッシュオイルをおすすめします。

 

4.学習能力の向上

研究によると、フィッシュオイルに含まれるDHAは、反応力や学習能力に関連していると考えられています。同時に、DHAは妊娠中のお母さんや赤ちゃんの成長発育にとって重要な栄養素でもあります。そのため、妊娠中、授乳中のお母さん、そして子供もDHAのフィッシュオイルや魚由来のDHAサプリメントの摂取が適しています。

オメガ3脂肪酸であるDHAは脳の重要な成分
DHAは脳にある不飽和脂肪酸の約60%を占めているとされています。また、脳の発達や維持にも重要な役割を果たしており、とくに胎児期から幼児期の脳の成長に不可欠とされています。
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フィッシュオイルの1日摂取目安量は?

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」により、18~49歳の成人男性は1日にDHAおよびEPAを含むオメガ3系脂肪酸は2.2g、成人女性は1.7gです。そして50~64歳の男性は2.3g、女性は1.9gです。65~74歳の男性は2.3g、女性は2.0g、75歳以上の男性は2.3g、女性は2.0gを摂取することが推奨されています。

アメリカ心臓協会により、毎日650mgから1,000mgの摂取がおすすめです。

市販のフィッシュオイルの中にはオメガ3脂肪酸の濃度が低いものが多く、これらの低濃度の魚油を摂取する機会が増えると、不要な脂肪も一緒に摂取され、かえって負担を増やす可能性があります。そのため、オメガ3脂肪酸の濃度が高いフィッシュオイルを選ぶことをお勧めします。

 

オメガ3の摂取は魚だけで十分?

もちろん、1日に必要なオメガ3脂肪酸を摂取するためには魚を食べることが最適です。以下は主な青魚のオメガ3脂肪酸の含有量をご紹介します:
*可食部100gにより計算

 

種類

オメガ3脂肪酸
(g/100g)

EPA
(g/100g)

DHA
(g/100g)

1

みなみまぐろ 脂身 生

6.77

1.60

4.00

2

やつめうなぎ 干しやつめ

6.66

2.20

2.80

3

たいせいようさば 生

6.56

1.80

2.60

4

たいせいようさば 水煮

6.13

1.60

2.30

5

くろまぐろ 天然 脂身 生

5.81

1.40

3.20

6

たいせいようさば 焼き

5.66

1.50

2.10

7

さんま 皮付き 生

5.59

1.50

2.20

8

さば類 加工品 開き干し 

5.58

1.50

2.70

9

さんま 皮なし 生

5.38

1.60

2.00

10

さんま 皮付き 焼き

4.95

1.30

2.00

表によると、毎日1匹の魚を食べると、オメガ3脂肪酸の摂取目安を満たすことが可能です。毎日十分なオメガ3を摂取できない場合は、フィッシュオイルを摂取して摂取量を満たすことが重要です。

フィッシュオイルの由来は青魚?
青魚は、背中から見て皮が青い魚のことを言います。一般的に赤身の魚が多く、比較的漁獲量の多い大衆魚で、群れを成して泳ぐ回遊魚などの共通点を持ちます。脂身には豊富なオメガ3脂肪酸が含有しておりますので、フィッシュオイルの原材料は主に青魚です。
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フィッシュオイルの摂取タイミングは?寝る前に摂ってもいい?

健康食品には摂取時間の厳格な規定はありませんので、都合が良いときに摂取すればよいです。ただし、食物中の脂肪がフィッシュオイルの吸収を促進するため、フィッシュオイルは食事と一緒または食後に摂取することが望ましいです。一日の中でも、最も摂取量が多い食事の時にフィッシュオイルを補充することをお勧めします。

例えば、夕食が一日で最も摂取量が多い場合、夕食時に魚油を摂取するか、または食後に摂取することががおすすめです。朝食が一日で最も摂取量が多い場合は、朝食の食前食後に摂取することをおすすめします。

また、「寝る前に魚油を摂取する利点」については、睡眠前の魚油の摂取が食後よりも吸収が良くなるとする研究結果は報告されていません。したがって、科学的な裏付けがない限り、一般の人々に対しては魚油を食事と同時か食後に摂取することをお勧めします。

フィッシュオイルの酸化が注意
オメガ3脂肪酸を多く含むフィッシュオイルは光や熱により劣化が早まるため、冷暗所で保存しましょう。
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注意!フィッシュオイルの3つの注意点と摂取副作用

  1. オメガ3の摂取量は日々の推奨量に従うようにしてください。過剰摂取は胃腸の不快や血液凝固の時間の延長を引き起こす可能性があります。

  2. 血液の凝固機能が不全な方、妊娠中の方、手術前の方、血液の凝固機能に影響を与える治療を受ける方は、魚油の摂取を一時停止するべきです。

  3. 妊婦、授乳中の方、子供、または薬物を服用している方は、魚油を摂取する前に医師や薬剤師に相談すしてください。